981026 ラジオドラマ「ALL MY TRUE LOVE」 当番・多香子
月曜日
全 員「SPEED辞典はお休みー」
多香子「今週は初めてラジオドラマに挑戦します。カセットテープで録るのは禁止」
全 員「せーの、ハイスピードでいこう」
全 員「こんばんはー」
寛 子「SPEEDの寛子です」
絵理子「ぃ絵理子でーす」
多香子「多ぁ香子でーす」(ニュアンスよ、ニュアンス)
仁 絵「仁絵です!(笑)」
多香子「今までハイスピードでいこうはいろんなことをやってきましたが、でもたぶん今週が
1番大変な1週間だと」
外 野「ひぇぇぇぇぇ」「がーーーん」
仁 絵「今しか騒げない」
多香子「そう、このつらさ」
寛 子「いまいちテンションが(笑)」
多香子「なんとSPEEDが初めてのラジオドラマに挑戦しまーす」
外 野「いぇーーーーぃ!」
多香子「タイトルはALL MY TRUE LOVE。28日に発売される私たちの新曲がテーマです」
絵理子「どういう役なの?」
多香子「じゃあ今から説明しますね。私が」
外 野「あぃ」
多香子「ある高校の陸上部の話なんですけど」
外 野「(笑)」
多香子「レギュラー選手が私、多香子です」
外 野「おーっ(笑)」
絵理子「おめでとー」
仁 絵「足、速いんだね」
絵理子「速いんだね」
多香子「そうそう、短距離だけね」
外 野「(笑)」
多香子「それで補欠の選手が寛ちゃん」
絵理子「かわいそー」
寛 子「おめでとー」
多香子「で、マネージャーが仁絵ちゃん」
寛 子「おめでとー」
仁 絵「おー、おおおー」
絵理子「いいねー」
多香子「謎の女の子、絵理子」
絵理子「え?」
外 野「(笑)」
絵理子「え?」
仁 絵「謎?」
絵理子「何?」
仁 絵「そこが、疑問ですね」
絵理子「そこが疑問ですね」
寛 子「最後までいったらさ(?) わかんないね」
仁 絵「人間の役ですか?」
絵理子「にん」
寛 子?「おや、あ? あ?」
絵理子「わかんない、動物?」
仁 絵「虫かな」
多香子「虫かもよ」
外 野「(笑)」
絵理子「虫に(?)しないでよー、ちょっとー」
寛 子「謎だからわかんないじゃん」
多香子「そうですね、最後まで見て下さい。あ、聞いて下さい。ではスタートしましょう。
ラジオドラマALL MY TRUE LOVE」
音 「虫の声」
寛 子「あ、月が出てる。ほら、ねえ仁絵ちゃん月だよ、月出てる」
仁 絵「もー、寛ちゃん、早くやっちゃおうよ。雨降ってきちゃうよ」
寛 子「大丈夫だよ。だって月出てるんだもん。明日の陸上競技会もきっと晴れるよ」
仁 絵「またそうやってひと事みたいに・・・。寛ちゃんだって走れるかもしれないんだよ?」
寛 子「私は一生補欠だから。こうやって前の日にレギュラーの多香ちゃんの用具を整理してあげて、
それでおしまいっ」
仁 絵「あのねー、簡単に一生とか言わないの」
寛 子「大丈夫。私の一生なんてぜんぜん短いから」
仁 絵「またその話?」
寛 子「私ね18才になったら月からお迎えが来るんだ」
音 「アンドロサントラのあー、なんだっけなぁ。暗いやつ」
寛 子「覚えてるんだ。3つの時に私、月から海に落ちてきたから」
仁 絵「はいはい」
寛 子「それを、拾われて育ててもらったんだけど、18になったら月へ帰らなきゃいけないんだ。
だから私の一生はあと3年。こんな風にいろんなことを我慢しながらこの地球に生きてるのも、
あと3年」
仁 絵「寛ちゃん、そんなこと・・・」
音 「雨の音」
寛 子「あ、雨だ・・・」
・・・・
音 「足音」
多香子「はあはあはあはあ、もー、こんなに雨降んだったら家で筋トレやってればよかった。
早く帰ろうっと」
絵理子「あのー」
多香子「はい?」
絵理子「落ちましたよ、このタオル」
多香子「あ、すいません。あー、ビショビショになっちゃった。私の幸運のタオルなのに」
絵理子「3年間ずーっとそのタオル使ってるんだね。大事な競技会の時には」
多香子「え?」
絵理子「初めて100メートル走で1位を取ったときに使ったのがそのタオルなんでしょ?」
多香子「そーだけど・・・どうしてわかったの? あなたウチの高校の子だっけ?」
絵理子「違うよ」
多香子「どこかの競技会で一緒になった?」
絵理子「なってない」
多香子「じゃあなんで私のことそんなに詳しいの?」
絵理子「うーん、何って説明すればいいのかなぁ。わかっちゃうんだよね、全部」
多香子「え? どういうこと?」
音 「雷の音」
? 「きゃ!」(多香子or絵理子・・・話の雰囲気からだと多香子)
絵理子「ほら、雨の中でこんなに長話したら風邪ひいちゃうよ。明日は大事な競技会なんだから。
早く家に帰ったほうがいいよ」
多香子「う、うん・・・」
絵理子「ほら、早く」
多香子「わかった。じゃあ行くから」
絵理子「じゃあね、また明日。気をつけてね」
音 「足音」
多香子「誰だっけ・・・どっかで見覚えあるんだけど。あ、そうだ名前教えてもらわなきゃ。
あのー、名前! あれ? いない」
SONG「SPEED・ALL MY TRUE LOVE」
寛 子「補欠役の寛子です。ラジオドラマ第1話いかがでしたか? お送りした曲はSPEEDで
ALL MY TRUE LOVEでした」
絵理子「さあーーーーー」
多香子「あー、緊張するー」
寛 子「緊張すんね」
仁 絵「んー」
多香子「明日は、ALL MY TRUE LOVE第2話です。ではまた明日」
絵理子「せーの」
全 員「バイバーイ」
仁 絵「きゃー、ラジオドラマだー」
絵・寛「きゃーーーっ!」
多香子「今日はラジオドラマALL MY TRUE LOVE第2話このあとすぐスタート」
全 員「せーの、ハイスピードでいこう」
音 「アンドロメディアの曲」
寛 子「私は月から落ちてきた、18才になったら背中に翼がはえて月へと飛んで帰れるようになる。
だからこの地球の上でどんなに辛いことがあっても、どんなに惨めなことがあっても、それは、
ほんの少しの我慢。翼がはえて、月に帰ることができたら私は幸せになれる。
私は、月から落ちてきた」
音 「電車」
仁 絵「寛ちゃーん、寛ちゃん、起きて! 寛ちゃん!」
寛 子「ん〜? ん、仁絵ちゃん」
仁 絵「ほら、電車乗り過ごしちゃうよ」
寛 子「いいよ、このままサボっちゃお。どうせ私、補欠だから今日も出番ないし」
仁 絵「ダメだよ。多香ちゃん、ケガしたらどうすんの?」
寛 子「ケガなんかしないよー。私は今日も1日中控え室で座ってまってるだけ。行っても無駄だよ」
仁 絵「そんなこと言わないの。なにがあるかわかんないでしょ?」
寛 子「わかってるよぜーんぶ。また今日も無駄な1日の繰り返し」
絵理子「いいなぁ」
寛 子「え?」
音 「アンドロメディアの曲」
絵理子「いいなぁ、無駄な1日の繰り返し。私もしてみたい」
寛 子「あのー、誰?」
絵理子「無駄な1日でも1日は1日だもんね。お日様が昇ってまた沈むまで同じ1日。
でもすっごい大切ないつもと同じ1日」
寛 子「ちょっと、わかったようなこと言わないでくれる?」
絵理子「それがわかっちゃうから困るのよ」
寛 子「なに?」
音 「電車止まる音」
仁 絵「ちょっと、寛ちゃん駅ついたよ。行こっ」
寛 子「でも、この子」
仁 絵「ほら、早く。遅れちゃうよ!」
寛 子「ちょっと仁絵ちゃん、手ひっぱんないで、行くから」
絵理子「わかってるでしょ?」
寛 子「え?」
絵理子「翼がはえるのは人が死んで天使になる時だけ。一生懸命生きてる間は翼なんか必要ないのよ」
音 「駅の雑音」
仁 絵「なんか変な子だね」
寛 子「うん・・・」
仁 絵「なんて言ったの?」
寛 子「うん・・・一生懸命生きてる間は、翼なんか必要ないって言ってた」
仁 絵「良いこと言うじゃない」
寛 子「でも・・・」
仁 絵「あ、多香ちゃんだ!」
多香子「おはよー! あれ? どうしたの寛子、元気ないじゃん」
仁 絵?「うん」
多香子「私がもしケガでもしたら、寛子が走んなきゃいけないんだから。もっと元気出してよねー。
まー、今日もずっとベンチで見てるだけだと思うけど。ほら、行こっ」
寛 子「・・・一生懸命生きてる間は、翼なんて必要ない・・・か」
SONG「SPEED・ALL MY TRUE LOVE」
絵理子「謎の女役の絵理子です。ラジオドラマ第2話いかがでしたか? お送りした曲はSPEEDで
ALL MY TRUE LOVEでした」
多香子「多香はセリフ2つだけだったから今日は楽だね」
絵理子「楽だったね」
寛 子「今日はちょっと緊張したね」
仁 絵「んー」
多香子「まあ、明日もラジオドラマALL MY TRUE LOVE第3話いきます。ではまた明日」
全 員「せーの、バイバーイ」
絵理子「新曲ALL MY TRUE LOVE発売記念。ラジオドラマに挑戦中」
多香子「今日は第3話、うーちゃん大活躍のま、きよ。この後すぐ始まります」(つっかえた)
全 員「せーの、ハイスピードでいこー」
音 「部屋のドア」
多香子「うわー、きったなーい。なにこの控え室」
寛 子「新しい競技場がまだ出来上がってないから、今年はここなんだって」
仁 絵「わ、カビ」
多香子「最低」
仁 絵「あれ? あ、写真じゃない?」
多香子「ほんとだー、あ、なんか書いてある・・・えっとー、1986年第28回陸上競技大会優勝者。
うわー、12年間も使ってなかったってこと」
寛 子「あれ? あの写真・・・」
多香子「いつまでもこんなカビ臭いところにいたら具合悪くなっちゃうから、グランドに出て
走ってくるねー」
寛 子「あ、多香ちゃん。あの写真・・・」
多香子「じゃ、お先に」
音 「ドアの音」
仁 絵「は〜、私も買い出しにいこっ」
寛 子「うん・・・じゃ、私も行く」
仁 絵「ダメ! 寛ちゃんはグランドでアップしなきゃダメでしょ?」
寛 子「だって、必要ないもん補欠だから・・・」
仁 絵「また、そうやってー」
寛 子「ふふっ、ごめん。冗談だから。準備できたらグランド出るよ」
仁 絵「そう? ならいいけど。じゃあ行ってくるね」
寛 子「うん」
音 「ドアの音」
寛 子「はぁ〜・・・この写真・・・この写真に写ってる女の子たしか・・・」
絵理子「私にそっくりでしょ?」
寛 子「きゃっ」
音 「ガラス割れる」
絵理子「あーあ、割れちゃった。大事な写真の入ってる額なのに」
寛 子「ちょーっとー、脅かさないでよー。だいたいいつの間に」
絵理子「久しぶりー、この写真見るのー」
寛 子「ちょっと、人の話聞いてる? 電車の中とか控え室とか突然あらわれて」
絵理子「ほら、表彰台の真ん中の1番高いところで笑ってる・・・似てるでしょ? この子」
寛 子「お姉さんかなんかでしょ?」
絵理子「んー、まぁ、そんなもんかな。でもね、速かったよ、すごく。あのままいったら
オリンピックとか行ったんじゃないかなぁ、きっと」
寛 子「オリンピックなんて、こんな地方の競技会からオリンピックの選手なんて
出るわけないじゃない」
絵理子「そんなことないよ。彼女、ホントに速かったよ。走ってる時、
背中に翼がはえてるみたいだった」
音 「アンドロメディアの曲・Birth」
寛 子「翼? ・・・翼なんてバカなこと言わないでよ」
絵理子「あれ? 18才になったら背中に翼がはえてきて月に帰るって行ったの誰だっけ?」
寛 子「いや・・・それは・・・」
絵理子「もしホントに翼が欲しかったら、一生懸命この地球を蹴って前に進むしかないのよ」
寛 子「この地球を蹴って、前に?」
音 「ドアの音」
仁 絵「寛ちゃーん! 大変!」
寛 子「え? どうしたの仁絵ちゃんそんなに慌てて」
仁 絵「多香ちゃんが・・・練習中に・・・多香ちゃんが・・・」
音 「救急車」
寛 子「え? ・・・嘘でしょ?」
SONG「SPEED・ALL MY TRUE LOVE」
多香子「レギュラー役の多香子です。ラジオドラマ第3話いかがでしたか? お送りした曲は
SPEEDでALL MY TRUE LOVEでした」
仁 絵「多香ちゃん何があったのー?」
多香子「何があったんだー」
仁 絵「妊娠3ヶ月」
多香子「いやー、どうだろー?」
寛 子「えー?」
絵理子「妊娠3ヶ月で運ばれないって」
外 野「(笑)」
多香子「私、あ、私じゃないや」
仁 絵「(笑)」
多香子「明日は、ALL MY TRUE LOVEクライマックスです」
外 野「いぇーーーーーーぃ!」
多香子「ではまた明日」
絵理子「せーの」
全 員「バイバーイ」
寛 子「ハイスピードでいこう、始まって以来、1番まじめな1週間」
多香子「ラジオドラマALL MY TRUE LOVE。今日はいよいよ最終回です。この後すぐはじまりまーす」
全 員「せーの、ハイスピードでいこー」
音 「救急車」
音 「アンドロメディアの曲」
多香子「ねえ、仁絵」
仁 絵「なに?」
多香子「かっこわるいね、私・・・本番ならともかく練習中に転んで脱臼なんて」
仁 絵「しょうがないよ。多香ちゃんはいつでも一生懸命だから」
多香子「一生懸命か・・・かっこわるい言葉」
仁 絵「そうかな? 私は好きだけど」
多香子「私ね、1年の時からずーっと1番だったでしょ?」
仁 絵「うん」
多香子「でもね、実はすごく怖かった。だって寛子の方が全然素質あるんだもん」
仁 絵「多香ちゃん・・・」
多香子「私は雨の日も風の日も一生懸命練習して、ぎりぎり1番になってたけど。
寛子は素質があるのに全然やろうとしないでしょ?」
仁 絵「そうだね・・・あの子いつも言ってた」
多香子「私は月から落ちてきたって話でしょ?」
仁 絵「うん」
多香子「確かにあの子の素質って私なんかとは全然比べものにならないもん・・・でも、私に出来るのは
一生懸命、毎日毎日、練習するだけで・・・私、辛かった・・・苦しかったの」
仁 絵「多香ちゃん、かっこいいよ」
多香子「え?」
仁 絵「多香ちゃんの一生懸命。かっこいいよ」
多香子「ありがと」
音 「ドアの音」
寛 子「はぁ、いきなり代役なんて言われたって、私走れないよ・・・走りたくないよ、
負けるの怖いもん、私がもし一生懸命走って人に負けたら怖いもん・・・
もしそんなことがあったら、私生きていけなくなる・・・」
絵理子「生きていけなくなる?」
寛 子「私は他の人と違うって信じて生きてきたのに・・・もし、負けたら。私生きていけない・・・」
絵理子「だったら逃げれば?」
寛 子「え?」
絵理子「今、この控え室から走って逃げてもたぶん誰も気づかないよ。走って電車に乗って家に帰って
ベッドの中でふるえて月の夢でも見る? 翼が自然にはえてくるの一生待ってるの?」
寛 子「逃げたいよ、逃げたいけど・・・」
絵理子「翼がはえて来ない限り人生からは逃げられないよ」
寛 子「え?」
絵理子「ほら、自分の胸に手をあてて。目を閉じて・・・聞こえる?」
音 「ドクドク」
寛 子「あ・・・心臓の音・・・私の心臓が動いてる音」
絵理子「あなたの翼は、背中にはえるんじゃなくて、この心臓にはえるのよ」
寛 子「私の心臓に・・・翼が?」
絵理子「そう、心臓に翼がはえたら、どこまででも飛んでいけるから。この心臓が脈を打つたび翼が
羽ばたいて、どこまででも飛んでいけるから」
寛 子「私の心臓が・・・脈を打つたび」
絵理子「背中に翼がはえたって、いいことないのよ・・・死んで空にのぼるだけ。私みたいにね」
寛 子「え? どういうこと?」
絵理子「じゃあ、そろそろ行くから。12年間ずっとあなたを待ってた。会えてよかった」
寛 子「やっぱりそうだ、思い出した。あなたこの写真の子でしょ?・・・確か、競技会の後に
心臓マヒで亡くなったって」
絵理子「そんなことどうでもいいじゃん・・・でしょ?」
寛 子「うん・・・そうかもしれない・・・そうだね、どうでもいいよ。
私に今、大切なのは走ることだから」
絵理子「わかったみたいね。じゃああなたの走る姿、空の上の1番いい席で見てるから」
寛 子「うん、見てて。1番先頭を走っているのが私だから」
絵理子「わかった。じゃあね」
寛 子「じゃあ、ありがとう」
SONG「SPEED・ALL MY TRUE LOVE」
仁 絵「マネージャー役の仁絵です。SPEED初チャレンジのラジオドラマいかがでしたか?
お送りした曲はSPEEDでALL MY TRUE LOVEでした」
絵理子「終わったよー!」
多香子「うあー」
寛 子「終わった」
仁 絵「みんな泣いたかな」
寛 子「感動のクライマックス」
絵理子「肩こりしちゃうよ」
外 野「(笑)」
多香子「関係ないそれと。うん、ではまた来週」
全 員「せーの、バイバーイ」