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メガネの男のひとが、黒板になんか書いてました。 ほんとうは名前を書いていたんだけれど 「わぁ おーきな 黒板!」と思って すみから すみまで黒板をみて そうして「わぁ 時計まで おおきい!!」って となりを見たら もっとおっきい「木」の「板」発見!!! 「あれ?アレは なんだろう???」って 頭の中は運動会。レナはとってもいそがしく していた。 すると 「レナ? 先生の名前は おぼえたの?」ってお父さんの声。 「? センセイって???だれ?」 いっしょうけんめい 考えていたから声をだしてるヒマがなかった。 じーっと 考えていたら メガネの人が にこにこしながら あるいてきた。「おはよう。ん?どうしたのかナ?」 「ほんとうに すみません、この子先生の名前もおぼえてなくて」と おとうさん。「だめでしょ!」と おかあさん。 メガネの人は ゆっくりと レナの目を見て 「おはよう。レナ。今日 はじめて会ったんだもんネ。僕がここの 教室の先生だよ。今日は朝ごはんたべたかな?」 そして 「この人がここの先生か!」ってわかったレナなのでした。 うれしくて にこにこして 「先生 なんて なまえ? レナは レナです。」 「ぼくの なまえは なかがわだよ。おはよう。よく来たね。」 こうして はじまった 一日目。 小学部2年 なかがわ学級。 ここは どこだろなぁって あんまり わかってなかったレナなのでした。 緑のじゅうたんが きれいな 日のあたる教室。 |
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学校だから つくえは あるし あるのだけど その教室のつくえは大きくて、はしっこには 「割りばし」みたいな木が ついていて 鉛筆がころがっても 落ちないようになっていました。 すわると すっぽり体を ささえてくれるように 丸くなっていて かっこよく いっしょうけんめい書いてるうちに うごいてしまう ノートもちゃんと 受け止めて くれるのでした。 レナは このつくえが すっかり気に入って 「前の学校よりいいな♪」と思いました。 おまけに「どのくらい強くころがしたら えんぴつ君は下に落ちるでしょうかゲーム」や、 「どのくらい高いノートの山をつくるとドサっと 床におちるでしょうゲーム」まで 思いついたので! はりきって 朝、自分の席まで「歩いて」いきました。 教室の入り口から つくえまで 歩く。 ころばないで歩く。これも とっても「たいせつ」 だったので、「ゲーム」に熱中しているレナの下に 落ちている鉛筆を何度もひろいに来てくれる先生は 言うのでした。 「レナ!きょうも 歩いてこれたネ。がんばった! おはよう(^-^)」 なので レナは ますます はりきって ノートと鉛筆をおとしました(笑) ゲームは 先生が 黒板に何か書いていて とうとう ふでばこの中のえんぴつ君が なくなったら おしまい(^^) そして やっと「あ。みんな 何してるんだろう?」って そんなレナ。 |
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教室の中には つくえだけじゃなく 窓のよこには 手をあらったりするところ。 うしろの方には、絵本、地図、えのぐ。いろいろありました。 だけど なにより みっちゃんとレナが このまえから 夢中になってるのは「ビスケット」。 誰かが ひとくちかじった「ギザギザ」のあとまで ちゃ〜んと ついている 紙のビスケット。 「ねぇ コレ だれが たべたんだろー。」 「どうしたら ビスケットが ふえるのかなぁ。」 と 真剣な まいにち。そして とうとうある日 「ビスケットもっと いっぱいになるよネ?」 「うん なるよ! なるよ、なるよ!!!」って いいこと おもいつきました。 ビスケット屋さん 開店(^^) もう うれしくて わくわく。 すると、クララが 「お客さんは?」。 なんでも よく気がつくクララは おねえさんみたい。 「お客さんが いなくちゃ レジの係りの おしごともなくなっちゃうし・・・・」と むこうの方を見ると 机にむかってる先生が。 「あっ そうだ!!!!!先生、お客さん!」 みんなは もう うれしくて うれしくて 「はい、どうぞ、おきゃくさま。」と かわりばんこに 先生に ビスケットを 持っていきました。 紙の「できたてビスケット」を ちゃ〜んと ギザギザが のこるように ひとくちダケ かじって 「おいしいねー」と 食べてくれる先生。 今思うと、先生は 何か 大切な書類を 書いていたのかもしれなかった。 ビスケットは 何かの教材かも しれなかった。 けれども 先生は「ありがとう。おいしそうだね。」と なんども 食べてくれました。 紙だけど 「バニラ味」のつもりの ビスケット。 「おともだちとも なかよく 元気に あそべるように なりました。」と「がんばったこと」に 書いてくれた先生です(^^) |
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教室が だいすきで となりの「せいかつの家」の先生が 「おふろだよ〜」と呼びにきても 「ごはんだよー」と 呼びにきても 「まだ かえらない! まだ ここにいる!」 ぜんぜん 帰りたくない、帰らない、レナ。 「あら、まだ お勉強おわってないの?」ってきかれても 「おべんきょうって なんのこと?」ってレナなので 「まだ おわってない!まだ まだ おわってない!」って ぜんぜん まったく 帰らないレナ。 メガネの先生が 「レナ、ごはん たべて あしたおいで?」と言っても 「まだ おわってない、まだ おわってない。 おわってから ごはんだから ごはん、まだ。」とレナ。 しかたないから なきそうに なりながら ひっぱられて 帰ってたレナ。 そんな日が ずっと つづいた ある日 おんなの先生が きました。 そーっと そばに 来て、 絵本をひらいて おはなしが はじまりました。 「?」「?」 「? だれ? それ な〜に? それ な〜に?」 本から 声がでてると 思ったレナなのでした。 「それ な〜に?」と きいても おはなしが つづいてるので どうとう 先生に ぴったり くっついて じーっと 絵本を みてました。 「これは な〜に? これは な〜に?」 おんなの先生は「レナ? もっと 読む? やめる?」 「やめると どうなるの?」とレナ。 「レナ? もっと 読む? やめる?」と女の先生。 メガネの先生のところに いそいで ききに いきました。 「せんせい、あの人 だ〜れ? あれ な〜に? やめると どうなるの? あれ な〜に? あれは な〜に? 「ヨム」って な〜に?」 メガネのせんせいは じーっと レナの目を見て 「レナ? おはなし おもしろかった? レナのだいすきな 絵本だよね? レナ、あそこに 字が かいて あるんだよ。 字があると おはなしを いつでも 読めるし いつでも また はじめられて どこにも いかないんだよ。やめても どこにも いかないヨ。」 「???? どこにも いかないの? やめても?」 字は知っていたのだけれど 読むのも 知っていたんだけれど 「ヨム」が 「読む」ことなのを しらなくて 「字」は どうなってるんだろうって 考えてるから書けなくて。 それに しらない人の どこからしってる「おはなし」がって 「? これは な〜に?」。 おはなしの先生のところに もどったレナは 「声は どこから くるのだろう」って 先生の顔を じーっと見てました。 だって絵本のおはなしは どこにも いかないって 先生がいった! だけど、だから、 「レナ?? もっと 読む? やめる???の?」って先生 だけど、だから レナは 「やめてから もっと 読む!!!!!」 いつでも こんな レナ。 |
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「レナ、絵本はおわりにして、こっちにおいで。」 絵本を ちゃんと かたづけるようになったレナ。 そう、絵本はちゃんとかたづけて、そして、そのとなりの粘土に。 フタの中にしっかり入っていた「ねんど」。 このまえ 見つけちゃったのでした。 「?これは何?」 床に落とすのが レナのやり方 ためし方。 「あれ?どうして音がしないの?」だから もう一回。 「あれ?あ!わかった!えんぴつ君みたいに机からだ!」 粘土をひろって つくえに戻ろうとした時 粘土のはしっこが床に落ちた。 歩くと体ぜんぶに力がはいってしまうレナの手から 粘土の半分が落ちたのでした。 床をみつめて考え中。 もう先生の声も聞こえない。 「どうしてとれたの?ねんど。ねぇ ねんど?どうしてとれたの?」 つくえはあっちなのに、まだあともう少し あっちなのに。 どうして とれたの ここで。大粒なみだのレナ。 「こっちだよぉ、つくえから落ちてよぉ、ねんど・・・・・。」 泣くの と 立つのを 両方なんて むずかしすぎて たおれちゃって もうどうして いいか わからなくなった。 「こっちに来てよぉ、こっちに来てよぉおおお」 その声で、さすがの先生もやってきた。 「レナ?先生はここだよ、どうしたの?」 「先生じゃないよ、ねんどだよぉ、先生じゃないよぉおおおお。」 「ねんど?」ぜんぜん あわてない先生は 静かにいった。 「あっちで ビスケット屋さんやってるんだよ、どうする?レナ。」 ビスケット屋さんやってるなんて知らなかった! 今は、「ビスケットは なんマイでしょう」の算数のじかん。 「ビスケット屋さん?」 「あっちの方まで歩いてこられるかな?」 「ビスケット屋さん やってるの?」 もう 粘土は忘れちゃった(^^ だけど、まだ かたまって うごけないでいる。 「レナ、いも虫みたいだなぁ。 すわってごらん?すわれるかな?」 ころんで 2回も 足の骨がボキっとなったレナだから ころぶと たいへんなのを 先生は知っている。 「ビスケット屋さん、どこ?」 「あっちだよ。」 「どこ?」「おきてごらん?」そんな こんなのレナです。 |