お手伝いカード

 

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マナちゃんは三年生。きょうは朝からいっしょうけんめいに何か作っています。
「できたー!」
 マナちゃっんはうれしそうに叫びました。
 それは、小さく切った紙に「おてつだいけん」と書かれた十枚のカードでした。色鉛筆でかわいい絵も描いてあります。
 そこへやってきた中学生のお姉ちゃんがカードを見て
「これ、どうするの?」
 と聞きました。
「お母さんの誕生日だから、プレゼントにするの」
 とマナちゃんが答えると
「ふーん、きれいにできたね。でもね・・・」
 お姉ちゃんは何かを言いかけて、そのままどこかへ行ってしまいました。
 マナちゃんは「へんなお姉ちゃん」と思いながら、カードをひとまとめにしてピンクの紙につつみました。そして、さっそくお母さんに渡しに行きました。
「お誕生日、おめでとう」
 よろこんでくれるかしら? マナちゃんはドキドキしながらお母さんの顔を見ています。
「あら。ありがとう。何かしら?」
 お母さんは嬉しそうに笑うとプレゼントをあけました。するとお母さんは少しさびしそうな顔をして
「マナ。気持ちはとても嬉しいんだけれど、このカードはもらえないわ」
 と言いました。
「えっ。どうして? いっしょうけんめい作ったんだよ」
 マナちゃんはびっくりして言いました。
「そうね。いっしょうけんめい作ってくれたのはわかるわ。気持ちもとっても嬉しいのよ。でもね、カードはいらないのよ」
 お母さんはそう言うと、お買い物に出かけて行きました。
 マナちゃんはとても悲しくなりました。お母さんが喜んでくれると思って頑張って作ったのに、まさか「いらない」なんて言われるとは思ってもみなかったのです。
 マナちゃんががっかりしているところへ、お姉ちゃんがきました。
「マナ、どうしたの? 元気ないね」
 お姉ちゃんの優しい言葉に、マナちゃんはとうとう泣き出してしまいました。そしてわけを話しました。
 話しを聞いたお姉ちゃんは
「やっぱりね」
 と言いました。マナちゃんがびっくりしてお姉ちゃんを見つめると
「じつはね。お姉ちゃんも、マナくらいの時に同じことをしたのよ。その時もお母さんはいらないって言ったのよ」
 と言いました。
「なんでお母さんたら、お手伝いカードがいらないのかしら?」
 マナちゃんが不思議さうに言うと
「うーん・・。マナにはまだむずかしいかな」
 お姉ちゃんはしばらく考えて言いました。
「あのね。お母さんがカードを受け取ってくれたとしてね。カードが無くなったら、マナはもうお手伝いしないの?」
「そんなことないよ」
 マナちゃんはあわてて首を横にふりました。
「じゃあね、すごくおもしろいテレビを見ているときに、カードを出されてお手伝いするのってどんな気持ち?」
「う〜ん・・。カードがあるからしかたないけど、嫌かもしれない」
「ね? カードが無くてもお手伝いできるし、カードがあっても嫌々するお手伝いじゃ、お母さんは嬉しくないよ」
 お姉ちゃんの言葉にマナちゃんはハッとしました。そして、何となくお母さんがカードを受け取らなかった気持ちがわかるような気がしました。
「さすがお姉ちゃんだね。やっぱり中学生はえらいなぁ」
 とマナちゃんが感心すると
「ふふっ。実はね、お姉ちゃんもおばあちゃんに教えてもらったのよ」
 そう言ってお姉ちゃんは恥ずかしそうに笑いました。
 二人が笑いあってるところへ、五年生のお兄ちゃんが入ってきて
「きょうはお母さんの誕生日だから、ぼくはお手伝い券を作ることにしたのだ。いい考えだろう」
 といばって言いました。
 二人は顔を見合わせると
「違うものにしたほうがいいよ」
 と声をそろえて言いました。
「えー。なんでだよぉ」
 お兄ちゃんの不思議そうな顔を見て、二人はまた大きな声で笑いました。

 

 

 

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おそまつさまでしたm(。^_^。)m

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