さよならしなくてごめんね
☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆♪♪☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆♪♪☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆
| マナは小学一年生。きょうは朝からウキウキしています。一年ぶりにいとこのゆみちゃんが来るのです。 ゆみちゃんは人見知りがはげしくて、いつもしかめっ面。でも、マナにだけはなついて「ねーね、ねーね」と、何をするにもマナの後をついてきました。 末っ子のマナは、妹ができたみたいでうれしくてたまりませんでした。何から何までゆみちゃんの世話をやき、それは楽しいひとときだったのです。 「ただいま」 おばちゃんが帰ってきました。あいかわらず人見知りのはげしいゆみちゃんは、おばちゃんにぴったりとくっついています。でも、マナの顔を見てにっこりと笑いました。 ゆみちゃんは三歳になって、たくさんお話しができるようになりました。そして、少しわがままになったみたいです。 おうちになれてきたゆみちゃんはやりたいほうだいです。おもちゃはちらかすし、勉強のじゃまはするし。マナがおこってもちっとも言うことをききません。 そして後かたづけはみんなマナの仕事です。マナはだんだん、ゆみちゃんの相手をするのがつらくなってきました。 それに、お母さんもおばあちゃんも、ゆみちゃんにばかりおもちゃや洋服を買ってあげます。 マナもほしいと言うと 「何言ってるの。マナはたくさんあるでしょ」 としかられます。 マナはだんだんはらがたってきました。それでつい、ゆみちゃんへの言い方がおこったようになってしまいます。するとお兄ちゃんが 「マナ、ゆみちゃんにやさしくしてやれよ」 と言いました。ゆみちゃんもまねをして 「マナ、やさしくしてやれよ」 と言います。マナはますますはらがたちました。お兄ちゃんまでがゆみちゃんの味方をするのです。 そんなある日お母さんが、またゆみちゃんに何かあげました。それを見てマナは「あっ」と思いました。だってそれは、前からほしいと思っていたピンクのリボンの付いたかわいいポーチだったのです。 マナがそのポーチがほしいとお母さんにお願いしたとき、 「マナはまだ小さいから使わないでしょ。もっと大きくなったらあげるからね」 とお母さんは約束したのでした。なのになぜ、マナより小さいゆみちゃんにあのポーチをあげてしまうのでしょう。 それに今は小さくて着られなくなったけれど、マナが一番お気に入りだった、きりんのもようのパジャマもいっしょです。 「それはマナのだから、ゆみちゃんにあげちゃだめ」 と言うと 「ゆみちゃんがほしがっているからあげなさい。どうせマナにはもう着られないんだから」 とお母さんは言いました。 マナはのどの奥がものすごく熱くなりました。そして涙がポロポロ出てきました。 みんながゆみちゃんのごきげんばかりとって、マナの事は誰も気にしてくれない。ゆみちゃんはわがままで、ちっともマナの言うことをきかない。 そんな思いが一度に頭の中にうかんできて、がまんしようと思うのに涙がとまらないのです。 「もうゆみちゃんなんて遊んであげないからね!!」 マナはそう叫ぶと、自分の部屋に駆け込んでわんわんと泣きました。 次の日はゆみちゃんがおうちに帰る日でした。学校に行っているあいだに帰ってしまうけれど、マナはゆみちゃんにさよならを言いませんでした。 学校から帰るとマナの机の上に、あのピンクのポーチときりんのパジャマが置いてありました。その上には 「マナちゃんごめんね。 ゆみとあそんでくれてありがとうね。 おばちゃんより」 と書かれた手紙がありました。 夕方お母さんは、おばちゃんの忘れ物を送る箱の中に、ピンクのポーチときりんのパジャマが入っているのに気がつきました。ポーチの中からのぞいている紙には 「さよならしなくてごめんね またあそびにきてね まな」 と書いてありました。 お母さんはにっこりと笑うと、急いで荷物をまとめました。 きっとあしたにはゆみちゃんのおうちにとどくことでしょう。 |
☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆♪♪☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆♪♪☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆
おそまつさまでしたm(。^_^。)m
へたっぴい作品集ページへはブラウザの[戻る]をクリックしてね