さよならしなくてごめんね

 

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マナは小学一年生。きょうは朝からウキウキしています。一年ぶりにいとこのゆみちゃんが来るのです。
 ゆみちゃんは人見知りがはげしくて、いつもしかめっ面。でも、マナにだけはなついて「ねーね、ねーね」と、何をするにもマナの後をついてきました。
 末っ子のマナは、妹ができたみたいでうれしくてたまりませんでした。何から何までゆみちゃんの世話をやき、それは楽しいひとときだったのです。

「ただいま」
 おばちゃんが帰ってきました。あいかわらず人見知りのはげしいゆみちゃんは、おばちゃんにぴったりとくっついています。でも、マナの顔を見てにっこりと笑いました。
 ゆみちゃんは三歳になって、たくさんお話しができるようになりました。そして、少しわがままになったみたいです。
 おうちになれてきたゆみちゃんはやりたいほうだいです。おもちゃはちらかすし、勉強のじゃまはするし。マナがおこってもちっとも言うことをききません。
 そして後かたづけはみんなマナの仕事です。マナはだんだん、ゆみちゃんの相手をするのがつらくなってきました。
 それに、お母さんもおばあちゃんも、ゆみちゃんにばかりおもちゃや洋服を買ってあげます。
 マナもほしいと言うと
「何言ってるの。マナはたくさんあるでしょ」
 としかられます。
 マナはだんだんはらがたってきました。それでつい、ゆみちゃんへの言い方がおこったようになってしまいます。するとお兄ちゃんが
「マナ、ゆみちゃんにやさしくしてやれよ」
 と言いました。ゆみちゃんもまねをして
「マナ、やさしくしてやれよ」
 と言います。マナはますますはらがたちました。お兄ちゃんまでがゆみちゃんの味方をするのです。

 そんなある日お母さんが、またゆみちゃんに何かあげました。それを見てマナは「あっ」と思いました。だってそれは、前からほしいと思っていたピンクのリボンの付いたかわいいポーチだったのです。
 マナがそのポーチがほしいとお母さんにお願いしたとき、
「マナはまだ小さいから使わないでしょ。もっと大きくなったらあげるからね」
 とお母さんは約束したのでした。なのになぜ、マナより小さいゆみちゃんにあのポーチをあげてしまうのでしょう。
 それに今は小さくて着られなくなったけれど、マナが一番お気に入りだった、きりんのもようのパジャマもいっしょです。
「それはマナのだから、ゆみちゃんにあげちゃだめ」
 と言うと
「ゆみちゃんがほしがっているからあげなさい。どうせマナにはもう着られないんだから」
 とお母さんは言いました。
 マナはのどの奥がものすごく熱くなりました。そして涙がポロポロ出てきました。
 みんながゆみちゃんのごきげんばかりとって、マナの事は誰も気にしてくれない。ゆみちゃんはわがままで、ちっともマナの言うことをきかない。
 そんな思いが一度に頭の中にうかんできて、がまんしようと思うのに涙がとまらないのです。
「もうゆみちゃんなんて遊んであげないからね!!」
 マナはそう叫ぶと、自分の部屋に駆け込んでわんわんと泣きました。
 次の日はゆみちゃんがおうちに帰る日でした。学校に行っているあいだに帰ってしまうけれど、マナはゆみちゃんにさよならを言いませんでした。
 学校から帰るとマナの机の上に、あのピンクのポーチときりんのパジャマが置いてありました。その上には
「マナちゃんごめんね。  ゆみとあそんでくれてありがとうね。  おばちゃんより」
 と書かれた手紙がありました。

 夕方お母さんは、おばちゃんの忘れ物を送る箱の中に、ピンクのポーチときりんのパジャマが入っているのに気がつきました。ポーチの中からのぞいている紙には
「さよならしなくてごめんね  またあそびにきてね  まな」
 と書いてありました。
 お母さんはにっこりと笑うと、急いで荷物をまとめました。
 きっとあしたにはゆみちゃんのおうちにとどくことでしょう。

 

 

 

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おそまつさまでしたm(。^_^。)m

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