あてがはずれたプレゼント

 

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「ただいま」
 元気のない声がしました。マナちゃんがピアノのおけいこから帰ってきたのです。しょんぼりとして、おけいこカバンをずるずると引きずって廊下を歩いてきます。
「また先生にしかられたの?」
 とお母さんが聞くと、マナちゃんは目にいっぱい涙をためてうなずきました。
 マナちゃんは小学三年生。ピアノを習い始めて二年になります。でも、ピアノを持っていませんでした。お母さんが、すぐにやめてしまうともったいないから、と言って買わなかったからです。
 だんだんおけいこがむずかしくなってくると、おうちで練習しないとなかなかうまくひけません。それでときどき、先生にしかられて泣いて帰ってくるのでした。
 それでもマナちゃんは、ピアノをやめたいとか、行きたくないとか言いませんでした。次のおけいこの日には、また元気に出かけていくのでした。
 それでお母さんはお父さんに相談しました。
「マナがね、ピアノのおけいこで泣いて帰ってくる日が多くなったの。それでもやめたくないみたいだから、そろそろピアノを買ってあげましょうか」
 お父さんはしばらく考えて言いました。
「そうか。ちょうどマナの誕生日が近いからね。本物のピアノはむりだけど、電子ピアノをプレゼントにするか」
「そうしましょう。きっと大よろこびするわよ。誕生日までないしょにしておくことにするわ」
 お母さんはそう言ってにっこりと笑いました。
 そして、マナちゃんの誕生日になりました。おいわいの晩ごはんが終わりました。だんだんマナちゃんがそわそわしてきました。
 その顔を見てお父さんは
「マナ、プレゼントだよ」
 と言って、ピアノをかくしていたシーツをとりました。
「あっ、ピアノだ」
 マナちゃんはびっくりしてさけびました。でも、ちっともうれしそうじゃありません。
「マナ、どうしたの? うれしくないの?」
 大よろこびすると思っていたお父さんは心配になって聞きました。
「ううん。うれしいのはうれしいんだけど・・」
 マナちゃんは小さな声で言いました。
「本当のピアノじゃないからいやなの?」
 とお母さんが聞きました。
「ううん。そうじゃないよ。でもね、ピアノがあると、練習しなくちゃいけないでしょ? だからあんまりうれしくないの」
 とマナちゃんは言いました。
「マナったら・・。泣いても泣いてもおけいこに行くから、ピアノが好きなんだと思っていたのに」
 とお母さんがつぶやきました。
「ピアノは好きなの。でも、練習は好きじゃないの」
 マナちゃんはそう言うと、お兄ちゃんといっしょにテレビを見に行ってしまいました。
 お父さんとお母さんが顔を見合わせてがっかりしていると、となりの部屋でマナちゃんがさけびました。
「今度のお誕生日のプレゼントは、くまのぬいぐるみにしてね」

 

 

 

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おそまつさまでしたm(。^_^。)m

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