1   表現するということ



   表現するということははずかしいことである。
なぜならそれによって、自分の表現力・思考力の限界が知られてしまうからである。
 だから僕らは、たとえば何かを言おうとしても、笑われるんじゃないか、バカだと思われるんじゃないかという思いから、言うのをやめてしまうということも少なくない。自分に自信がないからであろう。
 友人どうしの会話でもこのようなことがあるのだから、ましてや公の場で何かを発表することなど、いつまでたってもできないままでいる。それができるのは、よっぽど自分に自信がある人のように思われるのである。
 こうして世の中は、2種類の人間に分けられる。
   自分の思いを表現できる人と、
   一生本当に言いたいことがいえない人。
 はっきり言って、人間のほとんどは後者なのではないだろうか。
 だれもが、本当に言いたいこと、本当にやりたいことを持っていたはずなのに、気がつくと違うことをしている。自分には才能がないからと、まるで夢から逃げるような言葉を吐き、挙句には一生懸命な人をあざ笑い、成功者にケチをつけることで自分の言いたいことをいったような気になる。 
 それは本当に、言いたいこと、なのだろうか。
 甘い考えだと、大人は笑うだろう。しかし、もっとも恥ずかしいものとは、下手な表現者などでは決してなく、自分自身に言い訳を確保しようとしている人間なのではないだろうか。
 自分だってやればできる。こう思っているだけのやつに、いったい何ができるというのだろうか。
 そう思った僕は、このホームページを開いた。
名前のない、フラットな空間だからこそできたという部分もあるが、何よりも大事なことは、他人から評価されることでも、また、誰かに何かを伝えることでもなく、表現者という、おなじ「内野」に足を踏み入れたことだと、僕は思っている。

                   10.15.2001

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