南極大陸に突如出来た通路から地球に侵略してきた謎の知性体「ジャム」。侵略より30年経ち通路の向こう側のフェアリー星へと舞台を移してジャムとの戦闘は行われている。その戦闘の様子をもらさず記録して帰還するという任務を帯びた「特殊戦」と呼ばれる部隊の戦闘機「雪風」とそのパイロットである深井零を中心とした物語。ジャムとは何か、コミュニケーションとは、敵とは、人間とは、自分とは、色々な問いかけがなされる話です。
実は和物SFってほとんど読んだことがなかったのですが、すっごくはまって読みました。一般的な美文とは思えないのに、体言止や現在形を多用した独特の文章のリズムが読んでいるうちに心地よくなってきてしまいました。色々深いテーマをもった物語を重くなりすぎずにすっきりと読ませてくれて、それでいて読後に何かを心の中に残された気分がします。
単純に異性人との戦闘ものかと思ったら全く違って、こちらの認識をひっくり返される所には、良質の叙述ミステリ(好きなんです(^^)にちょっと通じるような気持ち良さがありました。
グッドラックでもジャムとの戦いに決着がついたわけではないのですが、続きが書かれるかどうか気になります。<改>の後書きで続編を匂わせてますが…。
そして、アニメ化が進行中(全5巻中1巻のみ発売中)のようです。
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元はといえば、映画館でプロモーションムービーを見て良さげかもと思い「日本SFの金字塔」と言われているらしい原作に興味が出たのですが、小説を読んでみて戦闘そのもの以外のところに重要な部分があることを知り、アニメでそれがどこまで表現されているかちょっと不安になったり(もちろんかっこいいスカイ・アクションにはそれはそれで惹かれるのですが)。
まあ、まだ1巻が出たばかりということで、もうちょっと出揃った頃にレンタルに行こうかと思います。(2002/8/31)
映画で「実話を元にしたヒューマンドラマ」というのは、私のツボなんですがこれもそういう話です。
アポロ11号の人類初の月面着陸の映像をとらえてTV中継するのにオーストラリアの田 舎町のアンテナが選ばれて…。
田舎町を感じさせるエピソードを交えて、スケールの大きいような小さいような。それでも、トラブルに必死に取り組むのと、その姿に感動できるのは同じだなあと「アポロ13」の映画を思い出したりしました。
特筆するような驚きや、ぼろぼろ泣くというものはないけれど、よくまとまって気持ちよく見られる映画でした。(2002/8/16)
建築家のジョージは、事務所を解雇された上癌で残り数ヶ月の命と宣告され、最後の夏を 離婚した妻の元にいる反抗期の息子を手元に置き一緒に家を建てて過ごそうとする。
基本ラインはすごく好きな話で、ベタといえば言えるんですが死に焦点を当てるよりは「親子の交流、人と人との交流」をメインにして、暗くなりすぎずに何かを一緒に作るというのは結構物事を変えるパワーがあるのを信じさせてくれます。ちょっと難を言わせても らえば、ところどころエピソードが話になじんでいないように感じられました(屋根か ら落ちた男の子のエピソードとか)。(2002/8/10)
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エピソード1は今ひとつだったなどと言っていたのに、やっぱり見に行ってしまうのでした。結局あの世界が好きなんです、ファンなんです(^ ^;)。それに、映画館で見たい作品ではあります。
1より格段に面白かったですが、不満な所もありました。特に重要な要素であるはずのアナキンとパドメの恋愛がいきなりという感じで感情の流れが今ひとつだったり(<のろのろやっている時間は無いかもしれませんが)、場面転換では話がブチブチ切れちゃう感じがしたり。
でも、映像的には大満足で作られた別世界にうっとりでした。スピード感があるアクションとかも良かったですし(マスター・ヨーダ素早いです(汗)。普段なんで杖なんか…、でも物投げ攻撃はちょっと…)。
もちろん結末は知っているので先がどうなるかというのではなく、その知っている所に段々つながっていく様子にワクワクしました。エピソード3も見ること決定です。(2002/7/31)
1巻と2巻は国民航空の社員、恩地元が左遷人事で僻地勤務を10年勤める「アフリカ篇」。その原因となる組合の委員長としての日々を回想ではさみながら、彼を主人公に語られます。
一人の人間にこんなにひどいことが出来る会社というものの恐ろしさを感じさせられます。同時に恩地さんの真面目で筋を通す様子に、信念をもった素晴らしい人と思いつつも、なんでそこまで言うことを聞くのか、それが本当に自分や誰かのためになっているのか、融通がきかな過ぎなんじゃないかともどかしい思いがしました。
3巻は国民航空が起こした飛行機事故の「御巣鷹山篇」。
残酷な描写に読むのがつらかったです。私がこれを我慢して読んで死んだ人が生き返るわけでもないのにとさえ思いました。山崎さんのフィルターを通してあるということを踏まえたうえで、それでも、どんな報道よりも現実の遺族のつらさを垣間見ることが出来るような気がしました。
その中で、懸命に原因究明や遺体の身元確認に取り組む人々に救われる思いがしました。
遺族係として恩地さんも出てくるのですが、彼恩地さんよりも事故そのもの、そして遺族の一人一人にむしろ焦点はあるようです。
4巻と5巻は「会長室篇」。事故を起こした国民航空の再建に取り組む国見会長がメインになってきます。そして設置された会長室に恩地さんも所属することに。
会社の裏で行われている数々に、気分が悪くなります。そして、だからこそ国見さんや恩地さんのの真摯な姿勢に胸を打たれます。片目の猿の話が印象に残りました。
様々な改革に取り組む彼らですが、そう簡単にハッピーエンドとは行きません。
少女を殺してハサミを突き立てる「ハサミ男」、3人目の被害者として狙っていた相手がハサミ男を真似て殺された。ハサミ男は犯人探しに乗り出すが…。
多少は警戒しつつ読んでいたはずなのですが、疑っていなかったポイントでばっちり騙されました。やられた……でも満足(^ ^)。こういう本って騙された方が絶対おもしろいです<負け惜しみではなく。
ハサミ男の一人称がメインで進んでいくのですが意外にも(?)読みやすく、するする読めてしまいました。ちょっと難を言えば、ネタばらしした後が長かったです。最小限の説明でスパッと終わらせてくれた方が驚きが後をひくと思うのですが。ともかく楽しめたのは間違いなく、作者の他の作品も読みたくなるには十分でした。でもその前に、最初に戻ってもう一回読もうかな(^ ^;)
(2002/7/10)
あまりにも有名なこの詩集、実はちゃんと読んだこと無かったんですよね<そういう本多すぎです(汗)。レモン哀歌とかは国語の時間にやった気がしますが…。
今回、気に入った詩を中心に読んでみたのですが、全体から智恵子への愛情とかが染み出してくるようで、言葉の端々から光太郎氏が智恵子へ向けるまなざしを感じました。
そして、今回これを読む原因になった「梅酒」について。
私の実家の台所から古い梅酒が発見されて、「そういえば智恵子抄に「梅酒」って言う詩があったよね。智恵子が死んだ後で、智恵子が作った琥珀色の梅酒が印象的な…。あれは正確にはどうだっけ?」というのが始まりでした。そこで改めて読んでみたのですが(でも、読んでみたら琥珀は梅酒ではなくて杯でした(^ ^;)。
死んだ妻が残していった梅酒を「しづかにしづかに味はふ」というシチュエーションがなんともいえません。梅酒を味わうことで、同時に智恵子にまつわる色々なことを思っているであろう心とともに、残された10年もたった梅酒が、今も台所で光っているように印象に残ります。
この詩に最初に触れたのは、確か合唱で聞いたのでした。だいぶ前のことなのでちょっとうろ覚えなのですが確か「梅酒」を含むいくつかあわせて合唱曲集になっていて、本で読むのとはまた違ったよさがあったように思います。(2002/7/1)