天使の歌声

筆者:sakuU 編集:秋月 優菜 サポート:coffin


【第一部:出会い】

仕事を首になって自棄になって家を飛び出し見知らぬ土地に向かってバイクを走らせている僕。
ブロロロロロ
「やばいガス欠だ!」
バイクを止めガソリンスタンドを探すが見つからない。
「しょうがない」
しかたなくバイクを引っ張って歩き出した。
「何でここには、スタンドが無いんだ」
早くも歩き疲れた僕は、その場で立ち止まりボケッと道路を眺める。
その時、ブロロロロロロ
一台のバイクが僕のバイクの隣で止まった。
「何してるの?」
ヘルメットで顔が見えなかったからわからなかったけど女の声だった。
バイクにまたがってるその姿からは想像もつかないほど可愛らしい、綺麗な声だった。
僕は戸惑いながら声をかけてきた彼女に返事を返した。
「ガス欠で、ガソリンスタンドを探しているんです」
疲れ切った声でそう言う。
「あと5キロぐらい歩けばスタンドあるよ」
僕は肩を落とした。
「5キロも歩けないよー」
僕は下を向き黙り込んだ。
「しょうがないわね、ガソリン少し分けてあげる」
彼女の口から出たその言葉に一瞬涙が溢れてくる。
「え、本当?分けてくれるの?」
僕は何度も繰り返し同じ事を彼女に尋ねた。
「わ、わ、分けてあげるから、抱きつかないで」
嬉しさのあまり彼女に抱きついてしまっていた。
とっさに身を離すが嬉しさが溢れてきてどうしようもない。
「ごめんなさい、でも本当にうれしくて」
目をうるうるさせながら喋っていた。
「分かったから早くタンク開けて」
僕は素早くタンクを開けると彼女は小さいホースを取り出しガソリンを分けてくれた。
「はい、おしまい、これで、スタンドまでは行けるわ、じゃあね」
「え、ちょっと」
僕はお礼言おうと思ったが、彼女はガソリンを入れたらすぐに自分のバイクに乗り何処かへ行ってしまった。
「はー彼女キレイだったなー、もう会うことも無いか…
 あ、それどころじゃない、早くスタンド行かないと」
急いでバイクに乗りスタンドへ向かった。
「ありがとうございました〜」
スタンドの定員が大きな声が響く。
「よかったー、助かった。
 これで、家に帰れる」
そこで逃避行はお終い。
疲れてしまった。
会社を首にされたからといって感情に流されてこんな事をしてもどうにもなりはしないんだ。
家に帰って真面目にこれからの事を考えようと思う。

【第二部へ続く…】