男は黙って三万円
(秋山ロン蓮支援型『仮面ライダー龍騎』感想ページ)

ひとりで出来るもん

第1話 「あなたも、仮面ライダーなの?」

 さてそんなわけで、遂に始まりました『龍騎』! デザインとか設定の問題で開始前から色々と叩かれての 登場となった第1話なんですが、一言で言えば、面白かったです。期待に応えてく れる、また、今後に期待を広げてくれる出来でした。
 なにはともあれ、まずは偉いぞ田崎竜太
 最近個人的に評価が鰻昇りですが、いやほんとーーーに、うまくなりました。あれだけ見せてくれれば 文句無しです。OP監督のテロップが見つからなくて誰だかわからないんですが、例えばあれも撮っていた としたら、いやホントに、うまくなりました。お暇かつ『アギト』のビデオを持っていてかつ「本当にそんな に田崎はうまくなったのか?」に疑問のある方は是非、『アギト』の2話あたりを見返してみて下さい。 OP&本編を。まさに、雲泥の差です。
 いや本当に、期待してるから、今後とも頼むぞ田崎竜太。

 今回、演出的に出色だったのは、
 室内の鏡とそれに類する物に新聞紙が貼り付けてある部屋のシーン
 と
 先輩女記者を追いかけて、主人公が橋の上を進んでいくシーン
 とにかく今回、ミラーワールドの設定の仕方と見せ方というのが上手い んですが、それが特に映像とがっちり噛み合っていた箇所でした。
 つまり、今作の話を聞いた時に最初私は、いわゆる「鏡」だけが、ミラーワールドの出入り口に なると思ってたんですよ。これは同様の方が多いかと思われますし、前情報を知らない場合も、化粧台の 鏡とかビルの窓ガラスとか、序盤は割と露骨なものだけを強調した演出をしておいて……そこで中盤以降、 ああ来るという。
 個人的に、この手の作品の基本はまず子供を怖がらせる事だと思うわけなんですが、鏡だけで なく、ありとあらゆる姿を写す物の中から、何かが襲ってくるかもしれない。 鏡、窓ガラスに始まって、写真パネル、食器棚の扉、果ては車のボディに到るまで……この 危険と恐怖の身近さとダイレクトさの表現が、実に良く出来て いました。
 ちょうどこの番組を見た後に外出したもんで、気にしながら歩いてみたら確かに街中で、自分の姿を 写す物って多いんですよ。その全てに、未知のモンスターが潜んでいる可能性がある。
 これは実に、ドキドキする世界観です。
 第1話にして、この基本設定、世界の空気を描ききったのは、見事という他ありません。田崎竜太の演出 がはまったというのもありますが、この辺の切れ味は、さすが小林靖子さんと言うべきか。
 小林さんの脚本に関してですが、やはりこの方は上手いですね。単品としてのそつの無さはさすが。それ から、過去にシリーズ構成を担当した作品の流れからいって、実は1話がまた盛り上がりそこねるのでは ないか、という不安があったのですが、それに関しても良い意味で裏切られました。
 これだけ色々出来る土壌と仕掛けを配置しつつ、1エピソードもきちっとしていれば文句無しです。まあ、 敢えて難を言うならば、ドラゴンに追いかけられる所で終わってしまうのはちょっと中途半端で消化不良か な、とも思いましたが、その辺は許容範囲かな、と。

 監督・脚本以外のスタッフに関してですが、注目は『ガオレンジャー』で見事なCG合成の冴えを見せた 佛田弘が特技監督で登場した事。龍騎をうまく成立させる為にはこの方しか居ないと思っていたので、 嬉しい配置です。
 今回も、蜘蛛の描き方は素晴らしかったですね。ああいう物と役者を絡ませるというのも難しいと思う のですが、田崎と息がぴったりで、お見事、といった具合で。基本的にはCG嫌いな私で、やっぱり最後の ナイトのマントぐるぐるキックなんかも実写で出来ればそれに越した事は無いとは思うのですが、ああいう スピード感は確かにCGだから見せられる部分はあるわけで、今後、その辺りをどう見せていってくれるの かは非常に楽しみです。
 あと佛田さんは、普通に監督として演出してもかなり上手いので(しかも私好みの演出)、是非とも一本 は見たいものです。

 どこに行くのか個人的にびくびくしていた鈴村展弘ですが、『クウガ』『アギト』に引き続き、3年連続 チーフ助監督を務める模様。まあ、一本か二本は撮るかと思いますが、メインローテじゃないんでいいや(笑)

 キャスティングに関してですが、ナイトの相棒のお姉ちゃんがちょっと固いのが気になるぐらいで、演技 といいキャラといい、全体的にかなり良い感じですね。
 特に主人公。
 思ってたよりいい男で、ちょっと好感度UP(笑)
 それから、ナイトさんの人間状態。顔とか演技がどうこうではなく、あの馬鹿っぽい黒の ロングコートが素敵(笑)
 実写であそこまで裾の長いコートで走って回ってくれれば、コート好きとしては大 満足です。
 願わくば、夏場もあの格好で全力疾走してほしいものですが。
 ライダー候補(?)の皆さんも、今後どうやって絡み、どういうドラマを見せてくれるのか、楽しみです ね〜。特にあの、髭のおじさん

 全体的にとにかく今後に期待という事で、実に充実した20数分間を味わわせていただきました。
 ストーリーに関してはまだ転がる前という事で特に触れませんが、とにかくこの第1回は 世界観の描き方の見事さというこれに尽きたと思います。今後、この 世界観と仮面ライダーをどう絡ませていくのか、主人公のスタンスをどう描いていくのか、そして どういう方向へ向けて物語を走らせるのか、一流のスタッフの手腕に、とくと期待です。

(2002年2月3日執筆 同年3月26日改稿)


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