第一話
南方大道(みなみかた ひろみち)第二話

教卓まで歩くと、先生は言葉よりも先に黒板を殴った。

轟音と共に教室中の窓ガラスが振動し、あっという間に静まり返る教室内。

教卓を見つめる生徒は口をぽかんと開けているか、ぴたりと閉じているかの二択。


「黙れっ!!」


お前がな。

誰もがそう思った。

「昨日、先生を外に締め出したのは誰だ?」

皆の目が一斉に僕と石田君に集まる。


「はーい」


よせばいいのに、僕はヒーロー気取り。お調子者そのものを体現するかのように

両手を振って立ち上がった。


ドラゴンボールのように、地面に身体がめりこんだかと思った。

鼻を殴られると鉄っぽい匂いというか味が広がるけれど

頭のてっぺんを殴られて、足の裏が痛かったのはそれが最初で最後だ。


道路に頭を押し付けられ、父に変な靴で思い切りストンピングされる。

母に車のドアを閉められ指先を四本挟まれる。

上記に続く物理的な痛みランキングの三位に輝く鉄拳だった。



そして石田君は立たずにポーカーフェイス。

後から聞いた話だ。


ずるい。


続く。





戻る