ログ

第一話    第二話    第三話    第四話    第五話    第六話
南方大道第七話


「大道の考える事は、とても浅はかだな」


確か、石田君は面倒臭そうに頬杖をつきながら言った。


「先生はバカな大道がいい点を取れる所が見たいって言ったんだろう?」


うん…と僕は頷いた。


「…勉強したらバカじゃなくなっちゃうよな?」


僕の顔がきょとんと疑問系になっていたからだろうか

石田君は溜息をつきながら、視線を落とし冷凍みかんの皮をむき始めた。


「…バカは頭が悪い、バカだからだ。バカは勉強しない、バカだからだ。

 バカは後先を考えない、バカだからだ」


バカという言葉に不必要に力を入れながら石田君は言葉を区切って。


「つまり…頭が悪いまま、勉強せず、後先を考えない方法を先生は使えと言っている。」


見事な理論の展開に僕は頷きながら小さく拍手した。


「でも、そんな方法あるの?」


拍手に気を良くしたようで、彼はこっちを向いてにぃっと口の端を上げて


「カンニングくらい、一人でもできるだろ?」


冷凍みかんを一切れ、僕にくれた。



それからしばらくしての期末テスト。

僕は五教科四百八十点オーバーという快挙を成し遂げる事となる。



怒られるのは変わらなかったけれども。



「悪い、大道に勉強教えるの…面倒だったんだよ」

石田君は怒って詰め寄った僕にくっくと笑いながら言った。