読んだもの
 某化粧品会社のコマーシャルで、くんくんにおって「Good!」と言ってる、白衣のおばあちゃん。表紙の写真は、彼女が男性のワキをにおっているところをを写したもの。きっついなぁ。
 この本は、アメリカの、「きっついわぁ」と思える職業を紹介してあります。いきなり「コンドーム検査士」から始まり、「ミミズ農場士」「女装学校校長」「割礼師」「譜めくり」(コンサートで見かけます)「ポテトチップ検査士」ほか、こんな職業があるのねぇ。
 こうやってみてみると、アメリカの文化が垣間見える気がします。コンドームもミミズも女装も、人の生活趣味趣向に答えるためには、必要だもの。人の数だけ、職業があるっていってもいい過ぎじゃあないなぁ。
 訳者は、伴田良輔さん。さすが、このテの本は、伴田さんじゃないと。
 ちなみに私は、勤め先では「てぬぐいたたみ人」。日本っぽい奇妙な職業。(’04.10)
「世にも奇妙な職業案内」
ナンシー・リカ・シフ 著
伴田良輔 訳
ブルース・インターアクションズ 1900円
「ダンスがすんだ」
フジモトマサル 著
新潮社 1200円
「今日はなぞなぞの日」
 フジモトマサル著
 平凡社 1200円
 フジモトマサルさんが描かれる絵は、かわいいのにちょっと影がある。さらに言葉が加わって、くすっときます。フジモトさんはクラフト・エヴィング商会さんのお友だちで、この2冊も、クラフト・エヴィング商会さんが装丁されています。
 『今日はなぞなぞの日」は、「ほぼ日」連載時から、毎週たのしみにしていた、なぞなぞの本。ちょっと大人向けで、「ふーん」とうなります。例えば、「漢字で表記できない昆虫は何でしょうか?」「あるコックさんが大きな檻の中で食用ヘビを飼っていました。あるとき、ヘビをスパイシーに育てようと思い、檻に入ってカレー粉をふりかけてみました。するとどうなったでしょうか?」
 答えは、書店で。絵も、楽しみましょう。
 『ダンスがすんだ』は、善良な若い外科医(人間です)が、美しい猫(二本足)に恋をする物語。ありえない。さらにありえないのは、全篇回文であること。「医師らしい」から始まり、猫との出会い、悪い医者にそそのかされ、妻が家を出、果ては闘争に巻き込まれ…その、すべての文章が、回文。「マカオに密輸。積荷オカマ(マカオニミツユツミニオカマ)といった、脱力回文があったり話がぽんぽん飛んだりするけれど、それは、想像力で補いましょう。(’04.10)
 「雑誌のようで、絵本のようで、雑誌でも絵本でもない」本です。そう、どう説明していいのやら…実際に使っていらっしゃるテーブルの上での、ちょっとした会話(らしき物語)があって、ちょっとしたエッセイ(らしききれっぱし)があって。写真があって、イラストがあって。印象に残ったのは、使い古した電球を描いた絵と、その電球を綿を敷いた木箱に入れて、並べられている写真。「電球の睡眠」。「電球よ。しばしおやすみなさい」「君たちの見る夢は、はたしてどんなものだろう。やはり明るい夢なのか。それとも、君たちの安らぎは暗闇の中にこそあるのだろうか」
 モノに物語を持たせちゃう。重くも軽くもなく。繊細なのに、くすっときます。
クラフト・エヴィング商會さんは、作家さんであり、デザイナーさんである、お二人のユニット。これまでも、想像した未来の本を紹介する本や、「舌鼓」「腹時計」などを絵にして紹介している本など、うっとりしてしまう本を出されています。装丁のお仕事もされていて、どれもこれも読むのを忘れて、集めて並べたくなります。(’04.09)
 
 毎日仕事でも、家でも眺めている、てぬぐい。以前は財布やブックカバーを作ったりしたんだけど、どうも、切ってしまうのがもったいない気がして…不器用なだけなんだけど。
 この本は、てぬぐい好きならおなじみの、かまわぬさんのてぬぐいを、がっつがっつ切ってます。「カワイイ小物」とタイトルにあるけれど、カワイイてぬぐいを使ってるんだから、それで作ったものだから、かわいくないわけがないっ
 私にとっては、涙の、てぬぐい見本帳ですな。('04.07)
「手ぬぐいで作るカワイイ小物」
澤入美佳 著
文化出版局
1200円
 たまには、小説も読みます。
 主人公は、女の子として育てられ、男として大人になった両性具有者。自分の性的違和感を、現在の科学と先祖の歴史に求め、それをどんどん暴いていき、享受するまでにいたります。
 こう書くと、なんだかへんてこりんなんだけど、すらすら読めるったら。
 それは、その性の変異の原因を、ギリシア系移民である祖父母の時代にまで遡ったから。祖父母の青年期からあれよあれよと流れるままに読み進んでいくうちに、なんだか、違和感がなく、主人公の「性」にたどりついていきます(祖父母がもともとは姉弟という普通ではない関係ということがあるから、違和感を感じないだけなのかも)。
 結局。主人公は自分の性の特異性を科学に求めること(手術)を拒否し、生きることにします。それは運命を受け入れることであり、自分のもつ両方の性、それによる違和感も肯定して生きることになります。
 時代、といえばそれまでなんだけど、性差があいまいになりつつある今に生き、結構ええ歳になったから、読んで納得できたのかも(’04.05)
 
「ミドルセックス」
 ジェフリー・ユージェニデス 著
 佐々田雅子 訳
 早川書房
 3200円
「カエルのこころ」
 小杉州一 著
 新風舎
 1000円
 
 
カエルが、ピアノを弾いたり書道をしたり。デートで花火を見たり、ハエを肴にビールを呑んだり。そんなカエルの日常を撮った、写真集です。ま、そんな日常はありえないけど。
 蒲団にもぐりこんで読書をしたり(「論語」!)、花占いをして。描いている絵はムンクの「叫び」。なかなか、理屈っぽくて、夢見がちなのか。
 カエルのこころって。こういうもん?
 とにかく。リアルです。カエルの肌感が。プロレスで、二匹が絡まっているところなんて、なまなましいったら。
 ちなみに、バイクで事故ったシーンもありますが、そのバイク、モンキーでした。私も以前、モンキーに乗っていました。カエルなみです。(’04.05) 
○先生「皆さん、アメリカでは丁度私達た寝る自分に起きるのです」 生徒「わーツ! アメリカ人はずゐぶん寝坊ですね。」(昭和8年1月号)
○姉「太郎さん、指をくはへてはいけません。病気になりますよ。」 太郎「僕、薬指をくはへてゐるんだから、大丈夫ですよ。」(昭和12年3月号)
○「なぜそんながたがたの車を買ったんだい」 「だって、古スピードをだしたいもの。」 「……」(昭和37年6月号)
・・・
 「こんなもの、笑えるか〜!!!」と、ちゃぶ台のひとつでもひっくり返したくなるようなお話ばかり。大正から昭和37年まで出版された子ども雑誌、『少年倶楽部』に連載された、投稿笑い話の数々です。
 はっきりいって、疲れます。表紙の男の子の艶っぽさも、なんだか、いやらしいっ。
 でも、「戦争」「内地」「南洋」などといった言葉に、どきりとします。当時の子どもたちの日常って。毒とくだらなさは、今の若手芸人より、よっぽど面白い気がします。(’04.03)
「『少年倶楽部』の笑い話」
 選・解説 杉山亮
 講談社
 1400円
 子どもの頃、日本海の海で、アメフラシを見つけました。なまこみたいだった記憶があります。アメフラシも、ウミウシのなかまなんですよね。
 『ウミウシガイドブック』を見つけた衝撃から四年半。一年後に出た2巻の写真があまりにもへたくそなので、もう懲りたかと思っていたら、出ていたのね第3巻…沖縄、伊豆ときて、今回は、インドネシア…
 世界進出ですな。この勢いで、世界中のウミウシを見たいです。
 赤黒青、黄色に紫、柄も豹柄にパンダ柄…約200種類が載っています。この色、ムダだと思う。「まずさをアピールしている」との説もあるそうですが、よくわからないそうです。でも、けなげに生きてるようです。まぁ、私には難しいことはわからないし。だから、ぱらぱら眺めましょう。
 休日に押し寄せる見合い話から逃れるため、ダイビングを始めたという友人が、「ウミウシ? ちっちゃいのがおるよ〜」と言っていました。ちょっと見たいけど、海、怖いです。(’04.02)
 
「ウミウシガイドブック 3 」
 殿塚孝昌 著
 阪急コミュニケーションズ
 2400円
 まずは目次をご覧いただくと。乃南アサさんに坂東眞砂子さん、川上弘美さんといった作家さんから、吉行和子さんに岸田今日子さん、小林聡美さんに清水ミチコさん、土橋とし子さんに相沢友子さん、小谷実可子さん…
 ずらりと並んだ70人の女性、顔や作品がすぐに浮かぶ方々ばかりですが、その方々の失敗話が次から次へと。みなさん、こんなこと書いていいのでしょうかねぇ。
 例えば。重症の方向音痴(杉本彩さん)、肩パット路上放置事件(阿川佐和子さん)、ガラスを突き破った体格女優(藤田弓子さん)、すっぽんぽんでオートロック(林葉直子さん)、などなど。いいのか〜
 そのなかで気が付いたのが、ストッキングネタが多いこと。昨夜脱いだストッキングがパンツに残っていて、そのままはいてしまった。気が付くと尻尾を引きずったまま歩いていた…っていうような話が2、3ありました。
 っつうことは。やはり女性の服装のほうが、パーツが多い分、恥ずかしいネタになる要素が多いわけですよねぇ。ま、それもその人次第なんだけど。(’04.02)
「ああ、恥ずかし」
 阿川佐和子 ほか
 新潮文庫
 400円
 牛やら鳥やら、変な病気が蔓延して、何を食べたらいいのやら。逆に、何を食べてもどうにでもなりそうな気がします。
 それはさておき。この本の著者は、N.Yの有名店のシェフで、「キッチン・コンフィデンシャル」の作者だそうです。
 だからどうしたよ。そう思って読んだんですが、これがまぁ、おもしろい。
 作者が訪れた国は、アジアにアフリカ、ヨーロッパ〜要するに、いろんなところ。食べたものは、らくだのこぶにコブラの心臓…要するに、ゲテモノもご馳走も。
 その描き方も、ただ感想を書くだけではなく、毒もあり、ほろりとさせてくれるところもあり(例えばブタを絞めるところ)。現地の歴史も描きつつ(例えばベトナム)、行ってみたいようなみたくないような気にさせてくれました。
 すんなり読めたのは、訳がいいからなんでしょうねぇ。
 それにしても。東京の描かれ方が、なんだか物足りなかったなぁ。平和すぎて。ゲテモノは、納豆ぐらいかしら。(’04.01)
「キッチン・コンフィデンシャル ワールドエディション
  世界を食いつくせ!」
 アンソニー・ボーデイン 著
 野中邦子 訳
 新潮社
 1600円
 トキ…子どもの頃、公共広告機構(?)のCMを思い出します。山田五十鈴さんの声で「ときは〜学名を〜」と微妙なビブラートを利かしたナレーションに、「あんたのほうが天然記念物…」と思った記憶が。それ以来、トキは遠い存在、いや、意識しない存在でした。
 日本最後のトキのキンちゃんがなくなった翌日、朝日新聞の天声人語を読んで、思わず涙してしまいました。それがきっかけでこの本を探したんですが、まぁ。
 保護がいいのか、よくないのか。いずれにしても、絶滅させたのは人間です。保護のために地道な努力をする人々、中央との考え方の違い、その中で、トキはどんどん少なくなっていきました。田んぼにまく農薬、山を突き抜ける道路。人間の生活が便利になるだけ、自然が失われていきます。私も、便利な生活を選びます。でも、それでいいのかなぁ。 
 考えさせられました。とはいうものの、今の生活を変えることは無理なんですが。守ることに一生懸命になった人々の姿にはうるうるきました。(’03.11)
「朱鷺の遺言」
 小林照幸
 中公文庫
 895円
 らもさんが逮捕された夜。以前勤めていた会社の先輩から、約4年ぶりにメールが届きました。「らもさんが捕まったって聞いて、あなたを思い出しました。お元気でしょうか?」。どのようなきっかけであれ、思い出していただけるのはうれしいことです。確かに、当時、らもさんの「明るい悩み相談室」を読んでいましたし、上司が覚せい剤所持で逮捕されるというハプニングもありましたから…
 というわけで、当然、らもさんのその後が気になっていたわけでありますが、このお方、ちっとも懲りていらっしゃらないのでは。拘置所で考えたこと、個性的な囚人生活を余すところなく書いてありますが、看守さんやら拘置所という「役所」を避難する前に、「大麻はあかんやろ」、と言いたい。「大麻は文化であり、保護されるべき対象だとおれは思っている」そうですが、そのすぐ後で「『魔が差した』としか言いようがない」と書いてらっしゃる。おいおい.・・・
 もっとも、取調べのや拘置所での暮らし(?)などの様子などに、らもさんらしい、描写がみられます。詩も、いいかもしれません。
 「おとなしく眠っていたライオンを起こした罪は重い。十倍にして返してやる。おれの今後の作品を見ろ」と、あとがきにはありました。
 でも、もう、結構、かな。さようなら、らもさん。('03.10)
「牢屋でやせるダイエット」
 中島らも
 青春出版社 
 1300円
 谷中の「いせ辰」さんで購入しました。
 浮世絵の、絵の解説、現在の風景などを載せている本はよくありますが、この本は、復刻の過程が詳しく解説されています。印刷された紙面や、博物館などで見る額に入った実物からは見逃してしまいそうな、摺り方や彫り方がよくわかりました。
 例えば、摺り方。「布目摺(ぬのめすり)」という技法では、版木に紗を針、バレンで摺って布目の漢字を出すそうです。「神田紺屋町」では、反物の感じをだすためにこの技法が使われているそうですが、それだけでなく、ぼかし、さらに7、8枚の版木を使っているわけですから、一枚の中に、職人の腕がつまっているんですね。
 解説と共に、「この仕事、こうやったら正解、なんて方程式はないからね」などといった、職人さんの言葉も載っています。道具も今と昔では違うそうですが、職人さんたちも、今回の復刻が勉強になったとおっしゃっています。私も、勉強させていただきました。('03.8)
「浮世絵『名所江戸百景』復刻物語」
 小林忠 監修
 芸艸堂
 1500円
 ナンシー関さんが亡くなられて、はや1年が経ちました。
 一見悪口と思われる評をしながらも沢山の人に読まれているし、10年以上昔の文章を読んでも、決して古く感じない。そうそう、そうやねんと思ったことを代弁してくれる、おまけに、わざわざ彫って作ったイラストをつけてくれて。
 「ナンシー関大全」は、デビュー当時のものから、ワールドカップで異常に盛り上がっていた、亡くなる少し前に書かれたもの、対談などなどが。出身地の青森からでてきたお嬢様が、なにゆえこんな… 「肉は腐りかけがうまい(川島なお美)」「選挙に出そう(田村亮子)」の言葉に、うなずきました。
 「文藝別冊 ナンシー関」は、主にお友だちの方々が寄せた文章、対談からなっています。
 こんなにも愛されているなんて。やっぱりすごいなぁ。('03.8)
 飼っていた文鳥のピーコちゃんをおじいちゃんが逃がしてしまって、大泣きした覚えがあります。また、学校から帰ったら、見知らぬビーグル犬が玄関脇につながれていて、2、3日飼い主を待っていたことがあります。電柱の「迷いねこ」「探しています」といった貼り紙に、「くすっ」っときた方も多いのでは。
 迷子になったペットを探そうと飼い主が作った張り紙を、アメリカ、フランス、イタリア、日本など、世界各地から集めた、この本。イラストのかわいさ、言葉の違いも面白いけれど、それ以上に、ペットを失ったときの飼い主の真っ白になってしまった気持ちが伝わってきます。世界共通なんですよね。
 犬、ねこだけではなく、中には、牛、カメ、うさぎ、そして自分のもとを去っていた「彼氏」… 大切なものを失った時のせつなさに、ぐっときました。('03.4)
 
「LOST」
 イアン・フィリップス 著
 株式会社トランネット 訳
 アーティストハウス  発行
 1200円
「間取りの手帳」
 佐藤和歌子 著
 リトル・モア 発行
 950円
 四角いワンルームに住んでいると、箱の中に住んでいるようで、気分も四角くなるような気がします。もっと広い家に住んで、窓がこうで部屋が何部屋で、なんて想像したりすることもありますが、この本の間取りたちは、すごいっ。
 「ワンルームでフローリング6帖にバルコニー50帖」(家賃8.1万円)の部屋やら、「壁全面に窓がある、観音開きフェチの部屋」など、どういう理由でこんな形になったのかしらと思うような「間取り」たちが、99。一部屋ごとに「シャワーを浴びに靴をはく」「ジョギング向き」など、つっこみどころが的を得ていて、思わず笑ってしまいました。
 部屋から想像した「住人像」があったりして、もう、間取りは、ドラマです。
 ちなみに、著者の肩書きは「Madorist」。「間取り収集家」だそうです。間取りを集める… すてきです。(’03.5)
 数年前から、火鉢で金魚を飼うのが夢です。名前は決まっています。赤い和金の「さくら」ちゃんと、黒出目の「ピエール」。殺しちゃう自信があるので、飼えないでいます。
 この本は、写真と図版で約400頁。ナマの金魚の写真は、上から下から正面から。赤や黒、ぶちなど。ぽっこり開いたおちょぼ口、こんな人、どこかにいるんじゃないかなぁ。
 ほかには浮世絵、小皿、根付、浴衣、うちわなどなど。江戸時代から、愛されていたんですね。絵になります。でも、魚としては不自然な色、姿。例えばぷっくりふくらんだほっぺは泳ぐのには不便だろうし、目が真上についてたりすると、えさ、獲れへんやん。
 そう考えると、金魚ちゃんって、かわいそうな気がします。ま、そんなことは考えず、金魚を作り出した人に感謝して、眺めましょう。('03.6)
「きんぎょ」
 高岡一弥・久留幸子 著
 ピエ・ブックス 発行
 3800円
 めったに覗かない書店の自然科学のコーナーで、たまたま、見つけました。虫は、大嫌いです。でも、「虫こぶって、なによ」「擬態って、どうよ」と思い、手にとってみました。
 『虫こぶハンドブック』の「虫こぶ」は、木にくっついている、虫のたまごのかたまり。書いているだけで、背中がぞわぞわしますが、写真を見てみると、赤やピンク、茶色に緑。きれいなものも、あります。虫の写真はあまりないので、まあ、木にできた、湿疹かおできの写真かしら、と思えば。
 そういえば、山に登ったときや庭をぷらぷらしているとき、木の枝や幹、葉っぱに、不自然にぶら下がっているかたまりが、ありましたありました。虫好きの人には文字通り、ガイドブックに、虫嫌いの人には、「これがたまごね。触るな見るな」と、逆ガイドブックになる。野歩き必携の一冊、かな。
 『昆虫の擬態』は、葉っぱや花になりすますカマキリや、目のような模様を持つガ、集団で威嚇するチョウなど、また背筋が寒くなる写真が、いっぱい。
 しかし、不思議です。例えば、、「縞模様効果」。「ハチに似れば助かるチャンスが多いと誰もが考えるらしい。実際、ハチに似た多くの昆虫がいる」そうで、カメムシ、カミキリ、ガの仲間の写真が、ずらーり。ホントにムシが自分で考えて、どんどん変化したのかなぁ。ずるいよなぁ。真似、するなよなぁ。
 ともかく。虫嫌いにとっては、全く必要のない本2冊でした。('03.7)
 
「昆虫の擬態」
 海野和男 著
 平凡社 発行
 1300円
「虫こぶハンドブック」
 薄葉重 著
 文一総合出版 発行
 1200円
 今は不便な時代になりました。物を買いにいかなきゃいけないんだから。昔は、向こうから物売りがやってきたもんだ。
 宮田さんはおっしゃいます。確かに。いくらコンビニがいっぱい出来ても、金魚や朝顔は売っていませんもん。鋳掛屋さん、あさりやさん、納豆やさん… そんな物売りさんがいい声でやって来る、ほんのちょっと昔の、町の風景。見たこともないけれど、なんとなく、想像できるような。
 寄席でも何度か宮田さんを拝見しました。落語とは違い、まわりの観客(年配の方々)は、「ほーっ」「そうそう」な雰囲気になります。生活のなかで聞いたものって、なにげないものでも、とっても味があるものなんですよねぇ。
 この本は、うれしいCDつき。寄席の雰囲気をお部屋でも。漫才師時代のお話、ちょっぴり昔の浅草のことも盛りだくさんです。('03.7)
 
「江戸売り声百景」
 宮田章司 著
 岩波書店
 940円
「ナンシー関大全」
 ナンシー関 著
 文藝春秋
 2800円
「文藝別冊 ナンシー関」
 西口徹 編集
 河出書房新社
 1143円
「テーブルの上のファーブル」
クラフト・エヴィング商会
筑摩書房
1500円