<三つ子の魂>
| ラスベガス――これほど子供がいってもつまらない 場所もあるまい。街のそこらかしこにスロットマシーン がおいてあるのに子供はそれに触れることですら禁止さ れているのだから。 親戚の叔母さんとその友人数名に連れられ行ったのは 8才の時でした。ついた途端叔母さん達は私をホテルに 外出禁止令と共にのこし早速カジノに出かけていったの でした。ラスベガスは子供が一人出歩いても平気なほど 治安がよくなかったためです。 そんな退屈な2日間が過ぎようやく飛行機で日本に向か う時のことでした。飛行機の出発の待合屋にスロットが 何台かおいてあるではないですか。 「まずい・・」こう思って彼女らの顔を見上げると、 そこには、鷹が獲物を見つけたときの鋭い目つきがあった のでした。そして昨日までの負け分をとりかえさんと 最後の勝負に挑んだのでした。 それから子一時間、飛行機のチェックインの放送が何度か 流れ、焦った子供が 「ねえ、もういこうよー」 「あともう少しまってね(笑」 ・・目はちっとも笑ってませんでした。 こんな風景をみてその時私は 「ぼくは、こんな大人にはならないぞ」 と固く誓ったのでした。 ――1●年後 ぱかの筐体に向かっている私に友人が帰ろうとうながす。 「あと1回・・・」 |