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<三国志あれこれ上>    

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とはいったものの色んな本があるので一応「蒼天航路」(モーニング掲載)
のレビュー気味に語ります。(お
私自身が三国志(本及び漫画)を読んだ中で一番しっくりくるので
この漫画を選んでみました。それとこの文章はある程度ストーリーを知ってる
のを前提としますので、知らないやって人はわざわざ著者の
自己満足に付き合う必要はありませんよ。
手元に資料がまったくないという手抜き挑戦的作品です。(笑)
(間違ってたらごめなさい)
 
●劉備について
この漫画が他の本より一番実像に近いのではないかと
思っています。演義では劉備はいかにも聖人君主っぽく
描かれてますが実際にそんな人間が荒れくれものばかりの
部下を扱えたとはおもえません。「蒼天航路」のなかでは
劉備は「侠」として登場します。演義やそれをベースとした本(吉川その他)
では、劉備は漢朝の末裔でそれを大義に正義の旗を振るう訳ですが
この劉備は鬼嚢の通称で劉性に頼らない侠としてはつらつと行動
する若者として登場します。
 ところで侠とは、今で言えばヤクザのようなもので、法で裁けない
犯罪などをアングラで解決してしまう組織のことです。
もとをたどれば墨家のたどり着くようで、侠は前漢の時代には
いなくなったとされているのが通説です。中国の三大思想(儒、法、墨)
のなかで墨家がもっとも優れていると信じている私としては
この設定は結構嬉しかったりします。ニホンオオカミってまだ
絶滅してなかったんだって感じでしょうか。(笑)
 
●曹操について
この漫画の主人公の曹操。そのせいかちょっと常人ばなれさせすぎた
観もありますが、その根底にある考え方はきっとそうだったんだろうな
と思われる節があります。彼は法家の大家にして文武両道の人物で
いわゆる「天才」であります。それに対して劉備は無学の上、剣の腕も
そこそこ、結果、百戦百敗。俺(劉備)の軍は確かに弱い。だが俺に率いられて
生き残った奴は強いぞ。なんて自慢(?)するくらいですから。
で、曹操ですね。曹操は孔融(孔子の子孫)を切ったり、儒から解放された文学を
推進したり法家の側面をみせます。ただ商鞅や始皇のように法律で
がんじがらめにしなかった点で従来の法家とは別物で独自のバランス感覚
を備えた人のようです。現代の人間がみても合理的と思える
政治を2000年も前にやろうとしてたことには驚きます。この時代が
生んだ天才といってもいいのでは。
なお漫画では「漢朝=儒」のように描かれてますがこれは違うと
思います。最近は社会の教科書にも書いてありますが、儒の
組織力を政治に利用しようとしていたようです。この辺は徳川幕府の
檀家制に通ずるところもあるかもしれませんね。それにしても
靖国問題で政教分離を叫ばれる中、宗教を利用すると宗教を
骨抜きに出来るってことは面白い事です。宗教なんて恐くない
こんなことも分からないんだから・・。恐いのは政教分離とか言ってる
宗教に逆に利用されちゃうことだけでしょ。
また漫画では旬域の謎の死の原因を儒教に対する曹操との考え方
の違いに置いてます。これもありじゃないかなといったところ。
今後の展開がたのしみです。