メールマガジン  【SEGAL'S WORLD】        
     
【SEGAL'S WORLD】とは、「人間の本質的な優しさとせつなさ」をテーマに、自作の詩や小説を配信する
メールマガジンです。また、号外として、不定期に読者のみなさんからの投稿作品も掲載しています。

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〈サンプル〉


         
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                                                2001.01.01発行
                        【SEGAL'S WORLD】Vol.38

                         〜しーがるず わーるど〜

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           (はじめに)

             新年、明けましておめでとうございます。
 
             21世紀初めての 【SEGAL'S WORLD】をお送りします。前年度はいろい
             ろとありがとうございました。今年も、 【SEGAL'S WORLD】をよろしくお
             願いします。

           (投稿作品の募集)
             【SEGAL'S WORLD】号外のVol.3に掲載する作品を募集しています。詩、
             もしくは短編小説を 【SEGAL'S WORLD】号外に掲載したい方
             は、お名前(またはハンドルネーム)、年齢、簡単な住所(都道府県名で
             O.K)、 【SEGAL'S WORLD】の感想を添え、
                                    segal@livedoor.com
                                           までお送りください。
             作品が集まった時点で、号外として発行します。また、掲載する作品に
             は簡単な感想や寸評をお付けします。(寸評といっても、ごく個人的な意
             見と思ってください)掲載する作品を選ぶ基準は、僕の世界観に合うこと、
             それだけです。みなさん、気楽な気持ちでどんどん参加してください。お待
             ちしています。

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                                  詩

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                                『理 解』
            

                       もしも僕たちが理解しあえるとしたならば
                       それは言葉が助けるものではありえない
                       完璧に心を伝える言葉など存在しないし
                       言葉の表面に酔いしれるほど
                       僕たちは幼くない

                       二人が理解しあうのに必要なのは心なのか
                       心のうちをすべて見せることができたとしたら
                       僕たちはきっと、お互いを傷つけてしまう

                       もしも僕たちが理解しあえるとしたならば
                       僕は何を引き換えにしても
                       それを望むだろう

        
            ≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪



      
                     本当は、僕はコーヒーなんか嫌いだったんだ

  

 
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                       連載小説 『君によせて』       第17回  

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             翌朝、目を覚ますと、すでに彼女はベッドから出て、パソコンに向かっ
            ていた。その後ろ姿にいくぶん安心した僕は、ベッドを抜け出すと彼女に声をかけた。
            「おはよう。少し落ち着いた?」
             彼女は無言のまま、振り返ろうともしなかった。ため息まじりに、もう
            一度声をかけようとした僕は、その声を途中で飲み込んだ。彼女が向かう
            パソコンのディスプレイには何も映っていなかった。灰色の画面が広がる
            だけで、電源さえも入っていなかった。彼女の右手はひっきりなしにマウ
            スを動かしているのにだ。
             僕の不安は増大した。それはある種の恐怖をともない、心臓をつかまれ
            る思いだった。
            「小夜子さん……」
             やっとのことで声を出した僕を、彼女は緩慢な動作で振り返った。
            「何……?」
             彼女の目はうつろで、それでいながら、木陰の湖面のような、沈んだ深
            い色をたたえていた。
            「コーヒーをいれるから、少し休んで朝食にしようよ」
            「そうね」
             彼女は短く答えると、再び、電源の入っていないパソコンに向き直った。
             いったい、どうすればいいのか。キッチンでコーヒーをいれながら考え
            たが、分からなかった。彼女の病気はぶり返している。それも今までにな
            いほどに。それなのに、僕は何もいえずにコーヒーを入れるだけだ。仮に、
            僕が東野と彼女との事を知らなかったならば、もっと違った接し方ができ
            たのかもしれない。たとえ、それが何の意味もない言葉だったとしても、
            あらゆる言葉を費やして彼女を救おうとしただろう。しかし、今となって
            は、僕の言葉はすべて、彼女には作為的に感じられるかもしれない。それ
            が怖かった。もちろん、彼女も頭では理解しているだろう。僕が彼女が東
            野のお姉さんだということを初めから知っていて接近したわけじゃないこ
            とを。しかし、今のような不安定な精神状態では、彼女の心は猜疑心にさ
            いなまれているだろう。精神を病んだ者特有の被害妄想だといってしまえ
            ばそれまでだが、そのために彼女を失うことは耐えられなかった。かとい
            って、この状態が続くのを何もせず、ただ見ているだけというのも、僕に
            はつらすぎた。いっそのこと逃げ出してしまおうとも考えた。もちろん、
            すぐに打ち消したが、昨夜、あれほど彼女を見捨てたりしないと強く誓っ
            たはずが、昨日の今日でもう迷いが生じている。一時の感情に溺れ、そし
            てすぐに変節する。これが僕の人間性なのだろうか。そうも考えたが、本
            当のところ、彼女の病気に引きずられた結果、まともな心理状態ではなく
            なっていたのではと思う。
             僕は自分の不安定な感情の波を恐れた。もしも、ついに感情が爆発し、
            彼女のもとを去るとしたら、きっとそのときは、彼女の痛みなど考える余
            裕もないままに、彼女を思いきり傷つけてしまうような気がした。
             そして、その不安はまもなく現実のものとなった。

             僕はコーヒーにトーストという簡単な朝食を用意すると、ガラス・テー
            ブルに置いた。
            「お待たせ。小夜子さんもこっち座って」
             彼女は机に向かったまま、首だけを動かし、僕にいちべつをくれると、
            「いらない」
            とだけいった。
            「どうして、さっきは食べるっていったじゃない」
            「パンは嫌いよ」
             相変わらず、彼女は背を向けていた。
            「嫌いって、いつも朝はパンだったじゃないか」
             彼女の理不尽さにだんだんと腹が立って、僕の口調は激しくなった。す
            るとはじめて、彼女は僕を振り返った。そして、張り合うように声を荒立
            てた。
            「関係ないでしょ! 嫌いになったのよ。それとも、私の味覚が変わるた
            びに、あなたに報告しないといけないの」
            「そんなこといってないよ!」
             僕は奥歯をかみ締めた。歯と歯のたてる不快な音が耳の奥で反響してい
            た。ここで我慢しなければすべてが壊れさってしまうことは分かっていた。
            彼女はそんなことはおかまいなしに、僕に向かっておもしろくなさそうに
            鼻を鳴らした。
            「いいわ。あなたが何をいおうと興味ないし、それに、私忙しいの。議論
            するひまなんてないわ」
            彼女は再び、電源の入っていないパソコンに向き直り、マウスを手に取
            った。
             僕は混乱し、何が何だか分からなくなった。僕の目には、彼女の背中越し
            にのぞく、灰色のディスプレイだけが映り、耳には、彼女がマウスを動か
            し続ける音だけが響いていた。マウスがマウスパッドの上で立てる耳障り
            な音は、僕の頭の中で反響し、次第に耐えられないほどの大きさになって
            いった。
            「やめろ!」
             僕は片方の手で耳をふさぐと、もう一方の手でマウスにのせた彼女の手
            をつかんだ。
            「お願いだ。僕を見て!」
             彼女はわずらわしげに振り返ると、うつろな目で僕をにらみ、
            「邪魔よ……」
             というと、また前に向き直ろうとした。僕は彼女の肩をつかむと、強引
            に身体ごとこちらに向けた。
             彼女は肩をつかむ僕の手の力に顔をしかめながら、一瞬、何かいおうと
            したが、やめて、僕の目をじっと見つめた。そして、しばらくすると、小
            さな声で、
            「いいわ……答えてあげる。あなたの質問に」
             そういって、僕をうながした。そのとき、うつろだった彼女の目にかす
            かに感情を示す光が差し込んだ。僕は彼女の肩をつかんだまま、大きく息
            を吸い込んだ。
             そして……
            「僕のことを愛してる……?」
             とうとう口に出してしまった。これまで何度も訊こうとし、そのたびに
            怖くて訊けなかった言葉を……
             しばらくの間、彼女は何も答えず、僕の目を黙ったまま見つめていた。
            彼女の目からは、すでに先ほどまで貼りついていたうつろさは完全に消え、
            悲しみとも哀れみとも知れない表情が宿っていた。
             やがて、かすかに首をふると、彼女は小さくつぶやいた。
            「あなたのことすきよ。本当に。でも……」
            それで十分だった。もうここにはいたくない。このまま走って逃げ出し
            たかった。しかし、身体はマヒしてしまったかのように動かず、固まった
            ままで、彼女のその形のよい唇から最後の言葉がゆっくりと発せられるの
            を眺めていた。

            「――愛してはいない」

             僕の両手は力をなくし、彼女の肩からすべり落ちた。
             彼女は僕を愛してはいない。これまでだって、彼女は僕のことを愛した
             ことなどなかった。それは、初めから分かっていたことだった。
            「分かった……」
             それだけいうのがやっとだった。彼女に背を向けると、僕は玄関に向か
            った。 背中越しに、彼女が何かいおうとする声が聞こえたが、今となっ
            ては、それはただの音のられつに過ぎなかった。
             玄関のドアを開ける瞬間、彼女の漏らすおえつが聞こえてきたが、かま
            わずドアを閉めた。一刻も早く、この部屋から遠ざかりたかったが、僕に
            はもう走る気力などなく、萎えた足で一歩一歩前に進むだけだった。
             今日に限って、いやに長く急に見える、二階からの階段をゆっくり降り
            る僕はみじめだった。まるで、彼女の住むこのマンションに飲み込まれた
            後、ゆっくりと消化され、やがて骨だけの姿になって吐き出されたような
            気分だった。

                                        (次号に続く)




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           【SEGAL'S WORLD】Vol.38
                        2001.1.1(不定期発行、週1度?)
                                           発行責任者 :村田政和
  
                 *感想やご意見、要望などございましたら
                                mailto:segal@livedoor.com
                                                までお願いします。

         ■発行システム:インターネットの本屋さん『まぐまぐ』
                         http://www.mag2.com/
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