『幻想』
幻想はありったけの想像力をともなって
その力を発揮した
『昨日見た夢』
昨日見た夢は朝焼けの光にも似て 暗闇を照らすには不十分だが 新しいときの始まりを予感させた
淡い光が一人たたずむ僕を包み込み その細胞一つ一つに染み込んでいった
やがて、震える僕の心には かすかな希望が息づいていき 希望は確信に変わった
やがて僕は目覚める
そして昨日見た夢も忘れていく
『通り過ぎた人たちへ』
あなたたちは今、どこで何をしているのだろうか
僕の前を歩き、あるいは交わり、後ろからついてきた人たち
そして今ではいない人たち
まだ、僕のことを覚えていますか
僕はずっと、ここで立ち止まったままです
あなたたちの知らない人たちに囲まれても
ずっと忘れることができずに
もう会えない人たちへ
元気で暮らしているのでしょうか
『時間のない街』
この街の時間は止まったままだ
だから、僕はいつもうまく笑えない
『そうじゃないんだ』
これで三回目ね
君は僕のため息の数を数える
君は少し哀しげに僕を見つめ、こう訊く
私といてつまらない?
そんな君に、僕はいつもうまく答えられない
君といると楽しいし、僕は幸せな気持ちになれる
だから
そうじゃないんだ
僕がうまく笑えないのは
君がいなくなることが怖いから
それを恐れる僕の心が哀しいから・・・
もういいよ
僕はそんなに弱くないから
お願いだ
僕はそんなに強くないから