昔私は旅人だった。
こんな醜い私でも
どこかの誰かが愛してくると
信じて旅をした。
けれども、行くべきところは無く
帰るべきところは無かった。
人々は石を投げた。
人のいないところへ
人のいないところへ
私は歩いた。
そして、疲れ果てた。
どこまで行っても人は無くならない。
どこまで行っても私は私についてくる
だから、私は飛び降りた。
高い高い崖から。
けれども崖には底が無く、私は永遠に落下するのみ。
今日ぼくは左目でものを見ることを学んだ。
左目ならはっきりものを見られた。
文章を書くとき書かれた文章を見るのは左目だった。
文章を書くことはぼくの人生の中で一番の重大事だった。
大切なものを見る眼差しでぼくは世界を見る。
左目で世界を見た。世界は深かった。