8月13日

 昔私は旅人だった。
 こんな醜い私でも
 どこかの誰かが愛してくると
 信じて旅をした。
 けれども、行くべきところは無く
 帰るべきところは無かった。
 人々は石を投げた。
 人のいないところへ
 人のいないところへ
 私は歩いた。
 そして、疲れ果てた。
 どこまで行っても人は無くならない。
 どこまで行っても私は私についてくる
 だから、私は飛び降りた。
 高い高い崖から。

 けれども崖には底が無く、私は永遠に落下するのみ。

7月30日

 今日ぼくは左目でものを見ることを学んだ。
 左目ならはっきりものを見られた。
 文章を書くとき書かれた文章を見るのは左目だった。
 文章を書くことはぼくの人生の中で一番の重大事だった。
 大切なものを見る眼差しでぼくは世界を見る。
 左目で世界を見た。世界は深かった。