| サクラサク・・・。 この『サクラサク・・・。』は春頃に書いたものです。 一番始めに書いた短編ですのでなにぶん・・・です。 確か、友達からのリクエスト作品でそんなに時間をかけてません。 私は花が好きだ。 だけど桜だけはどうもしても好きになれない。 日本人は桜をこよなく愛すが、私にはあの花のどこがいいか分からない。 特に花が散りかけたときに出てくる葉などは特に見苦しい。 私は桜が嫌いなのだ。 ――「この桜が咲く頃に戻ってくるから。」 庭にある桜を指で示して母さんはそう言って出て行った。プールの匂いのする無機質な建物へ。 幼すぎた私はそれを信じて毎日木の下で母さんの帰ってくるのを待っていた。 悲しかったけど、寂しかったけど。桜が咲くのだけを楽しみにして。 ついに桜が満開になるかという時、突然の大雨で桜の花は全て落ちてしまった。 その日母さんは帰ってきた。 小さな写真となって帰ってきた。 ・・・久しぶりに見た夢だった。 桜がまたあのときのように咲きつつあるかもしれない。 私はほとんど無意識に庭に降りていった。近づくことの避けていた桜へ足を進める。 なぜ? そう答えるすべはないけれど私は何かに惹かれるように桜の木のところへ・・・。 「・・・母さん・・・。」 呼びかけはもう届かない。ただむなしさが残るだけ。 風が肩のところを通り過ぎる。涙が手にこぼれ落ちてくる。 泣かないって決めたのに泣かないって・・・。 『里穂』 誰かが私の顔に触れる。とても温かい。そして、懐かしい。 『私はずっとここにいるわ。里穂、あなたの幸せをずっと見守っているから』 誰だろう? そうしてふと思い当たる。 あぁ母さんなんだって。 桜は散ってもうすぐ葉桜をむかえる。 私はちょっぴり桜が好きになった。 |