ヒレ肉ここにあり!!

 ねぶい・・・・・・ふあぁぁぁぁ
年甲斐もなく徹夜明け。
ああ着替えたい。着ている服が皮膚になりそう。

 てなワケで、こんな時は
わしわしと腹一杯食べて、グウと寝るに限る。
と仕事場を出たものの、
どこに行くべきか思い当たらん。頭が寝てる。
とはいえ、迷うのも億劫だし、疲れてるし、寒い、眠い、
ああ早くう、ねえアナタ状態。

 で、こういう時は迷わなくてすむ吉野屋に直行。
ここは「牛丼しかない」のがいい。
(最近、牛鮭定食とかあるけど)
一旦、店に入ってしまうと、並なのか大盛りなのか、
玉子をつけるか味噌汁はどうするか、
程度の選択肢がないのがいい。
きっぱりとしていて、イスに座った途端あきらめがつく。

 オッシャア、と自転車に股がり牛丼一筋吉野屋へ。
徹夜明けでちとハイになっていたのか、
シャアアアと飛び去る風景を、ぼう見ながら漕いでいると、
その風景の中に吉野屋があった。

 へ、あったぁ?、と、通り過ぎたの? ぼく。

 と気付いた時にはもう遅い。
頭では判っていても、足は動くわ手は動かないわで、
ハタから見ると、ツゥゥゥッと
順調に走行しているように見える。
それがかえって辛い。
気は焦っているけど、悟られまいと平静をよそおう。
ここがニヒル犬のガルルたる由縁なのよ。

 チャリィィィィィィィィィィィィ

 で、そのまま直進して、疲れ果てて辿り着いた先は、
何の気持の準備もしていなかった「かつ源」。
ここは根性の入ったのぼりを翻したとんかつ屋。

 牛を食すはずだったのが、格下の豚を食べるハメに。
とはいえ、出身は格下でも、牛丼にくらべれば、
ガンバッテ出世したことになるものねえ。

 そうかあ、徹夜明けで疲れた体には、
豚肉のビタミンB群がよかったんだよなあ、
って誰に言ってるんだ状態で暖簾をくぐった。

 ここはランチタイムのみのメニュー
「ヒレカツメンチ定食」800円がオススメ。

 ほうじ茶を持ってきてくれたオバチャンに
迷わず「ヒレカツメンチ」と告げ、新聞を広げる。
あとから入ってきた客も同じものを頼んでいる。
ん?あいつもか、と意味のない連帯感がうまれる瞬間。

 きました。
お待たせもせずに「ヒレカツメンチ」が。

 ちょうどマウスくらいの大きさのヒレカツ3つ、
それよりやや大きめのメンチカツ1つ、キャベツ大盛り。

 揚げたてで、まだプシプシといっているところに、
ソースをトロォ〜、辛子をたっぷり。わくわくする瞬間。

 まずはヒレカツから。

 ソースと辛子タップリ地帯を一口。
甘さと辛さ、そして肉の軟らかさが口イッパイに。
続いて何もかかっていない地帯をサクリ。
コロモの心地よいサクサク感、プロの料理を感じる。
肉はさっきよりハッキリと脂の甘味が口に残る。

 ヒレ肉ここにあり!!
ハシで切れるほどの軟らかさがあって、
豚肉の上等の旨味が、とっても懐かしい。
ああ、ヒレ肉ってこんな味だったんだ、
としみじみ思い出す。つい、ウットリ。

 で、メンチカツ。

 まずはハシで半分に割ってみる。
待ってましたあ、とばかりに、
肉汁がキラキラ、ジュワアとにじみ出る。

 それをまた二つに割って、揚げたてをハフハフ口に。
おお、ソースなんぞ邪道じゃあ、と言わせるほど
肉の味がするるるるるぅぅぅ(脂で口がすべる)。

 キャベツの山を突き崩し、豆腐の味噌汁をングッと、
ご飯には備え付けの鰹節と海苔のフリカケをかけ、
ヒレカツ、さく、メンチ、しゃく、もぐもぐ・・・・

 ああ、うまい。ふう・・
と顔をあげると、幸福感のあとに、
なぜか罪悪感がジワッとくる。
これはやっぱり

「オレ一人で、こんな旨いものを喰っていていいのか」

という罪悪感なんだなあ。
でも、そのすぐあとに「むふふ」がくるのよね。むふふ

 仕上げのほうじ茶で、口の中をさっぱりさせて、
満足感と満腹感で、満々感の人となって店を出た。

 今日は正解。あとは帰って寝るのみ。

 ではでは、ゴッツアンでぇーす。

 

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