イラク攻撃の不安               平成14年4.20(3月27日新報掲載)  山根光正
   よもや攻撃はしないと思っていた。否しないでほしいと願っていた。国連監視委員会は査察継続を望んでいたし、世界の反戦ムードはう ねりとなって高まりを見せていた。願いを無視し、3月20日アメリカは先制攻撃を開始した。「罪のない市民を傷つけないよう、あらゆ る努力を払うことを米国人と全世界に知ってもらいたい」(21日紙面)と演説する大統領。同日紙面に演説の虚しさを訴えるかのような負 傷した少女の写真が掲載されていた。大統領を見ながら、この人は何を考えているのだろうと不安になった。「ゲームは終わった」後は攻 撃だ、といきがる姿を見ていると、まるで腕力の強い悪童が弱い少年を苛める場面を想像してしまう。査察に応じないというのならともか く、応じているのだから3カ月でも1年でも継続すればよかったのにと思う。
 他国の大量破壊兵器を云々するなら、自国のそれも遡上にのせるべきである。自国の核は棚上げしておいて他国だけを責める。そのよう な態度にアメリカの傲慢を感じてならない。アメリカに嫌われたらいずれの国といえども些細なことを口実に攻撃される危惧がでてきはし まいか。ブッシュ大統領に新手の”独裁者”の兆候を感じ不安でならない。
 アメリカが攻撃開始するまで見解を明かさなかった小泉総理にも不安がいっぱい。記者会見をしない総理に憤りさえ感じた。なぜに「北 朝鮮の脅威、その他かくかくしかじかの理由で日本はアメリカを支持しなければならないのです。ご理解下さい」と攻撃前に言えなかった のだろう。記者会見を行い、国民に(総理としての)意思を明らかにすべきだった。小泉総理の緊急時の対応に不安をおぼえる。
 「お母さん、戦争が始まるの」と小学二年の子供が不安そうに母親にたずねたという。返事に窮した母親。先日の勉強会で仲間が語って くれたことである。子供たちもアメリカの攻撃に怯えているのだ。情報は大人にも子供にも同様に発信される。傷ついた子供たちの痛々し い姿を、同年代の子供たちはどのように見るのだろう。21世紀を担う子供たちにこれ以上の不安を与えてはならない。
 沖縄観光も不安がいっぱいだ。観光土産品店でバイトをしている身内の話によると、つい先日までは好調だったという。現実となったイ ラク攻撃を前にして「またあの時(同時テロ)のようにならないかねえ」と不安顔だ。現に修学旅行や一般団体客のキャンセルが2700 人も出ている。基地と共存する沖縄の悲しい現実だ。県外から機動隊応援が来るらしいが県警へ要望したい。観光客に刺激を与えないよう な警備をお願いします。
 ブッシュ大統領に申し上げたい。争いからは不安しか生じない。人種、信条は違えども人類は皆同胞である。「和を以って貴しと為す」 の心境で政治をお願いしたい。今からでも遅くはない。即時、攻撃をやめてほしい。