「天晴れ 宜野座高校」
平成13年5.6 山根光正
春の甲子園、宜野座高校のべスト4は天晴
れだった。ウチナーの気候風土にマッチした
カラッとした試合運びを展開してくれた。宜
野座ナインは大いに県民を勇気づけた。
奥浜正監督の采配も見事だった。バントがあ
れ程威力を発揮するとは。三塁線上にあるい
は1塁線上に面白いように決めてくれた。勿
論、猛練習の成果だと思う。明るいニュース
の少ない今日、多くの県民に希望を自信を与
えてくれた。宜野座ナインの健闘は大いに称
えられるべきである。
甲子園で勝ち抜いていくのは至難の業だ。
宜野座高校は無欲で勝ち進んでいった。延長
11回を戦かった浪速高校との一戦は圧巻だ
った。人気アイドルの”キムタク”にどこか
似たハンサムボーイ比嘉裕の力投。試合は白
熱をおびたナイトゲームとなった。1点先取
すると取り返され、追加点をあげると直ぐに
追いつかれる。連投で疲れのみえてきた比嘉
投手。後攻めの有利さで怒濤の如く攻めてく
る浪速打線。かつて、幾度となく逆転の苦杯
をなめさせられた県勢を思い出す。
緊迫した場面になるとマウンドに集まり、
笑顔で励まし合うナイン。ピンチにどのよう
に対処するかを打ち合わせているかと思いき
や、「帰ったらウチナーソバを食べに行こう」
と話していたとか。キャプテン安富勇人の飄
々とした笑顔は印象に残った。
印象に残ると言えば、山城尚悟捕手は一番
印象に残る選手だった。再三のピンチを冷静
なプレーで凌いだ。桐光戦の三回裏、同点に
された直後の二塁ランナーをさした牽制球。
相手チ−ムに傾きかけていた流れを宜野座に
呼び戻す貴重な1球だった。浪速校との延長
戦、三塁に走者をおき一打サヨナラの場面。
比嘉投手がとんでもない暴投をした。山城捕
手はしっかりと押さえてくれた。捕逸すると
サヨナラの場面だけに大ファインプレーだっ
た。
テレビ解説の方も「宜野座は打つ、走る、
守る、いずれをとってもてきぱきとしていて
素晴らしいですねえ」と絶賛していた。勝利
者インタビューで奥浜監督は「21世紀枠で
出場できたこと、選手個々人のプレー、応援
の皆様方、全てに感謝の気持ちで一杯です」
と話していた。この監督にしてこの選手あり、
と思った次第。
高校野球には特別の感慨がある。沖縄タイ
ムスに連載中のマンガ「君がいた夏」の主人
公のように当時の少年たちも高校野球に憧れ
ていた。首里高校が甲子園に初出場したのは
昭和33(1958)年で、私が中学2年の
夏だった。甲子園で選手宣誓した仲宗根主将
は少年たちのヒーローだった。日本復帰に遡
ること14年も前のことである。祖国日本に
憧れ、ヤマトコンプレックスに悩まされ続け
た(現在の悩まされている)私たちの青春時
代だった。
こう言っては失礼だが”やんばる育ち”の
宜野座ナインは”都会育ち”の高校生以上に
明るかった、逞しかった、カッコよかった。
21世紀を担う若者たちよ、宜野座高校ナイ
ンのように明るく、逞しく、カッコよくあれ。