中学生の声なき悲鳴               平成15年7.27  山根光正
   北谷町の中二殺害遺棄事件と那覇市内の集団暴行事件の記事を見ながら思う、最近の世相は壊れているのではないかと。いずれも中学生 が絡んでいる。中学生の悲鳴が聞こえてきそうな記事ばかりだ。終戦直後「星の流れに」という歌が流行ったことがあった。当時の暗い世 相を嘆いて「こんな女に誰がした」と歌ったものだが、まさしくこんな社会に誰がしたと現今の中学生たちは恨んでいるに違いない。こん な社会にしたのは誰でもないわれわれ大人(と呼ばれる人間)たちなのだ。その意味で大人たちは、子どもに対する責任を果たさなければ ならない(と考える)。記事を追いながら事件の背景と予防策を考えてみたい。
 北谷町で起きた中二殺害遺棄事件。殺された勉君は犯行前日も脅迫を受けていたという。目を赤くして泣いていたとある。暴力は日常的 に行われていたと思う。誰も阻止することはできなかったのだろうか。11日の紙面を見て思うのは、家庭環境に問題があった(であろう) ということ。加害者の中学二年生の母親は「一週間に一度、しかも昼間しか家に帰らなかった。他の加害者も同様の境遇だった」とある。
 学校側の対応はどうだったのか。12日付紙面の「学校の限界」を読んで認識を改めた。先生方は真剣に取り組んでおられたのだ。担任の 先生は幾度となく少年の家庭を訪問し、夜間も含めて少年を捜した。少女の担任も登校を促す電話をしたり自宅に足を運んだりしている。先 生方の行動を見るにつけ、事件の原因は家庭環境にあったように思う。
 話は変わる。9日と12日付の紙面に、那覇市で発生した中学生の集団暴行事件の記事が出ていた。立て続けに起こると、もっと多く発 生しているのではないかと疑ってしまう。暴力の被害に遭いそうな少年たちに言いたい。暴行を受けそうになったら迷わず逃げること。逃 げるということは(暴行を受けそうになったら)学校を休んだり転校したりするということ。「転校したい」と両親や学校に相談すること を勧めたい。弱いものいじめをするような連中のいる学校に未練を残すことは何もない。こちらから縁を切ることが大事だと思う。暴行事 件が発生したら家庭も学校も隠すことなく毅然と対応してほしい。厳しい対処をすることで再発が防げると考える。
 二度と再び、中学生の悲惨な事件を起こしてはならない。子供をめぐる環境を変える必要性を痛感している。これまでのような物質だけ を与えて、それでよしとしてきた風潮を改めなければならない、幼児時代に家庭でしっかりとしつけをしなければならない、子供たち一人 ひとりが目標を持ち続けられる社会を再構築していかなければならない。いずれも私自身が真っ先に反省しなければならない事項ばかりだ。 冒頭でも述べたように、お互いの子供や孫や訴えてくる声なき悲鳴に耳を傾け、知恵と勇気で対処策を考えるべきだと思う。