火星
平成15年9.20 山根光正
火星が6万年ぶりに大接近した。豆電球を小さくしたような大きな星が輝いている。ホタルのような物体が東の空に現れた。かすかな光
を点滅させながら、火星の真下を通過していく。火星観察の遊覧飛行だろうか。
6万年前といえば人類は誕生していたのだろうか。「ネアンデルタール人が生きていた時代」と紙面にある。「長身で、脳容積は現代人
よりもむしろ大きかった」と広辞苑に出ている。聡明な頭脳のネアンデルタール人も木の間から見える赤い星に畏敬の念を抱いたのだろ
うか。
次の接近は284年後とのこと。「そのころ私は、もう生きていないかもしれない」と冗談を飛ばした。「人類そのものが生存していな
いかもしれませんネ」と切り返されてしまった。地域紛争やテロが絶えない今日、何がきっかけで大戦に発展するかもしれない。ユッタリ
と火星を見学できる幸せを、大事にしたい。