「新年の決意 」(平成14年1月3日琉球新報掲載)
平成14年.1.12 山根光正
2002年が明けた。今年は午年。「今の午前11時から午後1時の間の時刻」と広辞苑にある。太陽は中天にかかり、人生の最盛期と
いう意味なのだろうか。馬に例えると私はとうが立った駄馬となるのだろうが今年一年、竹馬の友とは仲良く、馬耳東風にならないよう、
若い駿馬の意見も取り入れていきたい。
それにしても去年は大変な年だった。世界的なニュースは何と言っても9月に発生した同時多発テロ。テロは沖縄にも深刻な打撃を与え
た。県民は当初、沖縄の基地群がテロの標的にされはしないかと心配した。現実の問題として浮上してきたのは観光客や修学旅行のキャン
セルだった。ホテルやバスや土産品店などの観光産業は閑古鳥が鳴く状態だった。折からの不況に加えてテロは抜きさしならない影響を県
経済に及ぼした。経済の活性化に向けて県民は懸命の努力をした。だが、観光客の減少はどうすることも出来なかった。
完全失業率も過去最悪となった。企業は倒産し、解雇される方々も出てきた。リストラ問題も深刻だ。知人の話だと県内有力企業でもリ
ストラが始まっているという。働き盛りの40代の方々がリストラに遭っている。40代と言えば家のローンを抱え、子供たちは学業半ば
の方々が大半だ。稲嶺県政は経済復興に向けて最大限の英叡を傾注してほしい。
国内政治はどうだったか。「聖域なき改革」をスローガンに掲げた小泉政権が誕生した。小泉さんには頑張っていただきたい。それにし
ても頭にきたのは外務省の不祥事だった。どこの世界に、己の飲み食いを税金で賄う人がいただろう。あいた口がふさがらない心境だ。歴
代の外務大臣はこのことを知っていたのだろうか。その意味で田中大臣にはエールを送りたい。高級官僚の天下りも理解できない。即刻廃
止すべきだと考える。
己は天の邪鬼なのだろうか、と思う。狂牛病が発生したら途端にそれまでは見向きもしなかった「ステーキ」が食べたくなった。レスト
ランで、渋面をつくる女房を後目に霜降り肉に舌鼓をうった。炭そ菌では我が職場も影響を受けた。米国に端を発した事件が時を移さず身
の回りの問題となる。個人的にも精神面でダメージを受けた。
昨年11月、ゴルバチョフ氏が講演した。大きな額に大きな瞳。かつて米国と対等に対峙したあのゴルビーが眼前にいた。講演の後で那
覇市民三名が代表として質問した。質問の中に、ペレストロイカの前と後とではどのように変わったか、というのもあった。ニコニコしな
がら答えるゴルバチョフ氏。気さくな感じを受けた。印象に残ったのは「子供たちに対する大人の責任について」の質問だった。「家庭を
大事にすることと教育が大事」だとおっしゃった。まるで、不登校や家庭内暴力など、日本の教育の現状を垣間見ているようなお話だった。
今年こそ世界が日本が沖縄が「天馬空を行く」ような平和な一年でありますよう。