「初孫『海』」               平成13年11.17  山根光正
   週一の割合で初孫「海(かい)」がたずねてくる。イガグリ頭が爽快だ。背丈に伸びる時期なのか少 しスマートになった。私を見ると満面に笑みをうかべる。”今日もジイちゃんと遊べるぞ”。抱っこす る。赤ちゃんの成長は早い。一週間見ないだけだが、それでも骨格がしっかりしてきたのがわかる。
 石嶺小学校に連れて行く。風邪気味なのか、鼻水をたらし時折くしゃみもする。ブランコで遊ぶ。滑 り台で歓声をあげる。ウサギ小屋では草をあげる。”アレッ 今どきのウサギのお目目は赤くない、何 故だろう?”(とこれは私が思ったこと)。鶏やアヒル、亀さんもいる。暮色の空にはお月様。孫にと ってはお月様も初めて見る珍しいものだ。
 初孫「海」は去年の2月28日に誕生した。誕生後、半年くらい経つと縫いぐるみのパンダのように まるまるとしてきた。手足が一際大きかったのは印象に強い。ほっぺをちかづけるとミルクのにおいが したし、目と目があうと微笑むし、抱き上げると声をあげて笑った。
 当時の孫をみて思ったこと。つまり変な表現だが、誕生時の数か月間は人間と他の動物との区別がつ けにくいということだった。どういうことかと言うと、孫が両親に甘えるしぐさは、例えば小犬が母犬 のオッパイをもとめる行動とそっくりだったし、手近にあるものを手当たりしだいになめるのも小犬と 一緒だった。生き物のルーツをたどれば、究極的には先祖は一つであることを、孫の行動を通して認知 できた思いだった。
 とは言っても、最近の孫は人間としてすっかり成長した。興味があるのはテレビのリモコンにラジオ のつまみに携帯電話に紙箱やゴミ箱などである。カセット音楽を聞き、曲にあわせて両手をあげ両足を 踏みならして踊るのも好き。ペットボトルも大好きだ。ストローで飲むことも上手になった。牛乳、お 茶、水などをストローでチューチューやっている。
 でも一番関心があるのは三線だ。わが家に来ると真っ先に床の間に行く。そして三線にさわる。音を 出せと催促する。私が下手な手つきで「安波節」を弾くとご満悦になる。テレビからエイサーが流れる。じ っと画面を見ている。この子はもしかしたら音楽の”天才”ではないかと思ったりしている。
 話言葉は最近までは「ワンワン」と「マンマン」だけだった。猫を見ても熱帯魚を見てもワンワン、 ご飯を食べる時だけマンマンだった。シャワーを浴びせ、身体をふいていると「チンチン」と言った。 錯覚かと思って再度確認した。でべその下をさわりチンチンという。誰が教えたのだろう。
 孫がバッグの中の車の鍵を指さした。おもちゃにするのだろうと考え、手渡した。バッグに戻そうと すると「バイバイ」とむずかる。(車で)家に帰りたい、との意志表示だったのだ。
 一日いちにち確実に知恵がついていく孫。ここ当分は海を通して、人間の成長過程の素晴らしさに感 動したり驚嘆したりの毎日が続きそう・・。