「心の満足」               平成13年7.15  山根光正
   7月最初の休日、窓の外を眺めていた。白 い雲がポカリポカリと流れていく。今日も暑 い一日となりそうだ。
 涼風が入ってきた。小学校の音楽の時間に 習った唱歌『風』をおもいだした。「誰が風 をみたでしょう ぼくもあなたも見やしない けれど木の葉をふるわせながら 風はとおり 過ぎていく」  詩人の星野富弘さんに、”風は”木に吹け ば緑になり花に吹けば薫りになる”といった 素敵なポエムがあるとラジオで紹介していた。
 体操の先生だった星野さんは器械体操の模 範演技中に落下事故を起こす。そして、首以 外の全ての部分が麻痺してしまう。
 死を考える日々が続いた。その頃、口に筆 をくわえて詩と絵を描く楽しみをおぼえた星 野さん。
 人生観は一変した。人間の素晴らしさや自 然の優しさに感謝するようになった。今では 事故に遭ったことを感謝さえしている、とお っしゃる。
 星野さんの生き様を見て思う、物質的な 充足よりも精神的な満足が人間にとっていか に大切であるかが。