「同時多発テロ」         平成13年9.20(沖縄タイムス掲載)
                  山根光正
   9月12日の「同時多発テロ」の報道をみ て衝撃を受けた。数千名が犠牲になった。亡 くなられた方々にお悔やみを申し上げたい。 それにしても、こんなことがあってもいいの だろうか。台風16号が吹き荒れる中を、紙 面にテレビに未曾有の事件を追い続ける一日 となった。画面から流れる専門家の意見を参 考にしながら、私見を述べてみたい。
 テロは絶対に許されるべきではないし、ま た許してもいけない。従ってブッシュ大統領 が報復を語り、アメリカ議会が全面的に大統 領を容認するのはわかる。NATO加盟国が アメリカを支援し協力を約束した。これも理 解できる。でも、理解はできるけれどもそれ でも何か納得できないものも(私の中に)残 っている。その何かが沖縄の抱えている基地 の存在である。
 今回の事件で、基地と同居することがいかに 危険であるかを痛感させられた。米国務省が外 務省に「日本と韓国の米軍施設などに対する脅 威の可能性がある」との警戒情報を通告してい たことが判明した。テロ発生以前のことである。 記事を見ながら、沖縄の基地に航空機が突っ込 むことを想像した。背筋が寒くなる思いだった。
 米軍基地は米軍を守るためにあるのであって、 沖縄県民を守るために存在するものではないと いうことを今度の事件ではっきりと認識できた。 当日アメリカ軍がとった措置は、基地を防衛す るための最厳戒体制「デルタ」状況だったと紙 面にある。米軍だけが最厳戒体制で、沖縄県に は詳細な情報はもたらされなかった。戦争やテ ロで沖縄が攻撃されると真っ先に被害を被るの は勿論、我々沖縄県民である。その県民をさし おいて我が物顔でのさばる米軍。米軍との共存 は沖縄にとってあまりにもリスクが大き過ぎる。
 今回のテロ事件、報復するだけで果たして全 面解決できる問題なのだろうか。アメリカ側に もイスラム側にも言い分はあると思う。”正義” は必ずしも一つではないのだから。そんな状況 の中で報復戦がエスカレートしていく。力ずく で真の解決が図れるものなのだろうか。それと 前述したのだが、報復戦が長期化すると米軍基 地を抱える地域が新たな危険にさらされる心配 がある。
 小泉総理にお願いしたい。欧米対イスラム世 界の対立図式が強まってきた。そのような中で アメリカ側に一方的に荷担するのは(沖縄等に 米軍基地があるという点で)危険が大き過ぎる。 やめてほしい。報復戦のどこかの段階でどこか の国が音頭をとって仲裁させる必要がでてくる (と考える)。その役割を日本政府が担ってで たらどうだろう。日本以外の国ではできないよ うな緻密な外交を展開していく・・。
 同時に再三申し上げているように沖縄に基地 があるのは困る。危険な存在である米軍基地を 即刻撤退させてほしい。