悲しいニュースばかりでチロルが毎日マーブルな気分でいた時のことです。ちろるは駅員さんに言われました。

"チロルが哀しんでいたら、その近くにいる人も巻き込んでしまって、そうしたら、その周りの人も巻き込んでしまって、

その渦はどんどん大きくなっていってしまうんだよ。"

チロルは、なるほど、と思いました。でもやっぱり、そういう哀しみ達とチロルとの間にある空気が、

なんだかあまりにもどうしょうもなくて、やっぱりチロルは毎日こっそり考えていました...



...そこで本日より、"ちろるのかふぇ"開店です。

ちろるかふぇには、メニューがありません。

何故なら、ちろるかふぇのコックさんはちょっとぶきっちょで、毎回同じ材料を使っているはずなのに、

毎回別のケーキができてしまうんです。だから、すでにもう、日替わりメニューということなんです。

だから、メニューはありません。

でも、そのコックさんは、毎回決して忘れないで入れる、ご自慢の隠し味があるんです。

コックさんは、前 駅員さんに言われた時、気が付きました。

そうか、涙を材料の中に入れてしまってしょっぱいケーキに仕上がるのなら、

その反対だって、ワークするんじゃないかな。そこで、笑を入れることにしました。Ah-hah♪

  笑は川の上から小石を落とした時みたいに、まぁるい円をつくって外へ外へ広がっていきます。

ケーキは程よく甘いようです。

ちろるかふぇは町のはずれに、ちっちゃく、こっそりあります。

だから、大抵常連さんばっかりになりそうです。コックさんは、そんなほのぼのを幸せに感じます。

でも、'なんだかマーブルで、いつもの帰り道よりちょっと遠回りして下を向きながら歩いていた人'が、

ケーキの匂いにつられて、はっと顔をあげて、お店に気が付いてくれる、そんなかふぇになるといいです。

ちろるかふぇは町への進出は考えていません。

だけど、そんなちょっと寄り道してくれるような人を待っているから、いつでも、扉はちょっと開いてあるんです。

その方が、ケーキの匂いが漂います。

えっと、ちろるかふぇは禁煙です。あ、もうひとつ。ちろるかふぇには、あんまりたくさんの椅子がありません。

だから、椅子持参でご来店ください。ちろるかふぇ、いよいよ本日開店☆ Bonjour!



2002 春