<女の子>
体の調子が良い時のみ一緒に遊ぶ女の子がいた。
その子は三歳。内縁の夫に虐待され
母親を通じて、時々美月に預けられていた。
母親以上になついていたように思う。
美月は小さい子は苦手だといっているが
一緒にいるときの笑顔を見ていると、そうは思えない。
何がそう言わしめるのかはわからないが。
ある時、三人で公園にいった。
広場で二人で座りこんで何かしている。
俺は煙草を吸いながら眺めていた。
良くみると、誰かが捨てた、摘まれた花を拾い集めているらしい。
何をするのかと見ていたら、美月は器用にわっかを作り始めた。
花輪らしい。
女の子は興味深そうに覗きこんでいる。
やがて三重の花輪になったそれは、女の子の頭に乗っかった。
喜んでいる姿は微笑ましかった。
不意に声をかけられる。
「お嬢さんと、奥さんですか?いいですね。」
初老の夫婦だった。
今まで結婚なんて考えた事はない。
煩わしいもの、足枷のようにしか思っていなかった。
しかし、この日ばっかりは、
結婚も良いかもしれないと、思わずにはいられなかった。