一群の鳩
電車は冬の田圃の真ん中を走っていった
一群の鳩が舞っていた
空は煤けた白いカーテンのようだった
一群の鳩はそのカーテンの裂け目から舞って出て
どれもこれも同じ仕種で風に乗り
煤けた白いカーテンを背に大きな弧を描いていた
冬の田圃は白かった
一群の鳩は白かった
残像の継ぎ合わせのように一群の鳩は舞っていた
(1968年1月)