二十歳のころに・・・・。

  

鴎が今日もないている
夢の異国の川の縁
 
鴎が今日もないている
白と黒と灰色の
鏡の中の遠景色
 
鴎が今日もないている
赤子が乳をねだるよに
 
鴎が今日もないている
遠くて見えないあの時の
母と私の内緒言
 
鴎が今日もないている
霧に染まって舞いながら
 
鴎が今日もないている
白いからだを羽ばたかせ
昔を乗せて遥かへと
 
鴎が今日もないている
赤子が乳をねだるよに
 
赤子が乳をねだるよに

 

(1968年4月)