おぼろなる春 おぼろなる春の季は かなたまで見えやらず かすみにかくるる雀の いそがしげに鳴くなり 永くわれを待たせし木々は 今にして新しき葉を見するなり 艶ある緑に輝けど かすみがために おぼろになりて揺るるんり 風に若葉は揺るるとも 雀のほかに耳に入るものはなし うす雲にかくるる青き美空の下に 白き緑はまたもかすかに揺るるなり (1967年4月)
おぼろなる春
(1967年4月)