死には死を

とある港の第七倉庫。

「これが例の物だ。」

カイ・フランク・フィッシャーは、鞄を机の上に置いた。鞄を開けると、黒光りを放った銃が二丁入っていた。

「ちゃんと注文通りなのだろうな?」

加藤衛は、不思議そうな目で銃を見つめていた。

加藤は、世界で五本の指に入るほどのガンマニアで、それと同時に銃の製造会社まで持っている。

「何なら試してみるか?」

と、カイは両手に銃を持ち一番遠くのドラム缶に狙いを定め発砲した。と同時に天井を突き破って何かが落ちてきた。

「なんだ?」

落ちてきた物体は、茶色の液体を垂らしながら立ち上がろうとした。

しかし、弾が二発とも胸に的中し、奇妙な物体はもがき苦しんでいた。

「なんなんだぁ?こいつは?」

加藤とカイが見ている物体は、この世のものとは思えない生き物だった。

全身の筋肉は並みのプロレスラー以上発達していて、全身茶褐色。しかも、かなり高いところから落ちてきたらしく、右腕は変な方向に曲がっており、顔は右半分が潰れかかっていた。そして、カイの銃弾が怪物の胸をえぐっており、激しく出血していた。二人は顔を見合わせた。

「うひょう!この威力なら護身用にもってこいだな。」

「ちょっと待て。今の生き物は何だ?」

カイが指差した先には何もなかった。

「おい。今の生き物どこ行ったんだ?」

「さぁな。お前の銃のデモンストレーションのために来てくれたんじゃないのか?」

「………………。」

「そうそう、今度いつ会えるかわかんねぇから、日程が決まったらまたお前のパソコンにメール送っとくわ。」

「それよりさっさと金を払って欲しいものだ。前作の金も未払いだぞ。」

「わかったわかった。今月中に払っとくから。んじゃまたな。」

加藤は車に飛び乗ると、ものすごい爆音とともに消えていった。

「俺も帰るか……。」

カイは多少の不安を感じつつも倉庫を後にした。

 

自宅に着くと、カイは辺りの異変に気がついた。

いつもなら、まだ人通りが激しい道なのだが、ひと一人通っていない。それどころか、すべての店が閉まっていた。

「……おかしいな…。何かが変だ……。」

カイは、その不安が的中するとは思いもしなかった……。