いのちの大切さ
地下ハウス前の公園で、仲良く遊んでいるハムちゃんズ。その後ろになにやら不吉な影が・・・・・。
「はぁ〜・・・。ちょっと疲れたのだ・・・・。」
「僕も・・・つ・・疲れて・・・・。」
へばるこうし君とハム太郎。
「なっさけねえなぁ。まだまだこれからだじぇ!」
「えぇ〜・・・?」
「タ・・タイショー君・・・・そろそろ休みましょうよ・・・・。」
「うきゅ〜・・・。」
「もうづがれだぞ〜・・・・。」
みんなの意見を聞き、
「しょうがねぇなあ・・・。弱っちいやつらだじぇ。」
タイショー君も休憩をとることにした・・・。
休憩と言いつつ、30分が経ってしまった。みんなうつらうつらしているからだ。と、物陰がすっとトラハムちゃんの前へ・・・。
「・・・・・ん?」
トラハムちゃんが目を開けると、そこには巨大な猫が・・・・。
「・・・・・・!!」
あまりにも突然の事だったので、声が出ないトラハムちゃん。そのことにいち早く気がついたのはのっぽ君だった。
「トラハムちゃん!!逃げて!!」
走りよって来るのっぽ君。
「のっぽ君あぶな・・・!!」
その「い」よりも早く、猫の爪はのっぽ君の体へ・・・・。
「・・・・・・!!」
トラハムちゃんは、まるで映画のスローモーションみたいにのっぽ君が仰向けで中に浮かんでいるのを見た。
のっぽ君が地面に落ちた瞬間、トラハムちゃんは気絶してしまった。
「・・・ちゃん。トラハムちゃん!」
「・・・う・・・うん・・・?」
目を開けると、そこは地下ハウス。外は雨なのか、ぱらぱらいっている。
「あ・・・あれ・・・?私今まで公園で・・・・あっ!そうだ!!のっぽ君は!?」
あたりを見ると、のっぽ君の姿は無い。
「あの時・・・・猫にひっかかれて・・・・・気がついたら・・・・のっぽ君血まみれだったんだ・・・。」
「・・・・・今、手当てしてるけど・・・危篤だよ・・・・。」
「そんな・・・・!!」
トラハムちゃんは、一気に泣き出してしまった。
「大丈夫でちゅわ、トラハムちゃん。」
「今、パンダ君が頑張ってるから。」
「うきゅ、うきゅう!」
なだめる一同。
「だって・・・・のっぽ君・・・・私を助けてくれたのに・・・私・・・・。」
「・・・のっぽ君、大丈夫でしょうか・・・・。」
「まいど君、今日はおとなしいのだ。」
「こんな時にもなって、ギャグなんか浮かばへんわ・・・。」
「・・・・・・・。」
沈黙。
「とにかく今は、のっぽ君がよくなる事を祈りましょう・・・。」
そのころ、のっぽ君の頭の中では・・・。
「そういえば・・・怪我してたんですね・・・。僕死ぬんでしょうか・・・?」
考えるのっぽ君。
「『あの本、まだ読んでなかったんだ・・・。見たかったなぁ・・・。勉強も全然してないや・・・。』」
今までの記憶が、走馬灯のようによみがえる。
「そうだ・・・。トラハムちゃんはどう思ってるんでしょう・・・。悲しんでますよね、絶対・・・。」
初めてした恋。その相手がトラハムちゃん。ちょっとワガママなとこもあったけど、自分にとっては最高の恋人だった。
もっと仲良くなりたかった・・・。せめて・・・・せめてプロポーズ位・・・・。
「・・・・・・トラハム・・・ちゃん・・・・。」
目が潤んできた。
いけない、そう思って腕で涙を拭いた。
「戻りたい・・・・。あの時の自分に・・・・。」
そう思ったそのとき、目の前が真っ白い光と共にのっぽ君をつつんだ。
「っ・・・!!?」
目の前は、見たことのない小屋。
「・・・・?」
後ろを向くと、そこにはまだ目も開かない赤ん坊の自分がいた。
「これは・・・僕・・?」
その先には、大きな背中。
「・・・あれは・・・・僕の・・・母さん?」
その母親は、散らばった赤ん坊を拾い集め、オッパイをあげていた。
「のっぽ。」
「え!?」
そこには、見たことのないハムスターがいた。
「あなたは・・・?」
「おまえの父さんだよ。」
いきなりの事に呆然とするのっぽ君。
「お前、いいお嫁さんができてよかったな。」
「トラハムちゃんのこと・・・ですか?」
「ああ。母さんにそっくりだ。」
今までこらえてた涙がとめどなくあふれ出てきた。
「お前は死ぬにはまだ早い。将来、立派な『弁護士ハム』になるんだろ?」
声が出せないので、頷くだけだった。
「司法試験、頑張らないと、な?」
「・・・はい・・・。」
「よしよし。お前は立派だ。」
そういい、父親は彼を抱いた。
「・・・父さん・・・僕・・・・。」
「なんだ?」
「幸せになります・・・・っ!」
父親は、大きな笑顔で、「ああ、幸せになれ。」といった。するとその時物凄い轟音と光が彼を襲った。
「うぁっ・・・!!」
「・・・・心拍数が・・・!!み・・・みんな・・・のっぽ君が・・・意識を取り戻しそうだよ!!」
「何!?本当か!?」
「のっぽ君!!」
駆けつける一同。
「う・・・ん・・・?」
「おい・・・の・・のっぽ・・・?」
うっすらと目を開けるのっぽ君。
「・・・みんな・・・・。」
「心配したんだよ・・もう・・・。」
トラハムちゃんの声と共に、みんな泣き始めた。
「のっぽ君・・・かっこよかった・・・。」
「そんな・・・当たり前です・・・。」
のっぽ君はそういって立ち上がった。
「お・・・おい、無理するなよ。」
「・・・トラハムちゃん?」
「・・・はい・・・。」
「僕と、結婚して下さい。」
「・・・・・・喜んで・・・・。」
また泣き出してしまったトラハムちゃんを、彼は抱きしめた。そして彼は心の中でこう呟いた。
『父さん、母さん。僕達、あなた方みたいな最高の夫婦になります。』
雨はやみ、虹がきれいにかかっていた。
まるでこの二人を祝福しているかのように・・・。
のっぴ〜あんたいい男だ!感動!!
私はもう何もいうまい・・・(感涙)
彗星号さんより頂きましたvvv
(2003.2.16)