夏の日


この木の根元は小さい頃からのお気に入りの場所だった。

夏は涼しい木陰になるし、冬はぽっかり空いた穴の中はあったかかった。

今日も根元に座って目を閉じていた。

「風が気持ちいいわぁ・・・

 こんなに清清しいと、梅雨なんて嘘みたい」

今年は梅雨時になっても、何と言い様も無い真っ青な空間が空に広がっていた。

「妹よ〜!」

遠くで声がした気がして、ゆっくり目を開けた。

「お兄・・・ちゃん?」

眠り掛けだったのか何となく頭がぼーっとして、日の光がいつもより眩しく感じた。

「よぉ、どーしたんだよ。ぼーっとして」

そう言いながらけらけら笑うトラハム君を、見ていた。

やっと頭のもやもやがとれてきて、クリアに見えるようになってきた。

「お兄ちゃんこそ、どうしたの?

 地下ハウスへは行かないの?」

「んー・・・行ったには行ったけど〜

 お前もいなかったしリボンちゃん達も帰っちゃって・・・

 つまんないから、出てきちゃった」

「そう・・・」

「それに、ここに来ればお前に会えると思ってさ」

いたずらっぽそうに、にぃーっと笑ってみせた。

くすすっ・・・

「あっ、笑ったな!?」

「ご、ごめんね・・っ、だって面白いんだもん〜」

「面白いって、お前なぁ〜・・・でもよかった」

「え、何が?」

「だって、何か悲しそうっていうか・・・元気なかったからさ・・」

「・・・すごいね。わかっちゃうんだ」

「トーゼン☆・・・で、何があった?」

「・・・あのね」

 

 

「のっぽが自分の事をどう思っているかわからない・・・か」

「うん・・・」

「普段、すっかり両思いに見えるけどなぁ・・・」

「でもね、私・・・のっぽ君から直接気持ちを聞いてないの・・・だから・・」

「あいつはお前の気持ちを知ってるんだから、そろそろはっきりさせなきゃな。よし!」

トラハム君は、すっと立ち上がって地下ハウスのほうに走りだした。

「え、ちょっとお兄ちゃん、どこ行くのー!?」

「のっぽにそれとなーく聞き出してくる!

 お前はそのへんで待ってろ〜☆」

「そ、それじゃ前と同じなのよ!?・・・行っちゃった。。。」

 

 

がちゃりっ

地下ハウスのドアを思いきり開けた。

「おぉ、トラハム。本日2度目の登場だな」

「まぁね。・・・あれ、のっぽは?」

「のっぽ君なら、さっき出ていったのだ〜」

「出てった〜!?どこに行ったんだよ!?」

「そんなの知るかよ〜。

 なぁトラハム、お前ヒマだろ?

 プロレスごっこに付き合えよ」

「だーめ!今は恋のキューピットで忙しいんだ〜じゃあねっ」

ぱたんっ。

「何だ・・・つまんねぇの」

「タイショー君、僕がお相手するのだ」

「本当か!手は抜かないじぇ〜!」

 

 

トラハム君は地下ハウスを後にして、公園内を探していた。

「のっぽのやつ、どこ行ったんだよ。

 隠れてないで、でてこい〜!!」

「どうしたんですか?」

「うわぁ!!!・・・び、びっくりしたっ。。。

 なんだ、のっぽかよ。脅かすなって・・・」

「トラハム君、僕に何か?」

「お、おぉそうだった・・・。

 のっぽ、お前妹の事どう思ってる?」

「トラハムちゃんですか?

 素直ないい子だと思いますよ。」

「いや、そうでなくて・・・お前、妹の気持ち知ってんだろ?」

「もちろんですよ。

 僕の事、お兄さんみたいに慕ってくれてるんですよね♪」

「それもそうだけど・・・妹はお前の事が好きなんだよ」

「・・・・・」

「だからさ、妹にお前の気持ちを伝えてほしいんだな。

 兄として、妹には幸せになってほしいし」

「・・・。トラハムちゃんは、今どこに?」

「大きい木の下。地下ハウスの近くに、でっかい木があるじゃん、そこ」

のっぽ君はそれを聞くと、軽くお辞儀してから何も言わずに走って行った。

大きな木のあるほうへ。

 

 

「お兄ちゃん、遅いなぁ・・・」

木の下で気を紛らわすために、ころころしているトラハムちゃんが呟いた。

「トラハムちゃん!」

「わっ、のっぽ君!?」

急いで体を起こす。

「ど、どうしたの?なんだか苦しそうだよ・・?」

「こんなに一生懸命に走ったのは久しぶりで・・・つ、疲れた・・・」

ぺたん、とトラハムちゃんの傍に座った。

目を閉じて肩で息して・・・こんなに近くにいる・・・

トラハムちゃんは体が熱くなるのを感じながら、じっとのっぽ君を見ていた。

ふっと、のっぽ君が目を開けた。

思わず顔をそらしてしまった。

・・・一瞬だけ目が合っちゃった・・

そう思うと、体がさらに熱くなってきた。

そして、のっぽ君が沈黙を破った。

「トラハムちゃんも、結構鈍感ですね」

「え!?」

あまりに意外な言葉がでてくるので、素直に驚いてしまった。

鈍感だなんて・・・ちょつとショックかも。。。

「僕は前から付き合ってるつもりだったよ?」

「・・・へ?」

いきなりの事に流れをつかめてないトラハムちゃんの、真ん前に座り直し・・・

「好きです。付き合ってくれませんか」

「・・・っ///」

今まで熱く熱をもっていたものが一気に顔に押し上げてきた。

『・・・真っ赤なのがばれちゃうっ。。。』

まともにのっぽ君の顔が見れずに、手で顔を覆った。

「トラハムちゃん・・?」

「・・・はい。嬉しい・・幸せっ///」

顔を隠しながら必死に答える様子を見て、のっぽ君は微笑んだ。

『真っ赤な耳が見えてますよ・・・』

そんな様子を愛おしく思った。

「これからも、よろしくね」

そのまま抱き寄せた。

大きな木の木漏れ日の中で―――

 


★さくさく編集後記★

落ち着きなさい、透さん。

たまに純ラブが書きたくなるもので。。。

ど、どぉでしょうか?なんて、恐くて聞けやしねぇ;

こんな事があったかなかったか知りませんが、アニメでも結構ラブってますよね。最近は。

トラハム君がほっとかれてますが、今回はのぽトラ♀なんで・・・

ハム太郎も主役なのにセリフ無いに等しいですが、今回はのぽトラ♀なんで・・・

最後に・・・。

のっぽ君、走った後すぐに座ると○゛になるわよ?(死)

ゴメ・・・爽やかぶち壊し。。。

(2002.6.7)

ブラウザの戻るボタンで戻ってねv あ〜てちてちてち〜♪(ハム音頭)