高嶺の花と、タイショー君

ある処にタイショー君という男の子がいました。
毎日朝から晩まで働くので、村の皆は彼をとても尊敬していました。
今日も働きに行くために川を渡ろうとすると
一本の白い花が遠くに見えました。
「あれま、川辺に何の花だんべ?」
不思議になったタイショー君は、その花の方へ近付いてびっくり。
なんとそれは向日葵の花だったのです。
「白い向日葵なんて、聞いたこともないだ。
これは何かが起こるという花の知らせかの」
不思議なことに、吸い付かれるようにその向日葵に見とれていました。
タイショー君が見とれるのは、長者様の一人娘である
リボンちゃんくらいだというのに。
「あ、しまった。こんなに綺麗だがら、つい見とれてしまったべ。
それにしても、不思議な花だべな〜」
とりあえずその場から離れようと、丸太橋を渡ろうとした、その時!
あろうことか、タイショー君は川に落ちてしまいました。
雨上がりだったせいもあり、みるみるうちに下流へと流されていく・・・
流されながらも生きることを心に刻み込み、決して諦めません。
と、前方に人陰が。
流れに身を任せ、その人陰に近付くと。
「てやんでぃ、何だお前さんも流されてんのかぃ」
オレンジ色の着物を着た、タイショー君よりも小柄な男の子。
だが、流されているというのに顔には余裕がみえた。
「見たところ、僕よりも年上さんみてぃだな」
言葉遣いの割には、第一人称が「僕」?
そんなことに気をとられながらも、タイショー君も挨拶をする。
「おら、タイショーだべ。うっかりして川に落ちたべさ」
「僕はハム太郎ってんだ。よろしく、タイショー君」
・・・君付け??
またそんなことに気をとられて、悩んだ。
「ハム太郎は何して川に落ちたのか?」
「僕はロコちゃんとデパートでお買い物する予定だったのだ♪
でも・・・はぐれてしまったのだ・・・
どうしよう、タイショー君。。。」
・・・・・さっきとキャラ違くねぇか???
またまたそんなことに気をとられるタイショー君だったが、
自分も言葉遣いが変化しているような、そんな気もした。
おまけに、ハム太郎のセリフは、さっきの質問の答えになっていない気もした・・・
「ハム太郎、なってないぞ。」
「え!?何がなのだ!?」
「答えがなってねえんだよ!!」
そういう自分も言葉遣いが違うわ!と思いながらも、無視しておくことにした。
「ご、ごめんなのだ、タイショー君!
実は僕、最近引っ越して来たばかりなのだ・・・」
・・・・・・・・全く質問の答えになってない!!!
そう心には思ったものの、口にはださなかった。
「てことは、友達は・・・」
「タイショー君だけなのだ♪」
なるほど。友達は俺だけ・・・ってぇ!?
いつから俺はハム太郎と、夕日をバックに「友達♪」と言い合える仲になったのか!!?
腹立たしく思ったが、自分の「友達」のイメージも、より腹立たしいので
これまた心に閉っておくことにしたのだった。
「ロコちゃんも、きっと僕を探しているのだ。
ロコちゃん、心配かけてごめんねっ・・・」
「ハム太郎・・・」
ロコちゃんと会えるまで、一緒に暮らさないか?
と、言おうと思ったが、頭の中でシミュレートした結果、
「気持ち悪い」という素晴らしい答えにぶちあたったので、死んでも言うものか!と心に誓った。
「ロコちゃんと会えるまで、タイショー君と一緒に暮らすのだ♪
今日からタイショー君と同棲生活なのだ♪」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・心を読まれた!!?
タイショー君はとても嬉しそうなハム太郎を止めることもできず、
これからの生活に一抹の不安を抱くのだった。


「さ、寒ッ!!川に流されるなんて役、やりたくなかったじぇ!!!」
「僕もなのだー!ぶるぶる・・・」
「おまけに、何だ。この展開。俺様は可哀想な役柄か!?」
「僕もロコちゃんとはぐれてしまう役なのだ・・・」
「しかも同棲!?俺様、リボンちゃん一筋だってば!!!」
「僕も、ロコちゃん一筋なのだー!!!」
「おまけに題名とあってないし!!!」
「全くその通りなのだー!!!」
「一体誰が脚本を書いたんだよ!!」
「ぼくですぅ・・・すかぴー・・・・・」
「ねてる君が、いつも寝ているねてる君が書けるはずが無いのだ・・・これはダミーなのだ!!!」
「だ、だみぃ!?」
「そう・・・本当の脚本家は・・・・・
えー、皆様、お分かりでしょうか。(声色)
この劇の脚本を書いた犯人は、ハムちゃんずの中にいるわけです。
えー・・・以上、ハム太郎でした。」
「・・・古畑?」
「・・・へけ。」