03年8月から12月までのひとりごと
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03年/12月2日(火)
映画『カサブランカ』 (42年/マイケル・カーティス監督)
有名な映画なのでこれまであまりにも多くのパロディに使われたり引用されたり模倣されたりしている。そのせいか見ながらどうも色々な場面で笑ってしまう。有名なセリフ「君の瞳に乾杯!」にはヒエーッと思わず寒くなるし、
「昨日はどうしてたの?」
「そんな昔の事は忘れた」
「明日はどう?」
「そんな先の事はわからない」
といったキザなセリフには苦笑するばかり。
トレンチコートの衿を立ててきざなセリフを吐くというのはその後石原裕次郎などが真似したのだな。なんかトレンチコートって恥ずかしいぞ、特に日本人の場合。
ハードボイルドに振る舞うボギーだがあまりカッコイイとは思えない、あの時代に見ればカッコイイのだろうけれど。大きな声では言えないがただのキザなおっさんだ(いや失礼!)。イングリット・バーグマンはさすがに綺麗で素敵だった。皆が酒場で「ラ・マルセイエーズ」を合唱するシーンも良かったね、この映画のいちばんの見どころはあそこだと思う。
主題曲「AS TIME GOES BY」はやはり名曲だ。今聴いてもいい曲だなと思う。しかし『カサブランカ』という映画そのものはそれほどの名作ではないなというのが私の個人的偏見的見解。
ウディ・アレン主演のパロディ映画『ボギー!俺も男だ』のほうが面白くて好きだな。
03年/11月27日(木)
『百物語』 杉浦日向子(新潮文庫)
江戸オタク(?)杉浦日向子の描く怪談漫画。ちょっとした不思議な話や背筋がぞくっとするような話など、けしてホラーではない情緒溢れる怪談話が99話(百話まで語ってしまうと本当に怪異な現象が起こるそうだ)。文庫の解説によるとこの漫画は小説新潮に86年から93年にかけて連載されたものだという。
絵のタッチも登場人物のセリフも空間や間を感じさせるものになっていて、遠い江戸時代のゆったりとした時の流れにひたる事ができる。すぐれた漫画は立派な文学作品であるという見本だ。
私が好きな話は66話「木の葉の里の話」と96話「フキちゃんの話」。いずれも遊廓の女郎が客に語る話で恐くはないがしみじみと味わい深い話である。特にフキちゃんは可愛らしくて不びんで何だか泣けてくる。
遊廓に住み着いたおとなしい幽霊は、おばさんにフキちゃんと名付けられ皆からもそう呼ばれていた。普段はちょっとしたいたずらをする程度なのでみんな普通にフキちゃんと生活を共にしていた。たまにフキちゃんの機嫌が悪い時は障子を倒して枯れ井戸にこもって泣く(たぶん子供の幽霊なんだろうね)。そんな時おばさんは「フキちゃん、どしたい?何悲しい?」と話し掛け、握り飯をたくさん作って井戸に放り込んでやると泣き止むのだ。そのおばさんが死んだ時、フキちゃんはおばさんに連れられるようにようやく向こうの世界へ行ってしまうというお話である。決して幽霊という存在を恐れるばかりで無く、日常生活の中で普通に共存しようとしていた昔の人の大らかさが感じられていいね。
「木の葉の里の話」で女郎と客のこんな会話がある。
「跡取り、取られたンだものな。蹴られ踏まれ、ぶたれたヨ。あん時の親の顔は決して忘れない」
「で?」
「で、こうして業を深めてるじゃねえか」
「ふっ」
こういう粋な会話にはただ感心するばかりだ。
NHKテレビ「お江戸でござる」などで江戸時代の事をまるで見てきたかのように得意げに話す姿を見て、
「お前、見て来たんかい!」
と、いつも思っていたのだが杉浦日向子はすごいという事がこれを読んで良くわかった(おそい?)。他の作品も読んでみよう。
03年/11月25日(火)
映画『秘密』(99年 滝田洋二郎監督)
広末涼子って以前からどうも好きになれないタレントのひとりだった。ルックスも別に可愛いと思わないし性格悪そうだし・・・そんなヒロスエが出ている映画をテレビでやっていたので期待せずに何となく観ていたら、これがいい映画だったのでちょっと驚くと同時に得した気がした。この映画の中での広末涼子はとても魅力的であり素晴らしい演技を見せているのだ。なかなかやるではないかと見直した。共演の 小林薫とほとんど二人芝居という感じで話が進んでいくが、このふたりの取り合わせがいい。小林薫の軽妙さが笑いを誘い全体のトーンを明るい感じにしている。
母と娘がバス事故に合い母だけが死んでしまう。しかし生き残った娘の身体には母親の意識が・・・つまり外見は娘だが中身は母親なのである。そんな彼女を前にして夫である小林薫は戸惑いながらも事態を受け入れて、何とかやっていこうと悪戦苦闘する。その奮闘ぶりが面白くやがて切なくなってくる。彼女を抱こうとするが見かけは娘なのでどうしても抱く事が出来ない辛さ。この辺のシーンでのヒロスエの表情が色っぽく切ない。
ただラストはどうなのかなあ、あの岬の公園のシーンで終わらせておいた方が良かったような気もするが。でもタイトルの「秘密」というのはあのラストの事を言っているのだとすると、やはり教会でのシーンも必要なのかも知れない。原作を読んでいないのでその辺はどうかわからないが。
いずれにしても良い映画なので機会があれば観てみて下さい、ヒロスエ嫌いの方も(笑)
03年/11月4日(火)
『お引越し』に続いてまた相米慎二監督の映画をテレビ鑑賞、94年作の『夏の庭 The Friends』 。
「死」というものに好奇心を持った3人の小学生が、荒れ果てた家にひとりで住む老人の家を毎日のぞく。死ぬところを見ようとして。しかしいつしか3人は老人と仲良くなり、庭をきれいにしたり家の修理をしたりしながら楽しい夏を過ごすようになる。台風が来た夜、老人は彼らに自分が戦争中に罪も無い民間人を殺してしまった事を話す。その罪の意識にさいなまれ世間を遠ざけるようにひっそりと暮らしていたのだ。しかし老人には別れた妻がいた・・・。
この映画では「死」や「命」という事について老人と子供達との交流を通して描かれている。多くの子供にとって「死」などというものは現実感を伴わない何かあいまいな得体の知れないものであるに違いない。しかしいつの日かいやでもその意味を知らされる時が来る。
ある日老人の家を訪ねた彼らは部屋で老人が死んでいるのを見つける。その姿を見て泣きじゃくる3人。死という概念をまだ現実的に理解できないで興味本位で見ていた彼らが、親しくなった老人の突然の死によってその本当の意味を知ったのだ。この場面は泣けてくる。
映画の最後で子供達は老人がいつもしていたように、死んだ蝶を涸れた井戸に葬ってやる。すると井戸の中からたくさんの虫や蝶や鳥たちがほんの一瞬現われて消える。「おじいちゃんが見せてくれたんや」と子供達は微笑むのだった。そして涸れていた井戸に水が満ちあふれ、老人の家が次第に崩れていく姿を見せながら映画は終わる。命と死を象徴的に描いたラストシーンだと思った。
『お引越し』の子役たちは上手かったが、この作品の子供達はセリフがどうも学芸会みたいで上手くない。そのため最初はなかなか映画のストーリーに入り込めなかったが、老人役の 三国連太郎が戦争体験を語りだしたあたりから映画に引き込まれていった。やはり演技力というのは大事なものだなとあらためて思った(当たり前か!)。でも子役の3人もいい味出していた。 眼鏡のやつは最初ぶん殴ってやろうかと思ったけど(笑)。神戸でロケをやっているのでなんとなく見た事あるような景色が出てくるのもうれしい。
03年/11月2日(日)
深夜にテレビで相米慎二監督の『お引越し』(93年公開)を観た。何気なくつけたテレビだったが映画に引き込まれて結局最後まで観てしまった。今は女優として活躍している 田畑智子の子役デビュー作で、彼女の演技が素晴らしくて切なくて何度も泣かされそうになる。冷えきってしまった別居中の両親の仲をなんとか修復しようと懸命になる少女。いちばん傷付き悲しい思いをしているのは彼女だというのに。
ラストシーン近く京都の祭りを取り入れた幻想的なシーン(たぶん少女の見た夢?)で、少女は親子3人で仲良く戯れる自分自身の姿を見る。そして自分自身と抱き合うのだ。やがて時間が来て去っていく彼らに少女は懸命に手を振りながら「おめでとうございます!」と何度も叫ぶ。この場面を見て私は思った。この瞬間、壁を乗り越え少女はひとつ大人になったのだと。
小学校の教室での生徒たちの演技も本当に上手い。台本など無くまるで自由にしゃべっているように思えるぐらいだ。中井喜一のキャラクターも役に合っているし、 なんと言ってもいいのは桜田淳子だ。完璧。いい女優になったのに現在活動していないのがもったいない。
こんな映画を今まで観ていなかったなんて! DVDでぜひもう一度じっくりと観たいと思う。
そのあと昼にはMOVIX 六甲へ行って『座頭市』を観た。北野武監督の映画はあまり好みでは無いのだが、今回は少し趣が違っていて娯楽作みたいなので、今週でロードショーが終わるという事もあり観ておこうと思ったのだ。前回ここへ来た時は公開直後で話題になった事もあり上映を待つ観客がずらりと並んでいたが、今回は最終週の為か観客は私たちを含めても10人ぐらい(!)。ゆったりと観られて良かった。
映画自体は意外にもオーソドックスな時代劇という感じだったが、所々にユーモアや新しい感覚を取り入れているものだった。そして話題になったラストシーン。着物姿で集団で踊るあの場面の見事さはとても印象的だった。ストーリーと関係ないと思う人がいるかも知れないが、町を支配していたやくざたちがすべて倒され自由を取り戻した人々が喜びを爆発させる場面なのだと思う。いい場面だ。主な出演者が出てきていっしょに踊るのも楽しかった。役者では 大楠道代がとても良かったね。
エンドロールを見てムーンライダーズの鈴木慶一が音楽を担当しているのを知る。なるほどねという感じでムーンライダーズが好きな私はニンマリしてしまった。
映画を見た後はマリンパークへ。六甲アイランドの南端にあるマリンパークはここはアメリカかと思うほどウエストコースト気分いっぱいのおしゃれな海浜公園。しゃれたカフェもあるし、おすすめポイントです。
03年/10月12日(日)
元ちとせ の『ノマド・ソウル』は最近お気に入りで良く聴いているが、聴けば聴くほど味が出てくるいいアルバム。かなり売れているらしい。こういう音楽がヒットするという状況はとてもうれしい。
ドラマチックで壮大な「千の夜と千の昼」、ゆったりとした時の流れを感じさせる「いつか風になる日」、ひんやりとした感触の「この街」。シングル3曲はいずれも違った味わいで心に入り込んでくる。中でも 『どこに向かうのだろう なにを探しだせるのだろう』と歌う「この街」は殺伐とした現代にかすかな希望を探し求めてさすらうその切なさが胸を打つ名曲だ。その他ではクールな「月齢17.4 」とあがた森魚のフランス風「百合コレクション」、松任谷由実の「ウルガの丘」、このラスト3曲が気に入った。
松任谷由実といえば以前に松山千春などのフォーク系の音楽に対して「ああいう土着的なものに興味は無いね」という発言をしていたが、実は「スラバヤ通りの妹へ」「春よ、来い」そして「ウルガの丘」などアジアや日本を感じさせる曲に名曲があり、土着的な曲にこそユーミンのすごさを思い知らされるのだ。
ちなみに「スラバヤ通りの妹へ」という曲は一言も戦争という言葉を使っていないにも関わらず、戦争によってもたらされた日本とアジア諸国との関係を 『やせた年寄りは責めるように 私と日本に目を背ける』という歌詞で見事に描いている。そしてそこからさらに手を取り合って一歩前へ進もうという意思の込められた本当に感動的な曲なのだ。つい派手な仕掛けのステージにだまされてしまうが、ユーミンの本質は叙情的で土着的なところにあり、そこが良いのだと私は思ってしまう。
(元ちとせの話からいつのまにかユーミンの話になってしまったけど、2人ともすごい才能の持ち主だね!)
03年/10月5日(日)
何ヶ月振りかで馬券を買った。夏場に入ってから一切競馬をやらなかったのだが(ホントだよ)、秋のG1レース開幕という事でPATの口座に入金して久々の勝負。今日のスプリンターズ・ステークスの狙いは調教と最近のレースの感じから デュランダルと決めた。そして馬券は武豊のアドマイヤマックスとの馬連1点勝負!さらに勝つのはやはり武豊だろうと思いアドマイヤマックスの単勝も買った。
夜家に帰って結果を見てみると・・・なんとデュランダルが勝っているではないか!そしてアドマイヤは悔しい3着。何故デュランダルの単勝を買わなかったかなあ・・・、馬連でなくワイドにしておけば・・・といつものように後悔と反省をする管理人でございました。
昼にはこれまた久しぶりに姫路城へ行った。中まで入るのは何年ぶりだろうか。ガキの頃に行った記憶はあるのだがめちゃくちゃ昔だ。エレベーターで天守閣に登ったような気がしていたのだが、それは大阪城の間違いだったようで、姫路城にはエレベーターなどは無くきつい階段をヒーコラ言って上まで登った。多少膝に疲れがきて運動不足を実感。でも天守閣からの眺めは素晴らしく、こういうものを作り上げた昔の人にひたすら感心する。
今日はたまたまお城の祭りのような日だったようで、たくさんの露天やイベントコーナーなどがあり多くの人出だった。ステージでは色んなチームがダンスのパフォーマンスを繰り広げていた。天守閣に登るのも今日に限って無料だった、ラッキー!
子供の頃に見た天守閣というのはもっととてつもなく大きく見えたものだが、今見ると意外にそれほど大きく無い。やはり子供の目線と大人の目線は違うものだなあ。そうそう、 木陰にひっそりとお殿さまの姿をした人がいてびっくり。サービスのためなのだろうが本人も何となく恥ずかしそうにしていたのが面白かった。
03年/9月21日(日)
神戸の六甲アイランドにあるMOVIX 六甲で中国のチャン・イーモウ監督の『HERO/英雄』を観た。映画館に足を運ぶのは何年ぶりだろうか。そのせいかどうか音響の素晴らしさにびっくり。刀や槍がぶつかり合う金属音や石の上に落ちる雨の音、風に吹き付けられる砂粒の音までが聞こえるようなクリアーで繊細な音に感激した。これはこの作品の音響自体が素晴らしいのだろう。
そしてスクリーンに映る凄まじい数の群衆とその雄叫び、まさに文字どおり雨あられのように飛んで来る矢、矢、矢・・・これが息をのむぐらい壮絶かつ美しい。空中を飛び回るワイヤーアクションもすごいが格闘シーンの背景に舞う吹雪のような黄色の木の葉と赤い衣装、城の中の風に揺れる緑の幕など色彩的にも目を奪われた。
セリフは控えめで全編に格調高い音楽が流れる。雨中の決闘シーンの老人が弾く琴のメロディーなどはブルース・ロック並みのカッコよさだった。
ストーリーも少しずつ謎を明かしていく展開であるが分かりやすく、そして秦の国王の命を狙う男女の重厚な悲しいラブストーリーにもなっていてぐっと胸に来るものがあった。観て良かったと思う映画らしい映画だった。絶対のおすすめ作品だ。(余談だが女刺客の飛雪という役を演じたマギー・チャンはMBSの水野アナウンサーにそっくりだと思う。)
MOVIX 六甲は映画館ロビーがおしゃれでいかにも劇場という感じでいい雰囲気。デートに最適(実は私も今日彼女と初めてのデートだった・・・フッフフ)。
しかし下の階にあるファッションプラザはどのフロアもおしゃれなのに阪神優勝セールで「六甲おろし」がずっと流れていた。オシャレなムードがぶちこわしである。この辺もう少し考えて欲しいものだ。
映画『HERO/英雄』の公式サイト
http://www.hero-movie.jp/phase2/
MOVIX 六甲
http://www.movix.co.jp/smt/movix_rokko/
03年/9月6日(土)
ジャケ買いというのがある。CDやレコードのジャケットにひかれてどんな中身だか分からないままに買うというやつだ。今日そのジャケ買いをしてしまったのは THE THORNS の『ザ・ソーンズ』というアルバム。牧歌的な風景の中を3人の男がそれぞれにアコースティックギターを抱えて歩いて行く後ろ姿。これを見た時絶対これは自分好みであると確信した。家に帰ってさっそく聴いてみるとやはり思った通り良い。(今までジャケ買いをしてはずした事はあまり無い。)アコースティックギターを中心に3人のハーモニーが気持ち良く響く。CSN&Y やアメリカといったバンドを思い起こさせるサウンドとコーラスで、これから秋に向かうこの季節にビールでも飲みながらゆっくり聴きたいアルバムだ。マシュー・スウィートをはじめソロでやってきた3人が結成した THE THORNS には今後も注目したい。
http://www.thethornsmusic.com/
今日買ったCD
◎THE THORNS『THE THORNS』
◎ライ・クーダー、マヌエル・ガルバン『マンボ・シヌエンド』
◎元ちとせ『ノマド・ソウル』(初回生産限定盤)
03年/9月3日(水)
最近セルフ形式のガソリンスタンドがあちこちに増えてきた。昔からあったスタンドがセルフに衣替えするという例も多くて、びっくりしてしまう。何となく自分で給油するというのは不安なので今まで敬遠していたが、今日ついに初体験!
以前は喫茶店だった所に新しくスタンドが出来ていたのでそこに入ってみる。夜遅かったので他に客は無し。クルマをとめると若い女性店員が寄ってきたので「セルフは初めてなんやけど・・・」と言うと「それでは御説明させていただきます」とていねいに教えてくれた。スタンドによって若干違いはあるようだが、クレジットカードを使う場合はまずカードを通す。その後液晶画面の表示に従いレギュラーかハイオクかを選び、それから何リッターもしくは何円ぶん入れるかを決定(多めに設定しても満タンになるとセンサーで自動的にストップするので大丈夫)。静電気を除去するために手のひらの絵が描かれた所に手を当てる。これでOK、いよいよ給油だ。給油ホースの先を上向けたままで給油口に差し込んでからレバーを握るとガソリン注入開始。設定量もしくは満タンで止まったら再び上を向けて元の場所へ戻す。クルマのガソリンタンクのキャップをきっちりと閉める。レシートが出てくるのでそれを取って終了。サインはいらない。・・・という具合だった。けっこう簡単だったね。日頃ガソリンスタンドの過剰なサービスの押し売りに閉口している人には(私もそうだ)、慣れると快適かも知れない。
今日の女性店員さん、教え方がなかなかいい感じだった。次行く時も初めての振りして教えてもらおうかな。ダメか?
DVDでゴールディー・ホーン主演のコメディー『プライベート・ベンジャミン』(80年/アメリカ)を観た。 軍隊に入ってしごかれて・・・という前半部分はけっこう面白いのだが、後半はただのラブコメディーになってしまい、しかも退屈。最初から最後まで軍隊を舞台にすれば良かったと思うのだが。これなら菅野美穂が自衛隊に入って悪戦苦闘する『守ってあげたい』(00年/日本)のほうがはるかに面白い。でもゴールディー・ホーンの可愛さは大したモンだと思う。
03年/9月1日(月)
『南京の基督(キリスト)』の原作を読んでみたくなって「青空文庫」 http://www.aozora.gr.jp/index.html からダウンロードして読んでみた。青空文庫というのは著作権の切れた文学作品を電子ブックの形で保存してあるインターネットサイトだ。芥川龍之介、夏目漱石、石川啄木などの古典文学がほとんど全作品読める。膨大な量の作品が揃っている。横書きは読みにくいので T-Time という電子ブックのソフトをパソコンに入れておいて、好みの作品をダウンロードすると普通の本のように縦書きでページを繰りながら読む事ができる。
芥川龍之介の「南京の基督」は短い小説である。年老いた父親を養うために体を売っている中国の少女が信仰によって自分を支え、けなげに生きている姿が描かれている。映画では悲しい結末だったが原作はどちらかと言えばハッピーエンドである。生きて行くためにいやしい商売をしながらも「汚れるのは私ひとりでいい、どうか私をお守りください」と天国のキリストに祈り、ある日現われたキリストに良く似た西洋人に身を任せる。実はその男はただの不良外人で後に梅毒で死んでしまうのだが、不思議な事にその夜のうちに彼女の病気が全快し、それ以来病気にかからなくなった。事実を知っている日本人客が彼女に本当の事を言うべきかどうか迷うが、彼女の晴れ晴れとした笑顔に何も言えなくなってしまうというエンディングになっている。
私は宗教など何も信じないのだが、何かを信じるという事が大きな心の支えになり、時として奇跡を呼ぶという事も確かにあるかも知れないと思った。要はその人の心の持ちようだな。芥川龍之介の作品はどれも余韻が残るいい作品が多くて好きだ。
チャールズ・ブロンソンが死んだ。81才、肺炎だそうだ。私が初めて買ったレコードは彼が出ていたCMのコマーシャルソングだった。いちばん好きな映画『大脱走』では脱走用のトンネルを落盤におびえながらも掘り続けた男を演じていた。『狼よさらば』も良かった。渋い俳優だったなあ。合掌。
03年/8月31日(日)
夕べは映画『南京の基督(キリスト)』を観た。公開当時富田靖子のヌードシーンで話題になった映画で、今回はそれもちょっと見てみたいと思ったのは事実。しかし観ている内になんともきれいな映像に引き込まれてしまった。全体的に何か霧にかすんだような街並やカメラがすーっと動いて行く撮り方が、静かな音楽と相まって美しい映画だった。
レオン・カーフェイが『愛人〜ラマン』と同様にまた少女に手を出す役。悪いやつだ、こいつの顔はどうも好きになれない。それに対して富田靖子は童顔なので天真爛漫な少女の役は似合っている。それだけにこの少女がかわいそうでかわいそうで仕方がない。
実は遊廓や娼婦の出てくる映画というのはあまり好きではない。それは悲惨だからだ。この映画でも少女は結局病気に侵され精神にも異常をきたしたりするが、当時(日本でいえば大正末期ごろか)の衛生観念というのはひどいものだ。性病は人にうつせば治るとか、死人の血をまんじゅうにつけて食べれば治るとかいう迷信が信じられていたのだから。古き良き時代とばかりも言っていられない。悲しい尾をひく映画だった。
(95年 日本/香港合作)
今日たまたま窓からうちの犬を見ていたら見かけないよその犬がやってきた。初対面のようである。どうするのかなと思ってそのまま見ていたら、うちの犬の前でごろんと腹を見せてあお向けに横たわり 「服従」の姿勢を見せた。日頃情けないうちの犬がそれに気を良くしたのかその犬の腹に前足を乗せ、数回唸ったり吠えたりした。そしてその後は両者とも何ごとも無かったようにリラックスして 「ご挨拶完了」となったようである。犬の世界もなかなか面白い。
今日借りてきた本
◎ボブ・グリーン『オールサマーロング(下)夏がいっぱい』
◎レイ・ブラッドベリ『たんぽぽのお酒』
◎水口博也『オルカ ORCA』
◎清水義範『ゴミの定理』
03年/8月30日(土)
良く行くCD店の試聴コーナーにはいつもセンスのいいCDが何枚か並べられていて、聴いてみると必ずいいなと思えるものが見つかる。いい店だなあ。今日も試聴して気に入って思わず買ってしまったのは paris match というグループのアルバム『QUATTRO』。彼らの事はまったく何も知らなかったので、どっちがタイトルでどっちがアルバム名かさえわからなかった。店長に聞いてみるとすぐ棚から持ってきてくれた。paris match (パリス マッチ)は日本のグループで女性1人と男性2人の3人組。もうこれで4枚目のアルバムらしい、今まで全然知らなかった。
さっそく聴いてみる。全体的にボサノヴァなどの軽いラテン系のサウンドで聴いていてここち良くなる。夏にぴったりの感じだ。ボーカルの女性はミズノマリといって中低音がふっくらとしたいい声の持ち主である。歌が上手いかどうかは微妙なところだがいい雰囲気を持っている。クリストファー・クロスのカバー曲も入っているこのアルバムは去り行く夏を惜しみながらこれから何度も聴く事になりそうだ。paris match の公式サイトはこちら http://www.jvcmusic.co.jp/parismatch/
もう1枚。「りいみい」こと 夏川りみの新曲『鳥よ』 。伸びのある美声は相変わらず素敵だ。コンサートにも行ったしライブの映像を色々見たりもして思ったのだが、この人はCDよりもライブでよりいっそう力を発揮するタイプのようだ。もちろんCDの彼女の歌もいいのだが、ライブだと彼女の歌に込める気持ちが聴き手に伝わってきてさらに情感のこもったものになっていると思う。先日「ミュージック・フェア」でこの曲を歌っていたがやはり素晴らしかった。早く生で聴いてみたい。ライブアルバムも出して欲しい。
りみ関係のいくつかの掲示板をのぞいてみると、これほどファンに慕われている歌手は最近あまりいないのではないかと思える。人気だけの人ならいっぱいいるが尊敬の念と親近感の両方を感じさせる人は少ない。そのひとりが夏川りみである。最近「歌姫」という言葉を誰に対しても安易に使ってしまっているようだが、りいみいこそ歌姫と呼べる人ではないかな。
03年/8月25日(月)
毎月10日と25日は 『ジョー&飛雄馬』 の発売日なので買って帰ると大抵一気に読んでしまう。昨年スタートしてからストーリーはどんどん展開して行き、両作品とも既にラストに向かってこれから大詰めを迎える所だ。 「巨人の星」は原作もアニメもリアルタイムで見ていたので結末も知っているのだが、「あしたのジョー」 はカーロス・リベラ戦あたりまでしか記憶が無い。だからその後の個性的なボクサーたちとの対戦を今読んでみると大変面白くてわくわくする。白木葉子というキャラクターもクールで内に秘めた情熱が感じられてとても魅力的だ。あの有名な真っ白に燃え尽きたジョーのラストシーンは知っていても、そこに至るまでのストーリーはほとんど知らないのでこれからクライマックスまで楽しみだ。ちなみに今回は野生児ハリマオとの対戦に向けてやくざとのけんかスパーリングを始める所で続く・・・となっている。
「巨人の星」に関しては昔かなり熱中して読んでいた時期があったが、今あらためて読み直してみると大リーグボール1号あたりまでが面白く、それ以後は飛雄馬が悩みだしたりしてちょっとうっとうしい。「俺には青春が無いのか?」とか苦悩したり登場人物がすべて恋愛で悩んだりするのもこの頃だ。明子姉さんをめぐる伴と花形の恋のさや当てとかお京さんに恋をしてしまった左門などのエピソードは、青春ものとしては当然の成りゆきかも知れないが随分話が重くなってしまう。後の「愛と誠」などはこの辺が原形になっているのかも知れない。
「巨人の星」でいちばん好きなのは青雲高校に飛雄馬が入学して伴と出会い、弱小でチーム意識もバラバラだった野球部が父の一徹監督によってまとめあげられ鍛えられて甲子園大会出場、そこで左門や花形らと競い合うという所だ。この辺のストーリーは等身大の野球マンガという感じがしていい。中でも1回戦の相手の尾張高校の太刀川投手との投げ合いにはしびれた(地味ですが)。ドロップ(今ではこの呼び方はしなくなった)が得意の太刀川投手はわき役としてはいちばん好きだなあ。
昔も今も「巨人の星」にはツッコミを入れたい所や変な所がたくさんある。それは大勢の人が同じ思いだと思うが。大リーグボールを打たれたらもう投手生命が終わりというのも変だ。カーブを打たれたらもう一生カーブは通用しないのか?とか直球と魔送球だけで充分だろうとか・・・。そもそも魔送球自体すごい魔球なのにそれについては一切説明は無し。等々・・・。しかしやはり面白い名作である事には間違いは無い。
03年/8月23日(土)
深夜の映画で『真夜中のカーボーイ』(原題:Midnight Cowboy)を観た。邦題を付けたのはあの水野晴郎氏らしい。昔映画の宣伝か何かの仕事をしていた時に「カウボーイ」より「カーボーイ」の方がかっこいい(?)と思って付けたそうな。かっこいいかどうかはともかく、私が子供の頃は西部劇に出てくるおっちゃんを見て確かにカーボーイ、カーボーイと呼んでいた。
この映画の監督ジョン・シュレシンジャーが先月亡くなった。その死亡記事を読んで初めて知ったが、この人は同性愛者だったという事だ。そのため彼の作品には社会的弱者の視点で描いたものが多かったと記事には書かれていた。なるほどそう言えばこの『真夜中のカーボーイ』にもそういう人たちがいっぱい出てくる。 ジョン・ヴォイトはカウボーイの格好をした田舎者だし、ダスティン・ホフマン は片足の悪い詐欺師。街角でジョン・ヴォイトに声をかけてくるのはホモの青年やおじさん。怪しげなパーティーでドラッグをやっていた連中もある意味ではそうかも知れない。みんな一般の社会から冷たくされたりはみ出さざるを得ない人々だ。
ニューヨークでのどん底のねずみのような生活から逃れようと悪戦苦闘して手に入れた金で二人は憧れの地、夢のマイアミを目指す。しかしそのマイアミ行きのバスの中でダスティン・ホフマンは力尽きてしまう。もう目的地はすぐそこなのに。明るい陽光の中を走るバスがやけに物悲しいラストだ。
想像してみる。もし二人が無事に憧れの地へたどり着く事が出来たとしたら・・・。しかし本当は二人がマイアミに着いたところでうまくいく保証は無い。あくまでそこへ行けばなんとかなると思っているに過ぎない。ダスティン・ホフマンが夢見るような目つきで空想していたあの明るい太陽の下での楽しい生活は夢でしか無いのだ。その夢を抱えながら眠るように死んでいった彼はまだ幸せだったのかも知れない。残されたジョン・ヴォイト扮する青年はあの後どのように生きていったのだろうか?
(アメリカ69年作品)
03年/8月19日(火)
このところオルカ・ライブ http://www.orca-live.net/jp/ では連日オルカたちの集団にお目にかかれる。夕べもオルカの固まりてんこ盛りという感じですごかった。カナダの夏の陽光を浴びて10頭以上がいっせいに背びれをずばーっと水面に突き出す姿は壮観でなんとも美しい。
今年から設置されたラビング・ビーチのカメラの映像がまた素晴らしい。ラビング・ビーチというのはオルカたちがくつろぎにやってくる場所で、人間で言えば温泉か保養所みたいなものらしい。そこでは彼らは水底の砂利に体をこすりつけて気持ち良さそうに「あー、極楽極楽」と言うのだ(言わないけど)。底が浅いので水中で横になったり逆さになったりする白と黒のツートンカラーのボディーが上から見られる。
神話の世界に迷い混んだような気がするこのような場所をいつまでも残しておきたいね、オルカのためにもそして我々人間のためにも。
静岡県のかたからメールを頂きました。検索でこのページにたどり着いたそうで、ご覧になった感想なども聞かせてくださって感謝感激。個人の趣味でやっているページとは言え、こういうのはホントに励みになります、どうもありがとう。
03年/8月17日(日)
私のわずか三日間の盆休みも終わった。天気も悪かったし特にどうという事も無く過ぎてしまった感じ。まあ毎年の事だが。世間ではお盆にも働いている人がいるので、のんびりできるだけでもありがたいと思わないとね。そんなわけでCDを聴いたり本を読んだりバイクでお散歩したりという相変わらずの日々だった。
BON JOVI の『These Days』というアルバムにボーナスCDが付いていて色んな人のカバーをやっている。特にS&G のカバー「ミセス・ロビンソン」がとても良い。アコースティック・ギターがかっこいい。同じボーナスCDにボブ・ゲルドフとの共演で「I Don't Like Mondays」もライブで入っている。ボブ・ゲルドフは歌は下手くそだが何とも言えない人を引き付ける魅力があって、この時も聴衆を魅了している様子が伝わってくる。JON BON JOVI もやはりいい声をしている。
99年のポール・サイモンとボブ・ディランのジョイントコンサートからJONES BEACH でのライブを聴く(ブートCD)。日によって出てくる順番が違ってこの日はポール・サイモンが先。以前聴いたDENVER では(もちろんCDで)ディランが先だった。この日のポールは何故かのりのりでとても楽しそうな様子が伝わってくる。ディランとの共演「Knockin' On Heaven's Door」でもまるで自分の曲のように歌いこなしていた。こういうのを聴くと楽しい。
最近読んだ瀬名秀明の連作短編集『あしたのロボット』は心に残る傑作だった。人間とロボットとの関係を描く中で、自分達が存在するという事や考えるとはどういう事か、心って何だ?などと考えさせられる。収められている作品はどれもいいが「夏のロボット」という話が特に好きだ。夏の日のノスタルジーとSFが不思議な味わいとなっていて感動的だ。瀬名秀明は以前に『パラサイト・イブ』という長篇を読んだ時にも思ったが、すごい作家だ。小説の中にグイグイと引きずり込まれてしまう。
そして作品中にも出てくる手塚治虫のアトムは、現代の科学者にとっても色々な意味で大きな存在なのだなというのもこれを読んでわかる。マンガのアトムもちゃんと読んでみたくなった。
今日借りてきた本
◎カレル・チャペック『イギリスだより』
◎ボブ・グリーン『オール・サマー・ロング(上)夏を追いかけて』
◎清水義範『もっとおもしろくても理科』
◎椎名誠『鍋釜天幕団ジープ焚き火旅』『焚火オペラの夜だった』
03年/8月10日(日)
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阪神高速神戸山手線ハイウェイウォーク に参加しました。今月26日の開通を記念して行なわれたもので、往復で約8キロのコースでした。人気パーソナリティーの馬場章夫氏も参加して、ラジオの中継あり景品が当たる抽選会ありと楽しい催しでした。
詳しくは こちら へ。
03年/8月3日(日)
Sowelu(ソエル)のファーストアルバム『Geofu (ギューフ)』 を買ってしまった。若干二十歳の女性シンガーである。こんな若い人のアルバムを買うのは何年ぶりだろう。歌が上手い。声もキンキンしてなくて大人の落ち着きがある。写真などでは子供っぽく見えたりもするのだが、公式サイト http://www.sowelu.info/ でビデオメッセージなどを見てみるとしゃべり方もしっかりとして落ち着いている。
おじいさんがアイリッシュ系アメリカ人という事で、Soweluという名は北欧の古代文字(ルーン文字)から取ったそうだ。太陽と言う意味である。Geofuも同じルーン文字で贈り物の事。
Soweluのことを最初に良いなと思ったのはドラマ「熱烈的中華飯店」のエンディングで使われていた「Rainbow」、そしてそのあとシングル「Fortune」のビデオクリップを見て引き付けられたのだ。このファーストアルバムの映像特典としてそのビデオが見られるようになっている。
R&Bを基調とした心地よいサウンドにSoweluの声がぴたりと合っていて良いアルバムだと思う。今後も彼女に期待したい。
今日買ったCD
◎Sowelu「Geofu」
◎BEGIN「ビギンの島唄<オモトタケオ>」、「ビギンの一五一会」
◎ボブ・ディラン「セルフ・ポートレイト」
今日借りた本
◎一條裕子「自転車キャンピング」
◎山下勇三「バイクは動くか?」
◎春名徹、木内博「島の旅 島の人」
◎瀬名秀明「あしたのロボット」