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このうたは式子内親王が葵祭の主役(?)の斎院だった時、
お祭りの夜に斎院が一泊する神館という建物で詠んだらしいです。
草を結んで枕にする、というのは旅人が野宿する時の常套句で、
(実際うたに詠まれているものの多くは喩えであって実際野宿している例は少ないかもですが)
ここに葵が出ているのは葵祭の縁からだと思われます(実際枕に差すという話もあったようななかったような)。
なんていったらいいんでしょう、旅寝も野辺も単なる比喩であって実際は屋根のあるところに寝てたかもしれないし
何処で寝てたとか斎院がどういうことやるかとかそういうのも大事なんですけども
「わすれめや(どうして忘れることがあろうか)」と彼女に言わせたその朝の風景って
どんなものだったんだろうと思うのです。思わされるんです。それだけです。
忘れられないほどすごく綺麗な風景だったのかもしれないし、
葵祭とか斎院になったとか、そういう事情のある朝だから感慨深いのかもしれないし
いつもの暮らしとは全然違う初体験なことだらけの翌朝だったからかもしれない。
どうして忘れられないのか分からないのに「わすれめや」って気持ちだけが迫ってくるような、
私にとっては落ち着かない、不思議なうたです。
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