お嬢様、これは触手です(4)お嬢様の逆襲
夜になると、再びミーアニーナはやってきた。そうせざるをえないのだ。彼女は奴隷であり、そしてユーシナを孕ませることが彼女の存在価値なのだから。ユーシナは腕を組み、怒りでむかむかするのを我慢しながら、部屋に招きいれた相手をじろじろと見回した。
彼女は意気消沈しているようだった。視線を一度も合わせようとしない。色白な肌がよりいっそう白く、病的な感じがした。
「あなたは私の奴隷よね?」
「はい、お嬢様」
「こっちを見なさい」
ユーシナが叱り付けるようにいうと、ミーアニーナはびくりと体を震わせ、いうとおりにした。ユーシナは相手の怯えたような緑色の瞳を、じっと覗き込んだ。
「どのくらい私を犯せば、我慢できるようになるの? 二回? それとも三回?」
「…もっとです」
「もっと?」
「はい…十回くらいは…」
「十回!?」
ユーシナは驚いて声を上げ、それから頭が痛いとでもいうように、こめかみに指先を当てた。
「なによそれ…」
ユーシナはしばらくぶつぶついっていたが、やがて決心したように相手に向き直った。
「…分かったわ。かわいい奴隷の頼みだから聞いてあげるわ。でも、これからは私のいうとおりにするの。いい?」
「はい、お嬢様」
「じゃあ、服を脱いで、ベッドに横になって」
十分後、ユーシナは、ミーアニーナとのセックスで、初めて主人としての満足感を感じていた。生まれて初めて他人の体を玩具にすることができたのだ。ミーアニーナは最高の玩具だった。従順で、美しく、肌触りはなめらかで、どこもかしこもやわらかだった。愛撫が進むにつれ、彼女は普段の理知的な様子からは想像できない、愛らしく可憐な声を上げ始めた。その様子には、これまで彼女には不快な目に合わされてきたユーシナでさえも、愛情を抱かずにはいられなかった。
股を開けという命令にも、彼女は従順に従った。他人の性器を間近で見るのは初めてだった。ユーシナは怒っていたことも忘れて、興奮した面持ちで彼女の性器を弄繰り回し、奥を覗き込んだ。それからユーシナは、用意しておいた張形を取り出し、彼女を犯し始めた。
「あっ…はあっ…ああっ…お嬢…様…」
張形が性器を出入りするにつれ、ミーアニーナは艶めいた声で喘いだ。
張形は親しいメイドにねだって買ってきたもらった最高級品だった。本物の男根触手と同様、ほとんど透明の材質からできていて、握るとかすかな弾力があった。
メイドに頼むにあたっては、恥ずかしさを克服しなければならなかったが、ミーアニーナにささやかな復讐をして主人としての威厳を取り戻さなければという固い決意がユーシナを後押しした。そして一旦、ユーシナが「おねがい」すれば、それは絶大な効果を発揮するのだ。
「気持ちいい?」
ユーシナはやさしい声でたずねた。ユーシナには相手が感じている快感が手に取るように分かった。自分を実験台にしていろいろやってみたのだ。どのように動かせば、どんな快感が得られるか、すべて把握済みだった。
「は…はい…お嬢様…気持ち…いい…です…」
喘ぎ声の合間に、途切れ途切れに答えるミーアニーナ姿に、ユーシナの胸はキュンとなった。
ユーシナは有頂天だった。この美しく、危険なメイドが、今やユーシナの愛撫を受け続けるだけの愛玩動物となったのだ。彼女のすべて愛おしかった。彼女のために何でもしてやりたかった。
「四つん這いになって。もっと気持ちよくしてあげる」
「は、はい」
ミーアニーナが命じたとおりに四つん這いになると、ユーシナは背後から張形を挿入してやった。
「ああっ…あっ…はあっ…!」
ミーアニーナの背中が美しく反り返った。
ユーシナは喜色満面だった。自分の体験によれば、この姿勢からの挿入が、もっとも気持ちいいのだ。そしてユーシナは、この姿勢で犯されている姿が、驚くほどエロティックであることを発見して興奮を覚えた。内腿を愛液が流れ落ちていく。メイドが犯される姿を見て、自分も感じているのだ。
じゅぶっ、じゅっぷ、ぐじゅぶっ、ユーシナが張形を動かすたびに、ミーアニーナの性器が淫らな音を立てた。二本の脚の間にぽたぽたと愛液が零れ落ち、ユーシナの頬にも飛び散った液体が降りかかった。
「あっ…ああっ…はあっ…あっ…あっ…あああっ!」
ミーアニーナの声が大きくなり、絶頂が近づいていることが分かった。ユーシナは張形の角度を微妙に変化させ、もっとも感じやすい場所を何度も強く突いてやった。
「ああっ! あっ! あぁあああああっ!!!」
メイドの美しい肢体が、びくびくと痙攣した。それから彼女の体は、ぐったりとベッドに突っ伏した。
ハァハァというミーアニーナの荒い息遣いだけが、静かな部屋に残された。白金の髪が乱れ、汗ばんだ背中に張り付いている様がなまめかしかった。
「仰向けになって」
ユーシナの命令に、ミーアニーナはのろのろとした動作ながらも従順に従った。
ユーシナは彼女の足元に膝立ちになり、ぐったりと横たわったままの彼女を見下ろした。その股間にはまだ張形が刺さったままだった。性器の周辺は愛液でぐちょぐちょになっていた。
ユーシナの口元には満足げな笑みが浮かんでいた。ようやくこのメイドが自分の物であることを実感できたのだ。彼女の美しい髪から足のつま先まで、すべてがユーシナの物だった。
「あなたは私の奴隷よ」
「…はい…お嬢様」
「自分で言ってみて。自分は私の奴隷だって」
「…私は…お嬢様の、奴隷です」
「もう一回」
「私はお嬢様の奴隷です」
ユーシナは満面の笑みでうなずいた。
「よろしい。じゃあ、これはごほうびよ」
ユーシナの手が再び張形をつかみ、ゆっくりと動かし始めた。奥まで押し込むと、じゅぶっという音とともに、性器の隙間から愛液が溢れ出して来た。
「あっ…あぁ…はっ…ああっ…んっ…」
「もっと脚を開いて」
「はっ…はい…お嬢様…」
ユーシナは張形を動かす速さを変えたり、円運動を加えたり、さまざまな動きを試してメイドの反応を楽しんだ。ときには張形を引き抜き、クリトリスに擦り付けたりもした。
「お嬢様…もう…駄目…です…赦して…ください…」
喘ぎ声を上げながら、ミーアニーナが訴えた。ユーシナは彼女の言葉の意味を完全に取り違えた。触手のことをあまりにも知らなさ過ぎたのだ。
「何いってるのよ。これはごほうびだっていったじゃない。それに、こんなに腰を動かして。これって気持ちいいんでしょ? もっともっと気持ちよくしてあげるから。遠慮しなくていいのよ」
ユーシナはそういうと、彼女の弱いところを激しく突いてやった。
「ああっ! ひっ! ひぐっ! だめっ…だめですっ…そんなにされたら…私…あっ…あぁあああっ!」
「ふふ、気持ちよさそう。逝っていいのよ?」
「だめっ! だめぇ! お嬢様! もう…我慢…できない! あっ! ああっ! 出るっ! 出ちゃう! だめっ! だめぇええええっ!!!」
変化は急激だった。「え?」と思うまもなく、挿入していた張形が押し出され、自由になった女性器から、男根触手が勢いよく飛び出してきた。
「あ…」
とユーシナは間の抜けた声を出した。これまでミーアニーナを嬲ることに夢中になりすぎていて、彼女の男根のことをすっかり忘れていたのだ。
だが、彼女の変化はそれだけではとどまらなかった。女陰の裂け目が人間にはありえないほど拡大し、男根触手を取り囲むようにして何本もの触手が飛び出してきたのだ。
「きゃぁああっ」
ユーシナはようやく悲鳴を上げた。一瞬の間に形勢は逆転していた。今や押し倒されているのはユーシナの方だった。触手が太ももから腰にかけて絡みついて自由を奪い、起き上がったミーアニーナがユーシナを押し倒していた。
制止するまもなく広げられた股間に、ミーアニーナの男根触手が勢いよく突き入れられた。
「いやあっ! 抜いて! 抜いてっ! はやくっ!」
膣の中に異物が侵入してくるいやらしい感覚に、ユーシナは叫び声を上げた。だが、そんなことはそれに続いて起こったことに比べれば、やさしい愛の交歓に過ぎなかった。
ミーアニーナの手がユーシナの小さな乳房を鷲掴みにし、力任せに揉みしだき始めた。それはもう愛撫とは呼べなかった。剥き出しの暴力が小さな少女に襲い掛かったのだ。白い乳房がたちまち赤みを帯びていく。
「痛っ! 痛いっ! やめてっ!」
ユーシナは激痛に泣き叫んだ。
ミーアニーナはユーシナの言葉が耳に入らないかのように、少女の体を責め立てた。真っ赤になった乳房にむしゃぶりつき、舐め回す。歯を立てて乳房と乳首を容赦なく扱いていく。
乳房を舐められるのも、歯で扱かれるのも初めてだった。嫌悪感が背筋を走ったが、それを口に出すことはできなかった。硬くなった乳首を強く扱き上げられると、痛みのあまりユーシナは絶叫した。
「いぁあああああああっ!!!!」
男根が膣から引き抜かれ、代わりにユーシナの口の中へといきなり突き入れられた。もはや叫び声を上げることさえできなくなったユーシナの頭を、ミーアニーナの手が掴み、上半身ごと引き起こした。それから男根がユーシナの喉を激しく突き始めた。
喉を突かれる衝撃で、ユーシナの頭はがくがくと揺さぶられた。逃れようとしても、ミーアニーナの手がしっかりとユーシナの頭を掴んで離さない。絶え間のない衝撃で頭がどうにかなりそうだった。
「うぐっ…ぐっ…んぐっ…んんっ!」
口の中はたちまち触手の粘液で一杯になり、呼吸を続けるためにはそれを飲み込まざるをえなかった。だがそれも到底間に合わず、ユーシナの口元からは、粘液と唾液が入り混じった液体が溢れ、だらだらと垂れていった。
あまりの苦しさに、自分はもうこのまま死ぬのだと思ったとき、口の中の男根が痙攣し、精液をほとばしらせた。
ユーシナは必死に精液を飲み込んだ。そして男根が引き抜かれるや否や、げほげほと激しく咳き込み、同時に口から大量の白濁液を溢れさせた。
もう、どれほどの時間犯され続けているのか分からなかった。ユーシナは、抵抗する気力はもちろん、悲鳴を上げる力さえ失って、ただ犯されるがままになっていた。男根は、ユーシナの口の中へ、そして子宮の中へ、数え切れないほどの回数、精液をほとばしらせた。ユーシナの腹部は、注ぎ込まれた精液によって目に見えるほど膨れ上がっていた。
汚されたのは体内だけではなかった。ユーシナの全身は白濁液まみれになっていた。男根はユーシナの顔や乳房にも精液を注ぎかけ、のたくる触手でその白濁液を全身くまなく塗りたくっていったのだ。
ユーシナには、なぜ彼女がそんなことをするのか分からなかった。精液にまみれた触手が体を這い回るたびに、ユーシナは嫌悪感で嘔吐しそうになった。
だが、塗りたくられた精液と、注ぎ込まれた精液のおかげで、ユーシナの全身は燃えるように熱くなっていた。そして、それを沈めることができるのは、ただ犯されるしかないことを、ユーシナは本能的に悟っていた。
陵辱が進むにつれ、ユーシナの体は、意思とは無関係に快感に反応した。子宮を突かれる度に、あられもない喘ぎ声を上げてむせび泣き、より大きな快感を求めて、淫らに腰を振った。激痛を伴う過激な愛撫にさえ、快感を見出し始めていたのだ。
ユーシナは、そうやって自分の体が玩具のように弄ばれ、自らの意思とは無関係に快楽に支配されていくのが、たまらなく嫌だった。自分が何か別のものに作り変えられていく感覚は、恐怖以外の何物でもなかった。快感によがりながらも、ユーシナの体は、おぞましさに総毛立ち、絶えず震えていた。
男根がもう何度目かわからない射精を行い、ユーシナの子宮の中へ精液をほとばしらせた。じゅぶりと音を立てて男根が引き抜かれた。射精はまだ終わってはおらず、ユーシナの顔と胸元に白濁液が注ぎかけられ、飛び散った。
男根がまた精液を塗りたくり始めた。それは単に、肌の上を這い回るだけではなかった。粘液にまみれた男根が、ぐりぐりと乳首に押し付けられ、あるいは口の中までもまさぐり、這い回る。さらには髪の毛に絡み付いて、その一本一本までも精液で汚していくのだ。
顔に精液を塗りたくっていた男根が、口の中へと移動すると、ユーシナは白濁液が目にしみないように、かすかに瞼を開けた。
「うぐ…ぐ…んっ…うぅ…んぐ…」
自分のくぐもった、うめき声とも喘ぎ声ともつかない声が聞こえた。男根で口内を犯されているだけではなかった。ミーアニーナの両手が精液を塗りたくるように乳房を嬲っている。他の触手は股間にまとわりついて、クリトリスや割れ目を責め立て続けていた。
ユーシナは自分が自らの悲惨な状況に無関心になりつつあるのを感じた。陵辱されている自分を、どこか高みから眺めている別の自分がいた。
そしてユーシナは、ようやくにして、ミーアニーナの様子が異常であることに気づいたのだった。
ミーアニーナの息遣いは荒く、瞳には凶暴な光が宿っていた。普段の理知的な彼女と比べると、まるで別人のようだった。そこにいるのは一匹の野獣だった。あらゆるものを犯し尽くさずにはいられない、淫らで凶暴な野獣だった。今の彼女の中に、主人に対する忠誠や愛情を見出すことは不可能だった。ユーシナは、自分が狂気めいた欲望に突き動かされるだけの獣に犯されていることに、ようやく気づいたのだった。
今まで感じたことのない絶望が這い上がってきた。知性を持たない相手に何を期待することができるだろう。相手が欲望を果たすまで耐えていればいいという唯一の希望さえ、もはや消えうせた。野獣の欲望には果てがないように思われたのだ。もはや一片の慈悲さえも期待することはできなかった。自分はこのまま死ぬまで犯され続けるしかないのだ。それどころか、死んだ後でさえも、この野獣は自分を犯すことをやめないだろう。
再び男根が股間に突き入れられた。じゅぷっ、じゅぷっ、膣の中に詰まった精液が男根に押し込まれ掻き混ぜられる。ユーシナの体はそのたびにびくびくと震えた。
ミーアニーナがユーシナの乳房にむしゃぶりつき、歯で乳房を扱き始めると、ユーシナは体を仰け反らせ、
「ひいっ」
とかすれた声を出した。
絶望の暗闇が視界を覆い、ユーシナは意識を失った。