お嬢様、これは触手です(6)








メイドになったお嬢様(1)お嬢様とお友達



ユーシナは、廊下に置かれた大きな壷を磨き終えると、額の汗を拭いながら、「ふぅ」と息を吐いた。

今のユーシナはメイドだった。少なくとも、この領主の館にいる間はそうだった。この町では年頃の娘は一年間、領主の館でメイドとして働くのがしきたりなのだ。たとえ町一番の富豪の娘でも例外ではなかった。

「さて」

と、ユーシナは両手を腰に当てて、壷を見つめた。壷は腰ほどの高さの台に乗っていて、壷を動かさなければ台を拭くことはできない。壷は重そうだった。そして、ユーシナは腕力には自信がなかった。

「仕方がない。やってみる」

ユーシナは一人つぶやくと、腕まくりをして壷を抱えるようにして掴んだ。持ち上げようとした。かすかに壷が動いたような気がした。それだけだった。

「…どうしてくれようかしら」

いまいましげにつぶやいたとき、声をかけるものがあった。

「ユーシナさん!」

振り返ると、ユーシナと同じく今日やってきたばかりの…つまり同期のメイドである…リリリアーナが駆け寄ってくるところだった。

窓から差し込む光に、銀色の髪が一瞬きらめいた。頭の両側でまとめられた房が揺れていた。その美しさに、ユーシナは一瞬見とれた。

「リリさん…」

「手伝うよ。この壷をどかせばいいんでしょう?」

「あ、うん」

ユーシナが見ている間に、リリリアーナは壷を抱えると、「どっこいしょ」と声を出しながら壷を床へ下ろした。

顔を赤らめながら、ユーシナは礼をいった。

「ありがとう、リリさん」

「たいしたことじゃないよ。ユーシナさん、お嬢様だし、重いものとか持ったことないでしょ? いってくれれば、いくらでも手伝うから」

リリリアーナの言葉に、ユーシナは拗ねたように口を尖らせた。

「もう、お嬢様扱いはしないでって言ったのに。ここではみんな同じメイドなんだから」



メイド部屋は屋敷にある自分の部屋に比べれば、哀れなほどに狭かった。その上、二人部屋だというのだ。

だが、そんなことは気にならなかった。部屋を共有している相手がリリリアーナだったからだ。

風呂上りに互いの髪を拭き終わったところで、リリリアーナが唐突にいった。

「タリスさんが言ってたんだけど、同じ部屋のメイドは、エッチするのが普通なんだって」

「な、なによそれ」

ユーシナは顔を赤らめて、相手を見た。リリリアーナの方も顔を赤くして、ばつが悪そうにユーシナを見返した。

「あ、ごめんなさい。別にユーシナさんがいやなら、私は別に…そうしなきゃいけないっていう訳でもないし…」

ユーシナは頭に血が上るのを感じた。タリスニアはメイド長だったが、その無神経な発言に腹が立ったし、リリリアーナに、自分が彼女を拒絶したと受け取られるのも嫌だった。

「別に嫌だなんていってないでしょう!」

ユーシナは勢いに任せて口に出し、それから心の中で

(あちゃー)

と自分自身の軽率さを悔いた。

「いいの?」

「も、もちろんよ!」

ユーシナの言葉にリリリアーナはパッと顔をほころばせた。

「よかった、ユーシナさんとエッチできるなんてうれしい」

「あんまり喜ばないでよ。恥ずかしいじゃない」

「ご、ごめん」

灯りを消して暗闇になった部屋の中で、二人はパジャマと下着を脱ぎ捨てた。

「そっちにいってもいい?」

リリリアーナの影がこっちにやってきたので、ユーシナは上ずった声で答えた。

「う、うん…あのっ、私、あんまり経験ないから…その…」

「分かった。私に任せて…っていっても、私もお姉ちゃんとしかしたことないんだけど」

「お姉様としてるの?」

「うん」

「ふ、ふうん」

「触ってもいい?」

「うん。その…よろしくお願いします」

「こちらこそ」

ユーシナの神妙そうな言葉に、闇の中でリリリアーナがくすりと笑った。

それからリリリアーナの気配が背後に回り、温かく柔らかな感触が背中に密着した。

ユーシナの心臓がどきどきと鼓動を打ち始めた。首筋にリリリアーナの息がかかっている。そっと彼女の手がユーシナの乳房に触れた。緊張で頭がどうにかなりそうだった。全身がどくどくと脈打っている。

(ええい、静まれ、私の心臓!)

ユーシナは思ったが、体の方は言うことを聞いてくれなかった。

リリリアーナの手のひらが、やさしく乳房の表面を撫で回す。それからゆっくりと揉んでいく。

「んっ!」

ユーシナは小さく声を上げた。

「気持ちいい、ユーシナさん?」

耳元でリリリアーナのやさしい声がささやくように言った。

「う、うん」

恥ずかしさで全身が火照っていた。もう乳首が立っている。オナニーするときより、ずっと感じているのだ。先端がジンジンする。隠そうと思っても、すでにリリリアーナは気づいているだろう。

ユーシナの思いを感じたのか、リリリアーナがうれしそうにいった。

「ユーシナさん、乳首もう立ってるんだ」

ユーシナは恥ずかしさに死にたくなった。無意識のうちに、いやいやと首を振る。

リリリアーナの指先が、そっと乳首を摘んで、擦ったり軽く揉んだりし始めた。ユーシナの体はその快感にびくんと震えた。

「あっ…あっ…んんっ…あぁ…」

我慢しようとしても、よがり声が出てしまう。

「ユーシナさん、可愛い」

リリリアーナの嬉しそうな声が、、ユーシナの羞恥をいっそう掻き立てた。

「あ…あぁ…んくっ…んっ…ぁあっ」

「そろそろいいよね…」

リリリアーナの手が胸から腹部をなぞり、股間へと下りていった。ユーシナは反射的に左右の太腿をぴったりと閉じ、リリリアーナの手を拒んだ。

「ユーシナさん、足開いて」

リリリアーナがやさしくいい、両手を太腿の間に差し込んで左右に広げた。非力なユーシナの抵抗など、何の意味もなかった。あっさりと股を開かされ、ユーシナの抵抗の意思は急速にしぼんでいった。代わりに、リリリアーナに自分の体を弄ばれることへの不安と期待が、胸の奥に湧き上がってきた。

ぐったりと身を預けたユーシナの股間を、リリリアーナの手がまさぐった。股間全体を撫で回し、それから探り当てた割れ目に指を這わせる。ぬるぬるした感触はもちろんユーシナの愛液のせいだった。

ちゅぷりと音を立てて、リリリアーナの指先が割れ目の中へ入ってきた。

「くっ…うぅ…」

ユーシナはぎゅっと目を閉じて、初めて他人の指先に犯される恐怖と快感を堪えた。

「ユーシナさんの中…すごく熱い…」

耳元でリリリアーナがうっとりとつぶやいた。

「痛かったらいってね」

そういいながら、リリリアーナはユーシナの中をまさぐり始めた。

あそこの中で指先がぐるぐると回る。肉襞が擦れ、膣がグネグネと蠢く。くちゅくちゅといういやらしい音が、途切れることなく続く。

(リリさんの指が…私の中に入ってる…私…リリさんに犯されてる…)

頭に血が上り、一瞬気が遠くなった。恥ずかしさと嬉しさが込み上げてきてたまらなかった。入り口のあたりを弄られているだけなのに、オナニーしているときよりも、そして男根を挿入されているときよりも、感じてしまっていた。

ミーアニーナはどうしているだろうという思いが、頭をかすめた。また土曜日に迎えに参ります…そう一礼して彼女は屋敷へと帰っていった。それが今朝のことだった。それから色々なことがあって、今まで彼女のことをすっかり忘れていたのだ。

ユーシナは不安を覚えた。彼女は大丈夫なのだろうか。あの多すぎる性欲を受け止められるのは自分しかいないのに…

「ああっ!」

ユーシナは突然電流が背筋に走るのを感じて、現実に引き戻された。クリトリスにリリリアーナの指先が触れたのだ。体が弾けるように震え、快感に腰が捩れた。

「ごめん、痛かった?」

慌てたようなリリリアーナの声に、ユーシナは首を振った。

「…ううん、大丈夫よ。お願い、リリさん…」

「そう、よかった。じゃあ、続けるね」

ほっとした様子で、リリリアーナは再び股間に手を伸ばした。

「あっ…んっ…うぅ…くっ…ううっ…はっ…はあっ…あっ…ああっ…」

リリリアーナの指先が、やさしくクリトリスを撫で回す。快感で頭が朦朧としてきた。腰が熱く痺れ、脚の感覚がなくなっていく。

「ああっ…はあっ…ああっ…んっ…あああっ!」

絶頂が近いのが分かった。自分の意思とは無関係に、びくびくと体が震える。

(だめ…逝きそう…リリさんが見てるのに…)

(見られたい…リリさんに…私のすべてを見てほしい…)

羞恥と共に湧き上がってきた甘美な衝動に、ユーシナは戸惑った。それは初めて感じる感覚だった。そしてそんな感覚を覚えてしまった自分が、ひどく淫らな少女になってしまったような気がして、ユーシナは嫌悪感を覚えた。だが、興奮が次第に高まっていくにつれ、理性と羞恥は脇に追いやられ、淫らな衝動がすべてを圧倒した。

「だめっ! 逝きそう! リリさん! リリさんっ! 私、逝きそう! 逝きそうなのっ!」

クリトリスをまさぐる指の動きが激しくなった。肉芽を押しつぶすようにして擦りつける。つまんでぐりぐりと押し潰す。全身を麻痺させるような電流が、立て続けに背筋を走り抜け、ユーシナの小さな体はリリリアーナの腕の中で痙攣を繰り返した。

「ひっ、ひぐっ、はっ、はあっ、あああっ! あっ! あぁああっ! リリさん! りりさんっ! あっ! あひっ! ああっ! あぁああああっ!!!!」



朝が近づいたころ、ユーシナはちょっとした悪夢を見た。

夢の中でユーシナはリリリアーナと愛し合っていた。幸福だった。ユーシナは相手のやわらかな体をまさぐり、リリリアーナの指はユーシナの性器の中を掻き回していた。

いつの間にかリリリアーナの指が別のものに変化していた。指では不可能なほど奥まで入ってくる。それは男根触手だった。もはやユーシナは単なる愛撫を受けているのではなく、激しく犯されていた。突き上げる男根がユーシナの体をがくがくと揺らせていた。

ユーシナは喘ぎ声を上げながら顔を上げた。そこにあったのはリリリアーナの愛嬌のある顔ではなく、ミーアニーナの白く美しい顔だった。

ユーシナは犯されながらぼんやりとメイドの顔を不思議そうに見つめていた。ミーアニーナの顔には、これまでユーシナが見たことのないような、やさしい笑みが浮かんでいた…

「…ユーシナさん、朝だよ!」

自分を揺り起こそうとする声を聞いて、ユーシナは急速に夢の世界から引き離された。それと共に、夢の記憶が急速に薄れ、闇の中へと消えていく。

ユーシナはのろのろと上半身を起こした。

「ごきげんよう、ミーアさ…」

挨拶をしかけて、ユーシナははっとした。いつもと違う光景。ここは屋敷の自分の部屋ではなく、領主の館の中のメイド部屋なのだ。起こしてくれたのも、もちろんミーアニーナではなくリリリアーナだった。

「ごきげんよう、リリさん」

「おはよう、ユーシナさん。なんか、うなされてたから、起こしちゃった」

「え、そう?」

ユーシナは意外そうにいった。すでに夢の内容はほとんど覚えていなかった。

それから二人とも、衣服を見に着けて身だしなみを整えた。ユーシナが自分で三つ編みにすることができないとわかると、リリリアーナが喜んでその役を買って出てくれた。

髪を編んでもらいながら、ユーシナはなんとなく自分の指先を見つめた。すると、昨夜のことが、鮮やかに脳裏によみがえってきた。

ユーシナが逝った後、今度はユーシナがリリリアーナを愛撫したのだ。リリリアーナは仰向けに横になり、ユーシナは彼女の股の間に座って、股間を責め立てた。指先を包んで蠢いていた、彼女の性器の熱い感触は、生々しい記憶となって残っていた。

「…ユーシナさん…もっと…もっとぉ…私のあそこ…ぐちょぐちょにして…あっ…あああっ…逝く…逝っちゃう…逝っちゃうよぉ…ああっ…あぁああああっっ」

そのときのリリリアーナのあまりの可愛さを思い出して、ユーシナは精神的に悶絶しそうになった。頬が緩み、危うく涎が垂れそうになる。

「どうしたの、ユーシナさん?」

ユーシナの様子がおかしいのに気づいたのか、リリリアーナが不思議そうにたずねた。

ユーシナは彼女を振り返ると、微笑を浮かべていった。

「私たち、エッチなことしちゃったわよね」

「う、うん」

改めて言われて恥ずかしいのか、リリリアーナは顔を赤らめた。

「だから、もしよければ、リリさんにお友達になってほしいの…ううん、リリさんがどういおうと、私、リリさんのこと、お友達だと思うことにする」

「ユーシナさん…」

リリリアーナはユーシナの一方的な宣言に面食らった様子だったが、すぐに笑みを浮かべて答えた。

「ありがとう、ユーシナさん。こちらこそよろしく」


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