騎士と姫君(前編)
栄光ある近衛騎士エルトワ・ミリスは、彼女の姿を認めると、馬を走らせて近づき、大声で呼び止めた。彼女は振り向いた。美しい容姿は、確かにミリスの主君であるシーア姫によく似ていた。それは、ミリスが探し求めていたシーア姫の妹、シール姫に間違いなかった。ミリスは馬を下りるなりいった。
「お探ししました、シール姫。なにとぞ王都へお戻り下さい。シーア姫様が心配しておられます」
シール姫はやや戸惑いの表情を浮かべて、片膝をついた騎士を見返した。
「あなたのお顔は、見覚えがあります」
「光栄です、姫。エルトワ家のミリスと申します」
「やはりそうでしたか。確か、お姉様が可愛がっていらした方たちの中にいましたね」
ミリスはかすかに頬を赤くして答えた。
「はい、姫様」
「残念ですけれど、王都に帰るわけにはまいりません」
シール姫のすまなさそうな声に、ミリスはあわてた。
「えっ、何と申されましたか?」
「私はもっと旅を続けたいのです。お姉様が私を心配して下さるお気持ちは嬉しいのですけれど…。ここで旅を終えるわけにはいかないのです」
そのとき、彼女のかたわらにいた幼い少女が、彼女の服にしがみつくようにしていった。
「お願いします騎士様。ご主人様の願いを聞いて上げてください」
ミリスは少女の健気な訴えに心を動かされかけたが、ぶるぶると首を振って立ち上がった。
「それはできません。シーア姫様は、姫が嫌がるのならば、首に縄をつけてでも引っ張ってこいと…いえ、もちろんこれは比喩で、私はそんな畏れ多いことをするつもりはありませんけれど…」
シール姫は小さくため息をついた。
「それはたぶん、比喩ではありません。お姉様は本気でそうおっしゃったのです。分かりました、お姉様の元へ帰ります」
「ご主人様…」
アイリが悲しそうに声を上げた。
ミリスはほっとした笑みを浮かべかけたが、シール姫が、
「…ただし、条件があります」
と言葉を継いだので、思わず直立不動の姿勢を取ってしまった。
「な、何でありますか?」
「それは、その…」
突然恥ずかしそうにうつむいたシール姫を見て、ミリスは怪訝そうな表情を浮かべた。アイリがそんな主人の表情を見上げ、それからミリスを振り向いて、あたりをはばかるような…といっても街道の前後には人影もなかった…声でいった。
「…ご主人様、騎士様とエッチしたいみたい」
「そ、それは…」
ミリスの顔がカーッと赤くなった。
「えーと、ほら、ご主人様、アレだから人間よりずっとエッチでしょ。だから…」
アイリが弁解するようにいったが、それは逆効果にしかならなかった。シール姫本人の顔も、赤くなってしまっていた。
「た、確かに姫様はアレですけど…」
ミリスは会話をスムーズに進めようと何とか相づちをうち、それから決心したように甲冑の胸を叩いた。
「…分かりました。私も王室に忠誠を捧げた近衛騎士です。姫様が私ごときをお望みになるというのなら、光栄の至りです」
アイリを先頭にして、一行は道をそれて森の奥へと入っていった。やがて、アイリが手を振って、二人の少女を呼んだ。
「あったよ、ご主人様、騎士様」
「ど、洞窟…」
戸惑いの色を浮かべたミリスに、シール姫ははにかんだ様子でいった。
「昨晩、ここで過ごしたんです」
「こ、このようなところで? そんな、お体に障ったらどうするのですか。王女ともあろうお方が。路銀の持ち合わせがなかったのですか」
アイリが口をはさんだ。
「駄目だよ、ご主人様アレだから、宿屋に泊まると他のお客さんに迷惑がかかるでしょ。だからできるだけ野宿するようにしてるの。この前だって、あんまり激しいから、宿の女将さんに追い出されちゃったし」
「そ、そうですね。姫様、アレですから、仕方ないですね」
ミリスは馬を繋ぐと、二人の後について洞窟の奥へと入っていった。振り返ると、入り口の光が小さく見えている。アイリが荷物を探って、ランプを灯すと、不気味な洞窟の壁が薄暗くゆらめいて見えた。
「こ、こんな所でするんですか?」
ミリスがひるんだ様子でいうと、アイリがうなずいた。
「ご主人様アレだから…雰囲気出てるでしょ」
アイリはランプを壁のちょうど台になっている場所に置き、引っぱり出した毛布を、かいがいしく冷たい洞窟の地面に広げた。
「あ、あのう、私はどうすれば…」
ミリスは情けなさそうな表情で、何歳も年下のアイリにたずねた。実のところ、こんな経験は初めてなのだ。
「ご主人様、騎士様、裸になってもらう? それともロープで縛ろうか? それとも鎖? 首輪? 張形で責めてみる?」
ミリスはアイリの言葉に、しだいにとんでもない約束をしてしまったのではないかと後悔し始めた。だが、シール姫の方を見ると、アイリの言葉とは裏腹に、控えめな深窓の姫君らしい恥じらいを浮かべて、そっと睫を伏せたので、ミリスは、
(こんなおとなしそうな方が、そんなに酷いことをするはずがない)
とやや安心した。
「あ、あの…私、ミリスさんに…」
シール姫のおずおずといった様子に、アイリは荷物をかき回す手を止めた。アイリは立ち上がると、ミリスの耳に顔を近付けて、ささやくようにいった。
「ご主人様、騎士様にいじめて欲しいんだって」
「いじめて…って、そんな」
「裸にして、押し倒して、ぐちょぐちょにしてあげればいいだけだよ。何だったら、色々道具とかもあるし。ちゃんと満足させるまで、ご主人様、都に帰ってくれないよ」
「王女様にそんなこと…」
「ほら、早くキスしてあげて」
ミリスはアイリに背中を押されるようにして、恥ずかしげにうつむいているシール姫に近づいた。ミリスはうわずった声でいった。
「ひ、姫様、お許し下さい」
ミリスは従順なシール姫の頬をそっと両手で包むと、ぎゅっと目をつぶって口付けした。唇を離すと、シール姫が甘ったるい吐息を漏らしたので、ミリスはドキリとした。
「あぁ…ミリスさん…私を抱きしめて下さい」
ミリスはぎこちなく、彼女の背中に手を回した。もう一度キスすると、横からアイリが注文を付けた。
「騎士様、もっとぎゅっと抱きしめなきゃ。折れちゃうくらいでご主人様にはちょうどいいよ」
「こ、こうですか」
ミリスがそうすると、シール姫の口から苦しそうな喘ぎが漏れた。
「も、申し訳ありません、姫様」
「いいのです、ミリスさん」
「よ、鎧、脱ぎましょうか。痛いですよね」
シール姫は小さく首を振った。
「いいえ、どうかそのままで。鎧を着たあなたにして欲しいんです」
ミリスは不慣れな手つきでシール姫の服を脱がせていった。ランプのオレンジ色の光の中に、シール姫の美しくふくらんだ胸があらわになる。ミリスの手はさすがに震えた。
「…わ、私は、生まれてからこれまで王室に忠誠を誓ってきたのに…その私が、王女様に、こ、こ、このような淫らな行いを…」
シール姫は上目遣いでミリスを見つめ、潤んだ瞳で訴えた。
「ミリスさん…ごめんなさい。私のわがままのために、あなたを苦しめてしまうのですね」
「姫様…」
「あなたが苦しむ必要はありません。すべては私の罪です。あなたを一目見た瞬間に、あなたに邪な思いを抱いてしまった私が悪いんです。だから…だから、どうか私を罰して下さい。あなたのその手で、私をめちゃくちゃにして下さい。それがあなたの忠誠の証となるでしょう」
「ひ、姫様…そんな…私のことを…」
ミリスは感涙を浮かべ、シール姫の胸に手をかけた。手のひらに吸い付くようなきめ細かな肌、そして信じられないほどの柔らかさが、ミリスを感動させた。ミリスはおずおずと両手を動かし始めた。美しい乳房が手の中で形を変えていくさまが官能的だった。しだいに息が荒くなる。シール姫の方も、時折小さな喘ぎを漏らしながら快感に耐えているようだった。
「んっ…あっ…」
ミリスはシール姫の喘ぎ声に興奮し、彼女を抱え上げて、そっと地面に布かれた毛布の上に横たえた。その上に覆い被さり、何かの本で見たとおりに乳首を口に含む。
「あっ…ミリスさん…いいです…もっと強く吸って下さい…んんっ」
ミリスは顔を真っ赤にして、シール姫のいうとおりに、乳首を吸った。シール姫の喘ぎが大きくなる。ミリスはさらに固くなった乳首を舌の先で舐め、それから、歯で軽く噛んでみたりした。自慰するときと同様に、空いている乳房を揉みしだき、乳首を指で転がす。
「んあっ…いぃ…気持ちいいです…ああっ…」
ミリスは体の位置を変え、今度はシール姫の下半身の衣類を脱がし始めた。本来なら、それを偶然見てしまっただけで死罪に問われかねない、王女の高貴な秘部があらわになった。ミリスはごくりとつばを飲み込み、
「姫様、お許し下さい」
と泣きそうな顔をしながら、指を這わせた。
「ああっ…んくっ…ううっ…んんっ…」
ミリスの指が、感じやすい部分を刺激していくにつれ、シール姫は身をよじらせ始めた。反射的に脚を閉じようとするが、ミリスの指は早くも愛液に濡れ、太股の隙間へするりともぐり込んでしまう。ミリスはいつも自分でそうするように、割れ目からあふれた愛液をすくい取ると、ピンク色の美しい陰核に、べたりとなすりつけた。
「…あぁああっ…うくぅ…ミリスさん…あぁ…きもち…いぃ…んあっ…」
シール姫の美しいほっそりとした肢体が、官能的に腰をよがらせている姿を見ると、ミリスの瞳にはいっぱいの涙があふれた。清楚で美しい深窓の姫君である彼女を、こんな淫らな姿に貶めたのは自分だという思いが沸き上がってきたのだ。
ミリスは泣きながらも愛撫をやめようとはしなかった。親指で陰核を嬲りつつ、人差し指を秘部に差し入れる。
「んっっ…ああぁっ…」
シール姫がびくりと身をのけぞらせた。
アイリが近寄ってきてささやいた。
「騎士様、ご主人様、もうすぐです。今度はあそこを舐めてあげて下さい。私は、胸を手伝います」
「な、舐め…」
ミリスはそんな愛撫の仕方があるのかと驚いたが、覚悟を決めて、シール姫の股間に顔を近付けた。邪魔な太股に手をかけて、強引に広げる。何かの生物のように蠢いている秘部の陰翳が見えた。頭がくらっとするような甘い匂いが漂っている。ミリスは乳首でも舐めるようにして、陰核に舌を這わせた。
「ひっ…あぁっ…あっ…んっ…くぅ…」
さらに、恐る恐るといった様子で、秘部からあふれてくる愛液を舐めてみる。
「…いっ…いやぁ…ミリスさん…すき…すきです…ああぁ…もっと…ハァハァ…」
気がつくと、アイリが覆い被さって、シール姫の胸を揉みしだき、あるいは口に含んでいるのが見えた。ミリスの脳裏に、いったい自分は何をやっているのだろうという疑問が浮かんだ。こんな人里離れた洞窟に、この上もなく高貴な第二王女殿下を引っ張り込んで、二人がかりで陵辱しているだけではないか。
ミリスはその背徳的な思いに、かえって感じてしまった。よりいっそう舌を動かし、シール姫の秘部に指を突き入れてかき回す。
「…ハァハァ…あぁああっ…だめぇ…んっっ…だめっ…私…私…もうだめです…んくっ…んっ…あっ…ああっ…」
シール姫の恥じらいを忘れたかのような官能の喘ぎが、大きく洞窟の中に反響すると、ミリスはその甘い秘部に、さらに奥深く舌を突き入れ、くちゅくちゅといやらしい音を立てながら、内部のひだを舐め回した。快感のあまり暴れ出そうとするシール姫のほっそりした脚を、力ずくで抑え込む。
「…ああっ…んっ…だめっ…そんなにしたら…あっ…んあああっ…そんな…あぁっ…」
シール姫は、二人の少女によって自由を奪われ、股間と胸を犯されながら、細い腰を激しくくねらせた。固く閉じた瞳から涙がにじみ、長い髪が彼女がよがるたびに乱れていく。色白な面は快楽に上気して真っ赤に染まり、開きっぱなしの口元からは、延々と官能の喘ぎが漏れ続けた。
「…ううっ…んあっ…だめ…あぁ…だめ…もうだめです…あぁあああっ…んんっ…くぅ…ひっ…あぁあああああっっっ」
シール姫の白い肢体は、突然ビクビクと痙攣したように仰け反ったかと思うと、次の瞬間、がっくりと地に横たわっていた。