小さな花弁(5)
王妃一行は王宮の中心にある至聖殿の、迷路のような回廊を進んでいった。王妃の後ろには、いまだ幼い第一王女シーア姫と、侍女のフィルリーナが付き従っている。やがて王妃は至聖殿の深奥に隠された階段を下り始めた。美しい大理石の階段はどこまでも深く続いていた。両側には瀟洒な燭台が規則的な間隔を置いて飾られ、明るく美しい空間を作り出している。
降りていくにつれ、階下からは女性の声らしきものが聞こえてきた。それから何かが這いずる物音。
声は、喘ぎ声であった。むせび泣くように低く、そして突然獣じみた淫らな叫び声に高まる。何か淫靡な行為が行われていることは明らかだった。
「王妃様…」
侍女のフィルリーナが気遣わしげに声をかけたが、王妃は微笑みを浮かべてたしなめた。
「大丈夫ですよ。少し待つだけのことです」
やがて地の底までたどり着いた彼女たちは、階段の脇にある控え室へと入っていった。
女の声は、さらに奥のほうから聞こえてきているが、それを気にする者はもういない。
控え室の中で、二人の女官が慌てて立ちあがった。王妃に向かってお辞儀をする。
「王妃様、申し訳ありません。今、シェリス様が…」
「かまいません。わたくしはここでしばらく待たせてもらいますから」
王妃はにっこりと笑っていったが、女官の一人はそれで余計に義務感を掻き立てられたらしく、
「すぐに知らせに参ります」
というなり、控え室を出て、奥の方へと駆けて行った。
王妃はテーブルの椅子に優雅に腰を下ろすと、隣に娘を座らせ、侍女に言った。
「フィルリーナ、少しかかりそうだから、お茶を入れてくれるかしら」
「はい、王妃様」
やがて、奥のほうからかすかに先ほどの女官のものと思われる声が聞こえてきた。だが、それは途中で途切れ、絹を引き裂くような悲鳴に変わった。何か布をびりびりと破るような音。そして、女の喘ぎ声が二人分に増えた。
残された女官が、顔を真っ赤にして言いかけた。
「私が…」
王妃はフィルリーナが居れてくれたお茶の香りを楽しんでいたが、今にも駆け出しそうな女官を見て口を出した。
「興奮しているときの陛下は、見境がありませんからね。あなたはここに居なさい。わたくしが来ていることには気付いているはずですから、すぐに終わるでしょう」
しばらくして女たちの喘ぎ声が静まると、女官が浴布を持って走っていった。「行きましょう」
王妃が言い、先頭に立って控え室を出た。反対側から三人の女たちがやってくる。先頭は美しいシェリス夫人。タオルで体を覆っている以外は何も身につけておらず、何かの粘液で、全身が濡れそぼっており、長い髪からはぽたぽたと雫が落ちている。雨に打たれた花のような風情で、その瞳はまだ放心状態だ。
二人目は最初に駆け出していった女官。うつろな瞳で天井を見上げながら足を引きずるように歩いていく。苦しそうな呼吸。引き裂かれたメイド服で申し訳程度に胸のあたりを隠しているだけで、靴下を除けばすべての衣服を剥ぎ取られている。その全身はやはり何かの分泌液で濡れそぼっている。
最後は先ほどの女官で、王妃にぺこりとお辞儀をすると、他の二人を連れて控え室へと戻っていった。
控え室から先の通路には、明かりがなかった。暗い地下通路を進んでいくと、一行はやがて広い地下空洞に出た。ごつごつした岩の壁面が周囲を覆っている、ドーム型の空間だ。地下空洞の中央を貫いて大理石の通路がまっすぐ伸びている。そして、驚くべきことに、その両側は、水に覆われていた。この通路そのものが、地下の湖に渡された、一本の橋なのだ。そして、岩のほとんど全面を覆っている光りゴケが、暗黒の地下空洞に、幻想的な青緑色の光を与えていた。光は水面に反射してきらきらと輝き、この世のものとも思われない、美しい光景を作り出していた。
そして、大理石の通路の向こう側の端に祭壇が設けられ、その上に、偉大なるシャンタン王朝の、人類を支配する全能の国王が鎮座していた。
それは、ある意味、グロテスクで異様な物体だった。ぶよぶよとした透明の巨体から、無数の触手が伸びて、ざわざわとうねっている。その半分ばかりは、祭壇両側の水面に垂らされ、植物の根のように水分を吸い上げている。透明な体の内部では、いくつもの燐光が美しく瞬いていた。
だが、やってきた三人の女たちは、むしろ親愛と崇拝の色を浮かべた。彼女たちにとって、この生物は、芸術的ではないが、とてもエロティックで、この上もなく美しい生き物だったのだ。
「お父様」
シーア姫がいつものように駆け寄ると、一本の太い触腕が伸びて彼女の腰に巻きつき、やさしく抱え上げた。シーア姫は嬉しそうな笑みを浮かべ、ドレスが粘液で濡れるのにもかまわず、手近な触手をまとめて抱きしめた。
父娘の睦まじい光景を見ていた王妃は、手を叩いて娘をたしなめた。
「シーア、今日は遊びに来たのではないのですよ」
シーア姫が戻ってくると、王妃は彼女の肩に手をかけて、触手に言った。
「あなた、シーアはもう女になったの。今日からは、わたくしと同様、女として扱ってあげてください」
王は全身の触手を揺らめかせ、燐光を点滅させて肯定の意思を表した。それを見届けると、王妃は侍女に命じて娘の衣服をすべて脱がせた。彼女は娘に語り掛けた。
「いいこと、シーア。これまで何度も、わたくしとお父様のセックスを見せてあげたでしょう」
「はい、お母様」
「初めてだからといって緊張することはないわ。わたくしのまねをするだけでいいの。お父様のモノをどうやって受け入れればいいかは分かっていますね? 何度も練習したのですから」
「はい、お母様」
「お父様が下さるものは何でも受け入れるのですよ。立派な卵が産めるように。もしそうなったら、あなたが次の王妃になれますからね。がんばって。ほら、行きなさい。お父様が待っています」
シーア姫はこくりとうなずくと、触手をざわめかせている巨大な生物に、何の躊躇もなく近づいた。たちまち彼女の幼い裸体は、無数の触手によってからめとられた。
「ぁ…お父様…」
彼女の全身は激しい快感に包まれた。全身の皮膚の上を、触手の群れが粘液をしたたらせながら這いずっている。最も太い触手は、右足に巻き付いて股間をこするようにして通り抜け、華奢な腰を二重にしっかりと固定した後、胸の上を這いずって首に巻き付いている。人間の首に巻きつくのは、触手の親愛の情の現れだった。
シーア姫はすぐに粘液まみれになった。美しい金色の髪さえ濡れそぼり、粘性の高い透明な分泌液が、行く筋も頬を流れていく。触手の一本が、まるで娘をあやす父親の手のように、彼女の頭をやさしく撫でているのだ。滴り落ちる粘液のため、大理石の床に、水溜りができ始めた。
はたから見ていると、少女の小さな体は、まるで触手の中に取り込まれているように見えた。蠢く触手の群れの中で、ときおり金の髪がちらりと見え、あどけない喘ぎ声がひっきりなしに漏れてくる。
少し距離を置いて見ていた侍女のフィルリーナが、王妃に向かっておずおずといった。
「あ、あの、王妃様。よく考えると、これって近親相姦ですよね」
王妃は微笑んだ。
「そうですよ。でも、この方がいいのです。血筋が近いほど、受精できる可能性が高くなるのですから。わたくしにとっても、あの方は夫であると同時にお父様でもあるのです。あなただって、先祖をたどれば陛下に行きつくのですから」
「えっ、それじゃ、私、これまでご先祖様と…」
「フィルリーナ、もう少し下がりましょう。陛下がとても興奮しています。今日は、シーアの初夜が目的なのですから。わたくしたちが楽しむのはまた今度でいいでしょう?」
「あ…はい、王妃様」
彼女たちが話している間に、シーア姫の周囲には、王の生殖茎が集まり始めていた。それが生殖のための器官であることは明らかだった。女性器が人間のものとは似つかない花のような美しい器官であるのに対し、男性器は人間のものと酷似したグロテスクさと猛々しさを持っていたからだ。
シーア姫はその最初の一本を両手でつかむと、健気に舐め始めた。玩具を使って何度も練習したように、丹念に舌を這わせ、その先端を口に含んで慰める。
やがて生殖茎はびくびくと震え始めた。透き通った触手の内部を、恐ろしい勢いで白いものが突進してくるのが見える。次の瞬間、シーア姫のあどけない顔は、男根の先端から発射された白濁した液体で汚されていた。生殖茎が脈動するたびに、精液がどくどくと噴出する。触手の絶頂はなかなか終わらなかった。
父親の精液が勢いよく顔に向けて放出されている間、シーア姫はぎゅっと瞳を閉じて耐えていた。精液はやわらかな頬を打ち、美しい髪を汚し、さらには少女の口の中にさえ飛び込んでいった。驚くほどのおびただしい白濁した液体は、彼女の頬をゆっくりと流れ落ち、唇からどろりとあふれ、全身をつたって、最終的には彼女に絡み付いている触手か、あるいは床へと落ちていった。
ようやくそれが終わると、シーア姫は瞳をうっすらと開いて、無条件の愛情と信頼に裏打ちされた白痴的な笑みを浮かべた。
「お父様、こんなにいっぱい…」
シーア姫は二本目の生殖茎を手に取ると、自分の胸に擦りつけ始めた。彼女の幼い胸は、母親のように、やわらかく男根を包み込むことはできなかったが、それでも彼女が一生懸命しごき続けると、再びおびただしい精液を吐き出して、彼女の胸を白いものでどろどろにした。
彼女が三本目を自分の股間に導こうとすると、触手が再び主導権を握った。
シーア姫の体は、全身にからみついた触手によって、高く持ち上げられた。眼下に、放射状に無数の触手を生やした父親の全貌が見えた。彼女はわけもなく嬉しくなるのを感じた。父親に遊んでもらうとき、必ず一度はこうやって高く持ち上げてもらうのが常だったのだ。全身を蹂躙され、汚されてはいたが、シーア姫の父王に対する信頼は揺らがなかった。むしろ、その絶え間ない快感によって、彼女の愛情はより高まっていた。
視線を移すと、少し離れた場所で、母親と侍女がこちらを見守ってくれているのが分かった。二人はただこちらを見ているだけではなく、いつものように裸になり、互いに体を絡ませ合っていた。触手の蠢く音と、自分自身の喘ぎ声を通して、侍女のよがり声がかすかに聞こえてきた。
触手はシーア姫の肌を蹂躙するだけではなく、より精密な愛撫を与え始めていた。
彼女はより強く体の自由を奪われていた。両方の手首にはそれぞれ触手が巻き付き、彼女が触手の愛撫を妨害することができないように、空中に固定されていた。そして、少女らしいほっそりした太腿と足首にも、触手が固く巻きついていた。彼女の下半身は、前方へ引っ張られた上、太腿を大きく左右へ開かれていた。それはさながら、ベッドに拘束されて男の挿入を待つ女のような姿勢だったが、彼女のあどけない美しさは、むしろ、その淫靡な姿を、聖なる生贄か何かのように見せていた。
細く繊細な触手が繰り出され、彼女の乳首と陰核に巻き付き、微妙な運動を繰り返していた。その他の触手の群れは、粘液で汚しただけでは飽き足らないとでも言うように、先ほど放出した精液を、彼女の肌に塗り付けていた。
「お父様…きもちいい…きもちいいの…ぁ…ぁあ…ぅ…っ…」
シーア姫の興奮が高まり、あらわにされた秘部から、愛液を滴らせ始めると、生殖茎の一本が近づき、そこにぴたりと触れた。男根は探るようにその先端を動かしていたが、やがて、ねじ込むようにして、ゆっくりとシーア姫の体内へと侵入し始めた。シーア姫の体はびくりと震えた。
「あっ…あっ…お父様…お父様が、はいってくる…ぁ…ぁあぁあ…」
太い生殖茎が、膣の奥まですっぽりと収まると、シーア姫は苦しそうに喘ぎながらも、恍惚とした幸福の表情を浮かべた。生殖茎は膣の感触を確かめるように、ゆっくりと動き始めた。
「ぁ…あぁ…っ…うっ…」
シーア姫は生殖茎の動きに合わせて、規則正しく喘ぎ声を漏らし始めた。無意識の内に、より大きな快楽を求めて、腰をくねらせ始める。幼い少女が太い男根を受け入れ、快楽に溺れている様は、あまりにも淫靡だった。
「っ…あっ…あぁっ…はぁっ…あっ…」
生殖茎の動きが激しくなるに連れて、シーア姫の幼い肢体は、突き上げられる度に跳ね上がり、仰け反った。それに伴って、彼女の苦しそうな喘ぎ声も、次第に激しく、大きくなっていった。
生殖茎がびくびくと痙攣し、精液をシーア姫の体内に放出した。
「…っ…ぅ…」
シーア姫はぎゅっと目を閉じて、その気の遠くなるような衝撃に耐えた。恐ろしい勢いで発射される精液は、シーア姫の体の奥深くを、力強く叩いていた。愛する父の性器は、シーア姫の全身を震わせるほどに、激しく脈動し、その度におびただしい精液を放出した。白い液体はすぐにシーア姫の体内に満ち、突き刺さった男根の隙間から、どくどくと溢れ出していた。
その生殖茎がすべての精液を放出して引き抜かれると、シーア姫の秘部からは、とろとろと白い液体が流れ出た。そして、待ち構えていた次の生殖茎が、シーア姫の中へともぐり込んでいった。
今や、シーア姫は、あらゆる方向から生殖茎の催促を受けていた。彼女は股間に挿入されながら、別の生殖茎を口に含み、両手にそれぞれ別の男根をつかんで、母親に教えられた通りに触手に奉仕した。さらに何本かの生殖茎が、その敏感な先端を、胸や背中に擦りつけていた。
触手たちは次々と絶頂に達した。あらゆる方向から白濁した液体が発射され、シーア姫の肌は、たちまち精液まみれになっていった。
シーア姫の快感が臨界に達し、変化が始まった。股間で蠢いていた生殖茎が、精液と共に、半ば無理やり吐き出された。それに続いてシーア姫の触手が秘部から顔を出し、わずかな時間の間に、下腹部は触手の密生する状態と化した。
シーア姫の体は、そっと床に下ろされた。シーア姫は仰向けに横たわったまま、王に向かって脚を開き、自分の触手を伸ばしていった。彼女の触手は、王の無数の男根に絡みつき、それぞれが触手にしかできない、淫靡な愛撫を加え始めた。互いの粘液が絡み合い、得も言われぬ淫らがましい音を発している。
一つ、また一つと、男根が絶頂に達し、シーア姫に精液を吹き掛ける中、シーア姫自身である花のつぼみが伸び上がった。たちまち王の触手が伸びて、その生殖茎に絡み付き、動きを封じた。そして、その美しい花が開いていくと同時に、一本の男根がするすると近づき、花弁の触毛に捉えられて、ゆっくりと中に引きずり込まれていった。花弁が閉じ、その内壁の襞が、男根を奥へ奥へと導いた。
それは、触手同士の、美しい交接だった。透明な生殖茎の外壁を通して、その内部を男根が突き進んでいくのが見えた。その、長い生殖管の内壁を覆っている襞が、淫靡に蠢いている様さえ、見て取ることができた。
男根はついに、生殖茎の根元に達し、シーア姫の本体へともぐり込んでいった。すでに、シーア姫も、巨大な王の肉塊も、真の交尾による激しい快楽のためか、あわただしく触手をざわめかせていた。
長い男根がシーア姫の生殖管の中で動き始めた。それに伴って、シーア姫の生殖茎が淫靡にのたうち始める。男根の動きに伴って、生殖管の中の愛液がじゅくじゅくと掻き回され、閉じた花弁の隙間から、ごぼごぼと溢れ出した。
シーア姫の瞳は、もはや何物も見てはいなかった。彼女の意識は完全に触手部分に集中され、人間としての意識はほとんど失われていた。瞳からは輝きが失せ、半開きの口からは白痴のように涎を垂れ流している。その幼い肢体は、男根の動きに応じて、機械的にびくびくと動いているだけだった。その喘ぎ声は、不可欠な呼吸と、下腹部への衝撃による、合成物に過ぎなかった。
やがて、男根の内部を白い液体が走り抜け、シーア姫の体内へと放出された。シーア姫の生殖茎は激しくのたうち、その幼い肢体も、精液の発射に合わせて、びくびくと何度も仰け反り、跳ね上がった。
それが、幼い少女の限界だった。シーア姫のすべての触手が、ぐったりと力を失い、床に広がった。そして、気を失ったシーア姫に、彼女の中に放出できなかった男根たちが、次々と精液を吹き掛けた。
少女は全身を陵辱され、白濁した液体にまみれ、多量に放出された精液の中に、無惨な姿で横たわっていた。だが、その意識のない精液に汚された頬には、快楽の続きでも夢に見ているかのように、幸福そうな笑みが浮かんでいた。