触手とメイドさん(後編)
「そ…そんな…姫様、はやすぎます。まだ一回しか逝ってらっしゃらないのに…」フィズは今や絶望と恐怖の色を浮かべ、ガクガクと震えていた。
絶叫と共に逝ったリルン姫は、今や変化しつつあった。美しい肌に粘液が染み出し、体全体がゆっくりと透き通っていく。人としての形が崩れ、ぶよぶよとした一個の透明な肉塊へと変化する。
フィズは腰の力が抜けたかのように、ぺたりと床に尻餅をついた。眼鏡の奥の黒い瞳には、自分が犠牲者であることをはっきりと自覚した被虐的な怯えの色。彼女は必死で後ずさろうとしたが、まるで蛇ににらまれたカエルのように体が動かない。
今やリルン姫のなれの果てである透明な肉塊は、喜びに震えながら、その体内の燐光をピンク色に瞬かせていた。
「ひっ!」
彼女は突然悲鳴を上げた。肉塊から突き出された触手が、足首に巻き付いたのだ。足を動かして振り払おうとするが、柔軟な触手はますます絡みついてくる。ヌルヌルとした感触がふくらはぎから太腿へと這い上がってくる。
次々と発生した触手が、さらに片方の足と両腕に絡みつき、彼女の自由を完全に奪った。
フィズは涙を浮かべ、ベッドの上の肉塊を見上げて哀願した。
「お、お願いです、姫様…お許しを…お許しください…きゃああっ」
新たな触手の束が彼女の胸元に群がったかと思うと、次の瞬間メイド服を引き裂いていた。エプロンが裂け、プチプチとボタンがはじけ飛ぶ。ブラジャーが引きちぎられ、ポロリと二つの乳房が露わになった。
すかさず二本の触手が左右の乳房に巻き付いた。
じゅる…じゅる…
触手は粘液で白い肌を濡らしながら、乳房を締め上げた。やわらかな肉が卑猥な形に変形する。触手はまるで母乳を絞り出そうとでもいうように淫靡な蠕動運動を開始した。
「あっ…あぁああ…だめ…姫様、御慈悲を…そんなにされたら、わたくし…」
フィズは乳房を揉みしだかれる快感におののくようにいった。その乳首は、早くも固く勃起している。その敏感な乳首に、触手が触れた。指でこねるようにして触手の腹が押しつけられ、粘液を塗りたくられる。
「ひっ…いやっ…いやぁああっ…」
フィズは背中を仰け反らせ、悲鳴のような喘ぎ声を上げた。嬲り回される乳房で強烈な快感が発生し、全身へと急速に広がっていく。その一部は頭へと上り詰めて朦朧とさせ、残りは固まりとなって腹部を通り、下腹部へと沈み込んだ。
彼女は反射的に脚を閉じようとした。秘所からトロトロと愛液が溢れ出し、純白のパンティに染みを作っている。
だが、触手はそれを許さなかった。するすると巻き付いた触手が、強引に太腿をこじ開ける。パンティの中心部分を、一本の触手がこねくり回し始めた。愛液の染みに加えて、触手の粘液がパンティをジットリと濡らしていく。
ハァ…ハァ…
フィズはもう喘ぎ声を上げるのがやっとだった。眼鏡の奥の瞳は、恍惚とした絶望の色を浮かべている。
やがて三本の触手が、パンティの両脇と上方から、中に潜り込んだ。
「ひゃああっっ」
触手は互いに絡み合いながら、競うようにして女陰の中へと潜り込んでいった。体の奥深くへと侵入してくる異物感。触手がくねり、暴れ回る。グチョグチョと音を立てながら粘液を擦り付け、膣内壁の繊細な襞を圧迫する。キュッと膣が収縮すると、愛液と粘液の混合物がピュッと外へと吹き出し、パンティを濡らし、絨毯にまで染みを作った。
「うっ…んくっ…姫様…ああぁ…だめ…ひぃ…」
もはやフィズは、がっくりと首をうなだれ、陵辱されるがままの肉人形と化していた。両手両足の自由を奪われ、乳房と股間を何本もの触手に蹂躙され続ける。全身は触手の分泌する粘液のためにドロドロになり、彼女自身の出す涎と愛液が絨毯を濡らしていく。
だが、陵辱はまだ始まったばかりだった。一本の触手がフィズの唇を強引にこじ開け、口内へと潜り込んできた。
「んっ…むぐっ…んんっ…」
口の中で触手が暴れ回る。無理矢理顔を上げさせられる。苦しさのあまり、フィズは涙を溢れさせた。飛び散った粘液がピュッと眼鏡を汚す。
涙で滲んだ視界に、新手の触手が映った。先端に蕾を付けた生殖茎だ。それも何本も。蕾は一斉に花開いた。深紅の花弁。その毒々しい赤色は、花弁の表面で蠢いている微細な襞の色だ。
触手茎は、ヒクヒクと痙攣したかと思うと、その花弁の中心にある淫靡な穴から、透明な液体を噴きだした。
ドピュッ…ピュッ…
それはリルン姫の愛液だった。花弁は少女の女陰であり、その穴は触手茎の内部を通る長い膣の入り口なのだ。フィズの体を弄ぶうち、昂奮に耐えかねたリルン姫が、膣内に溜まった愛液を排出しているのだ。
愛液は、まるでそうすることが、よりいっそうの昂奮を呼ぶとでもいうように、すべてフィズに向かって吹きかけられた。艶やかな黒髪からメイド服まで、すべてが少女の愛液でぐっしょりと濡れそぼった。少女触手特有の、甘く、ねっとりとして、かすかにミルクの匂いを含んだ芳香が立ちこめた。
「んっ…んんっ…ぷはっ…コホッコホッ」
フィズの口から触手が引き抜かれた。同時に、膣の中と乳房をまさぐっていた触手もするすると後退する。
フィズは潤んだ瞳で触手を見上げた。
「姫様…あぁ…姫様…」
今や、フィズの喘ぎには切ない哀願の調子が加わっていた。その声には果てしのない陵辱への期待感が滲んでいた。彼女はもはや陵辱され、貶められるだけの犠牲者ではなかった。触手の分泌するあらゆる液体に含まれる催淫物質が、彼女の精神を蝕み始めたのだ。
触手は犠牲者の期待に応えた。二つの花弁が、二つの胸のふくらみにペッタリと張り付く。花弁は、まるで人間の掌でもあるかのように、乳房を揉みしだき始めた。それだけではない、その花弁の表面の微細な襞がざわざわと蠢き、やわらかな乳房全体を刺激し始めたのだ。
「ああっ…姫様…姫様ぁ…」
フィズはイヤイヤをしながら喘いだ。
触手がパンティを引っかけ、ずるずると膝まで引きずり下ろす。露わになった秘所からは、とろとろとイヤらしい液体が溢れていた。ヒクヒクとした陰部の脈動に従って、時折ピュッと飛沫が飛ぶ。
その股間へ、花弁が張り付いた。蠢く襞が滲み出る粘液と共にクリトリスを刺激した。電流が走ったかのように、フィズの背中が跳ねた。
「ひいっ! あっ…あぁああ…あひっ…」
股間に張り付いた花弁は、さらに強烈な刺激を求めた。無理矢理何かを穴へ押し込めようとするように、ぐりぐりと先端を回転させる。それは比喩ではなかった。花弁がぐにゃりと折れ曲がったかと思うと、その先端がフィズの膣の中へと潜り込んでいったのだ。
「あぁあああっっ!」
フィズは悲鳴に近い喘ぎ声を上げた。
花弁の微細な襞が、絶えず収縮しようとする膣の襞とせめぎ合う。それは、フィズにとっても、触手にとっても、恐ろしい快感だった。
「ひっ…いぃいいいっ…あっ…ああっ…やっ…いやぁあああああっっ!」
花弁は再び限界に達した。ビクビクとのたうったかと思うと、フィズの中へ大量の愛液をぶちまけた。愛液は奔流となって膣の内部へと走り、子宮へと雪崩れ込んで渦を巻いた。次の瞬間、膣がキュウッと収縮し、逆流した愛液が触手によって塞がれている秘所の隙間からドボドボと溢れ出した。
花弁はその襞を蠢かせながら、さらに進んでいった。奥へ! 奥へ!
フィズの体内でリルン姫の性器は歓喜にのたうち、暴れ回り、止めどもなく愛液を噴き出し続けた。一本ではない、最初の花弁が引き抜かれると二本目が代わり、二本目が終われば三本目がフィズの体内をグチャグチャに掻き回した。待ちきれない花弁はフィズの口を塞ぎ、飲み干すことのできない大量の愛液が、フィズの唾液と混ざって胸を濡らす。
「あう…うぐっ…うっ…んんっ…ぷはっ…ひっ…だめ…だめぇ…姫様…あっ…あっ…んくっ…」
フィズの意識は、いつ終わるともしれない陵辱に、次第に混濁し始めた。視界が朦朧とし、自分がどこにいるのか、どんな姿勢をしているのかも分からなくなる。全身を苛む恐ろしい快感だけが、彼女の意識のすべてになり、それもやがて、自分をがんじがらめにしている触手のあたたかさの記憶だけを残して、闇の中へ埋没していった。