さよならお嬢様(後編)
ベルルリースに呼ばれたアルマが彼女の部屋へ行ってみると、彼女は初めて見せる悲しげな表情で、あなたは売りに出されることになったと宣告した。先日、真昼間からエルランシアに陵辱されたとき、途中でベルルリースがやってきたが、あの時奥様も一緒に来ていたのだ。奥様はその場でベルルリースにアルマの処分を言い渡したという。ベルルリースと一緒に犯されていたとき、すでにアルマの運命は決まっていたのだ。
アルマはふらつく足取りでベルルリースの部屋から出てきた。自分の部屋へ直行し、ばたりとベッドにうつ伏せになる。
売りに出されるということは、つまりは首だった。この屋敷から追い出されるのだ。そうするとお嬢様と離れ離れになってしまう。そのことだけがひどく悲しかった。
三十分ほどそうしていたが、やがてむくりと起き上がると、言われたとおりに荷物をまとめ始めた。といっても、私服が少しあるくらいですぐに終わってしまう。
きっとこれでいいのだとアルマは思った。自分がいてはお嬢様が駄目になってしまう。自分みたいな淫らでいやらしい娘が側にいたら、お嬢様まで淫らな女の子になってしまう。触手なんだから淫らなのは仕方ないけど、それにも限度というものがあるのだ。
ベッドの上でぼんやりしていると、突然ドアが勢いよく開かれ、当のエルランシアがそこに立っていた。アルマは驚いて何かいおうとしたが、結局何もいうことができなかった。こちらを見つめるエルランシアの瞳から、大量の涙が溢れ出してきたからだ。
「アルマ!」
エルランシアは泣きながらアルマの胸の中に飛び込んできた。アルマは支えきれずにベッドに押し倒された。
アルマは呆然とした。お嬢様が泣くのをみるのは初めてだったのだ。
泣きじゃくっていたエルランシアがようやく落ち着いてくると、アルマはようやくいった。
「お嬢様、どうしたんですか」
「ごめんなさい」エルランシアはアルマの胸に顔をうずめたまま涙声で言った。「ごめんなさい。私のせいで」
「別にお嬢様のせいじゃありません。私が悪いんです。私がいやらしい奴隷だから」
エルランシアは顔上げて、睨みつけるように言い返した。「違うわ! あなたはすばらしい奴隷よ」
「えっ…どうしたんですか」アルマは面食らった様子でいった。「いつも私のこと、いやらしくて駄目な娘だって、反抗的で生意気なメイドだって言ってたじゃないですか」
それを聞くと、エルランシアの顔には泣き笑いの表情が浮かんだ。
「馬鹿ね。あなたが好きだから意地悪を言ったの。あなたが恥ずかしがるところを見たかったのよ。そんなことも分からなかったの」
「えー、分かりませんでした」
「本当に馬鹿なんだから…」
エルランシアは体を起こしてベッドに座りなおし、アルマをじっと見つめた。
「あなた馬鹿だから、はっきり言うわ。私はあなたが好き。あなたのその馬鹿なところも、生意気なところも、いやらしいところも」
「私もお嬢様のこと大好きです」
「アルマ…」
再びエルランシアはアルマをぎゅっと抱きしめた。
アルマは胸の鼓動が速くなるのを感じた。こんな風に、まるで恋人みたいに抱きしめられたのは初めてだった。
すぐ耳元でエルランシアが囁いた。
「アルマ、何かして欲しい事があるならいいなさい。最後だから…」小さな嗚咽が漏れたがエルランシアは何とか続けた。「…最後だから、何でも聞いてあげるわ」
アルマは次第に顔が赤らんでくるのを感じた。
「わ、私、お嬢様とキスしたいです。あの、あそことかじゃなくて、お嬢様の唇に」
「馬鹿ね。念を押さなくても分かるわよ」
エルランシアはいったんアルマを離すと、かすかに微笑み、それからおもむろに顔を近づけた。
アルマは思わず目を閉じていた。唇にふっくらと柔らかな感触。それから相手の体温がゆっくりと伝わってきた。
(私、お嬢様とキスしてる)
アルマは感動し、それから小さく体を痙攣させた。頭が痺れるような感覚。キスされただけで逝ってしまったのだ。
ぼんやりと一人、恥ずかしがっていると、唇を割ってエルランシアの舌が侵入してきた。舌は歯茎を舐め回し、さらにアルマの舌に絡み付いてきた。
「んっ…んん…んっ…」
アルマは喘いだ。触手に口の中を犯されるのは日常茶飯事だったが、これはそれとは別の快感があった。自分とお嬢様の舌が淫らに絡み合っていると考えただけで下腹部が熱くなり、濡れてきてしまう。
じゅぶじゅぶと音を立てながら唾液が互いの口の中を行き来した。口の周りがすぐにあふれた唾液でべとべとになる。かすかな甘い匂い。唾液にも触手特有の催淫物質が含まれているのだ。全身が火照り、肌が快感に対して過敏になっていく。
「んんっ…んっ…ぅ…んんんっっ…ぷはっ…ぁああ…ぁ…」
アルマは唇が離れると同時に、再び絶頂に達していた。
アルマは恥ずかしさに真っ赤になったが、エルランシアはいつものようにアルマを責め立てたりはしなかった。その代わり彼女はアルマの手を取り、自分の胸元に引き寄せた。
「お、お嬢様…?」
エルランシアは潤んだ瞳でじっとアルマを見つめた。頬がかすかに赤みを帯び、ただでさえ美しい顔を、より美しく見せている。
エルランシアは恥ずかしそうにいった。「アルマ、あなたがしたいのはキスだけじゃないでしょう。あなたが私を犯したがっているのは知っているわ」
「で、でも、お嬢様。私は奴隷で、お嬢様はお嬢様だし」
「もうあなたは私の奴隷じゃないわ。だから何をしてもいいのよ」
アルマは自分の手のひらが、お嬢様の胸に押し付けられるのを感じた。
「あ…」
アルマは驚きの声をあげ、突然叫ぶようにいった。
「お嬢様!」
次の瞬間、アルマは勢いよくエルランシアを押し倒していた。ためらうことなくその上に馬乗りになり、相手のブラウスのボタンを手際よく外していく。それからブラジャーを強引にずり上げると、剥き出しになった乳房を鷲掴みにした。
エルランシアは小さく叫び声を上げ、苦痛の色を浮かべたが、アルマにはそれに気づく余裕などなかった。
アルマは荒い息遣いで、主人の乳房を揉みしだいた。指先がとろけて一体化してしまいそうな柔らかさに戦慄が走る。
「あっ…はあっ…だめ…そんなに強くしたら…」
ようやくアルマは相手が自分の強い愛撫に苦痛を感じていることに気づいた。だが、苦悶の表情を浮かべて悶えているエルランシアの姿を見ると、アルマの心には相手を気遣う気持ちよりも、むしろこの美しい少女を徹底的に犯しぬいて征服しなければならないという激しい欲望が溢れ出した。
「お嬢様…お嬢様ぁ!」
アルマは叫んだ。激しい興奮でどうにかなりそうだった。体全体が性器になったかのように、どくどくと脈動している。心臓が破裂しそうなほどに鼓動が響いていた。
「やっ…痛っ…あっ…あぁあ…んっ…やあっ…」
アルマの愛撫が乱暴になるにつれて、エルランシアの悲鳴のような喘ぎ声も次第に大きくなっていった。もはやそこにいるのは、高貴で美しく、そして意地悪で高慢でアルマの心と体の支配者であったエルランシアお嬢様ではなかった。今アルマの体の下で、頬を赤らめ、苦痛に悶えているのは、高貴で美しく、そして無力で可憐なアルマの欲望の犠牲者に過ぎなかった。
「はあっ…あっ…あんっ…んっ…んくっ…うぅ…ひゃあっ…」
だがやがて、エルランシアの喘ぎには次第に甘ったるい快楽の響きが混ざり始めていた。乳房を揉みしだいているアルマの手のひらには、硬くなった乳首が当たっている。
アルマはエルランシアの体の上に覆いかぶさるようにすると、乳房にかぶりつき、乳首を舌で舐り始めた。
「あっ…ああぁあ…だめっ…だめぇ!」
エルランシアの体が快楽にびくびくと震えた。
明らかに達した様子に、アルマの心はさらに猛り狂った。口全体で柔らかな乳房といやらしく勃起した乳首をむしゃぶり、その甘いミルクのような香りに我を忘れる。
アルマは野獣のように乳房に歯を立て、乳首を歯でしごき上げた。エルランシアが泣きながら甲高いよがり声を上げ、その蹂躙されつつある肢体は激しくのたうち、跳ね回った。
「ぁあああっ! あっ!…ああぁああ…だめっ…いぁああああっ…あっあっ…あぁああっ!」
「お嬢様、すごい…こんなに腰をよがらせて…」
アルマは正気を失った瞳に、陶然と酔ったような笑みを浮かべ、エルランシアの体を押さえ込むようにのしかかった。
「お嬢様ぁ…」
白い首筋に舌を這わせながら、エルランシアのスカートを途中までずり下ろし、あらわになったレースのパンティの上から、陰部を鷲掴みにするようにして愛撫し始めた。
「はあっ…ああっ…あるまぁ…ぁあ…あああ…」
アルマの手が撫で回し、揉みしだくと、エルランシアは悲鳴のようなよがり声に代わって、切なげで艶やかな喘ぎ声を上げ始めた。
エルランシアの下腹部は、完全に濡れており、アルマの手はたちまち彼女の愛液でべとべとになった。アルマはその手をエルランシアの乳房に擦り付けてぬるりとした柔らかさを楽しんだ後、余った愛液を自分の唇の塗りつけた。
再びアルマの手はエルランシアの下腹部へと戻り、今度はパンティの中へ潜り込んで、その指を割れ目の中へ挿入させた。溢れ出した愛液のおかげで、そのすべてがあまりにもスムーズだった。アルマの指は愛液に導かれるようにしてエルランシアの中へ入り込んでいった。
「あ…あぁああ…っ!」
再びエルランシアが逝ったのが分かったが、アルマは容赦なく責め続けた。脈打っている割れ目の中には、すでに三本の指が挿入されている。そのすべてを蠢かせ、あるいは激しく出し入れを繰り返す。自分が触手を持っていないのがもどかしかった。その分アルマの愛撫は乱暴になり、エルランシアの喘ぎは再び悲痛なものになっていった。
「んっ…んあっ…だめっ…そんなに入れたら壊れちゃう…あっ…あああっ…やっ…いやぁ…あるま…あるまぁ…あっ…あぁああっ」
エルランシアの哀願するような声にもかかわらず、アルマは夢中になって少女の体を舐め回し、その秘所を乱暴に責め立て続けた。陵辱されるがままのエルランシアは、背中を仰け反らせて絶えずびくびくと絶頂の痙攣を繰り返し、その口元からは痛々しいよがり声と一緒に、淫らな唾液を溢れさせていた。
アルマの興奮もまた頂点に向かって急速に近づいていった。腰が痺れ、あたたかなものが下腹部から全身へと広がっていく。熱病にかかったように頭が朦朧とした。
「あぁああっ…あっ、あっ、ああっ、あぁああああっ!!」
涙と涎でぐちゃぐちゃになったエルランシアが、何度かの絶頂に達し、激しく体を震わせると、アルマもまたすぐ後を追うようにして達した。
アルマは弱々しく呼吸しているエルランシアの上にぐったりと覆いかぶさったまま、異常ともいえる興奮の余韻の中に漂っていた。次第に興奮が収まり、頭がはっきりするに従って、アルマは自分がしでかしたことを思い起こして愕然とした。
アルマは勢いよく体を起こすと、慌てていった。
「ご、ごめんなさい、お嬢様! 私、お嬢様に酷いことを」
エルランシアはうっすらと目を開き、アルマを見上げて微笑みを返した。
「本当に。あんなふうにされたのは初めてだわ。とても素敵だったわよ」
「お嬢様…」
エルランシアの手が伸び、アルマの首筋に巻きついた。顔が引き寄せられ、唇と唇が重なり合った。濃厚な口付け。それからエルランシアがアルマの上に覆いかぶさってきた。
アルマはもちろん抵抗しなかった。上から押さえつけられているという状態に、かすかな恐怖と同時に何物にも代えがたい安堵感を感じる。やっぱり自分は徹頭徹尾奴隷なのだ。
足に触れているエルランシアの下半身が、触手のぬるぬるした感触へと変化していくのがわかった。触手は下半身へと絡みつき、それから互いに密着している二人の少女の乳房の間にも入り込んできて、相手の乳房の柔らかな感触に、ぬるりとした快感を付け加えた。それから、触手の花弁が割れ目を押し広げながら、ずぼずぼと侵入してきた。
「あっ…あぁ…あぁああああ」
「うぅ…アルマぁ…」
エルランシアが小さく呻くと同時に、花弁から発射された愛液がアルマの中をあたたかく満たした。膣が収縮し、生殖茎が突き入れられた隙間から、どぶどぶと愛液が溢れ出してシーツを濡らしていく。
「あぁああ…アルマ…アルマ…好きよ…私のこと忘れないで…」
エルランシアが感極まっていうと、アルマも快楽に涙を流しながら答えた。
「あ…ぁああ…私は…私はいつまでもお嬢様の奴隷です…お嬢様…お嬢様ぁ…あ…あんっ…んっ…んあああああっっ!」
二人の少女は互いの唇を貪りながら、触手と体を絡ませ、互いの性器を犯し合った。エルランシアの生殖茎は次々と入れ代わり立ち代りアルマの秘所へ入り込んでは愛液を注ぎ入れた。アルマの膣はその美しい性器を押し包み、二度と離さないとでもいうように激しく締め付けた。花弁に密生した無数の触手と膣の肉襞が擦れ合い、ぐちょぐちょという淫靡な音が、少女たちの喘ぎ声とともに、いつまでも部屋の中に充満していた。
翌朝、ベルルリースに起こされたアルマは、傍らで眠ったままのエルランシアの頬に軽く口付けすると、そっと部屋のドアを閉め、静かに…そして永久に…屋敷から出て行った。