淫らな館(3)お土産
「お姉様、アルマさんをください」シルルヴィーアがいきなりそういったのは、夕食も終わりに近づいた頃だった。
スープを飲みかけていたアルマは、思わず吹き出した。とばっちりを受けたヨルンネーアが迷惑そうにナプキンで顔を拭う。
いわれたエトランシーヌはうろたえた様子でいった。
「え、ええと、アルマさん? どうして?」
「気に入りました。お土産にしてはだめですか」
「ちょっと待って…」エトランシーヌは額を押さえて考え込む様子を見せた。「…分かったわ。でも考えさせて」
困惑した様子の従姉を見て、シルルヴィーアは不思議そうに小首を傾げた。
風呂上りのアルマが部屋で休んでいると、ドアがノックされ、ヨルンネーアが顔を見せた。「お邪魔するわよ」
そういいながら、遠慮もなく部屋に入ってくる。
「ヨルンさん、どうしたんですか?」
「のんきなものね。夕食のときの話よ。あなた、シルルヴィーア様のお土産にされるわよ」
「ええっ!?」
「奥様はあんなことを言っていたけど、これまでシルルヴィーア様のお願いを聞かなかったことなんてないもの。たとえあなたがアルルンシーヌ様の孵し親でも、シルルヴィーア様のお願いにはかなわないわ」
「そんな…」
「ほら、分かったら服を脱ぎなさい」
「えっ、えっ、どうして」
「最後だから、一晩あなたと過ごしてあげるっていっているのよ。こう見えてもあなたには感謝しているんだから。奥様のお気に入りなのは気に入らないけど、それも今日までだからね」
「で、でも、ルンナさんが…」
「ルンナさんなら、隣の部屋よ。どうするの? 脱がないのなら、脱がせてあげるわよ」
「ぬ、脱ぎます」
アルマは慌てていい、パジャマのボタンに手をかけた。そのときになって初めてアルマは胸の鼓動を意識した。顔が熱くなる。
「どうしたの?」
「ヨルンさんと二人きりになるのって、初めてですよね。なんか、意識しちゃって」
「そうだったかしら」
パジャマとブラジャー、それにパンティまでも脱いで全裸になると、アルマは恥ずかしそうにヨルンネーアの前に立った。ヨルンネーアがアルマの前にひざまずき、股間を覗き込む。
「もう、十分濡れてるわね」
「いわないでください。恥ずかしいです」
「もう少し脚を開いて」
「は、はい」
割れ目はもう愛液で満たされていた。その周辺もすでに濡れたように光っていて、それは腿の内側にまで続いていた。
ヨルンネーアの指先が、ちゅぷ、という音とともに、割れ目に飲み込まれた。アルマは自分の股間を、不安そうに除きこんでいたが、ヨルンネーアの指先が入ってくると、思わず目をつぶり、
「んっ」
と小さく声を上げた。
ヨルンネーアの指先は、温かな愛液に包まれ、何の抵抗も受けなかった。くちゅ、くちゅ、ちゅぷ。指先が出入りするのに合わせて、いやらしい水音が響く。
「んっ…あっ…んく…う…ぅ…はぁ…はぁ…はっ…あっ」
指先の動きが次第に速くなり、アルマの下腹部は熱さを増した。息が荒くなり、こぼれ落ちそうになった唾液を慌ててゴクリと飲み込む。
「ううっ…あっ…うっ…んっ…ぁあ…はあっ…あぁあ」
腰がジンジンし始めた。体が熱い。背筋が痺れ、脚の感覚がなくなり始める。膝がガクガクと震え出した。
「よ、ヨルンさん…わた…わたし…もう…」
「わかったわ、逝かせてあげる」
いったん指先が引き抜かれ、今度はじゅぶりという、さっきよりも重々しい音とともに二本の指がまとめて挿入された。
「あっ…あっ…」
腰が砕けそうになり、アルマは慌ててヨルンネーアの肩につかまった。
じゅぷっ、じゅぷっ、指先が根元まで突き入れられるたびに、愛液が飛び散ってアルマの股間とヨルンネーアの顔を汚した。涙が溢れ、視界がぼける。へたり込みたいのに、体の方は責め立てる指先から逃れるために、爪先立ちになろうとする。だが腰に回されたヨルンネーアの手がしっかりとアルマを捕らえて放さない。
「あっ…あぁああっ…んくっ…うぁあ…あっ…はあっ…あああっ…だっ…だめっ…ヨルンさんっ…いっちゃうっ…わたしっ…いっちゃうっ…やっ…あっ、あっ、あぁあっ、あっ…っ…!」
目の前が真っ暗になり、全身から力が抜け落ちた。股間からどくどくと愛液が溢れ出す開放感があった。
次に目を開けると、自分を抱きかかえているヨルンネーアと目が合った。アルマは恥ずかしさを感じて視線をそらした。
「気持ちよかった?」
ヨルンネーアの問いに「はい」と消え入りそうな声で答える。
「それはよかったわ」
ヨルンネーアはアルマをベッドに横たえると、アルマの両脚を持って、股間が丸見えになるように左右に大きく広げた。
「あっ」
恥ずかしさに脚を閉じようとするが、絶頂から抜け出したばかりの体には力が入らない。
「ヨルンさん…恥ずかしい…」
「恥ずかしいのは好きでしょう?」ヨルンネーアが股の間から、にやにや笑っていった。「見ている間にも、どんどんいやらしい液が溢れているじゃない。もうシーツまで濡れ始めたわ」
「やだ…いわないで…」
「いいことを教えてあげるわ。シルルヴィーア様のお屋敷では、メイドは下着を着けてはいけないそうよ。晩餐の時には、メイドが犯される姿を見物しながら食事をするらしいわ。あなたにぴったりの役じゃないかしら」
「そんな…」
アルマはシルルヴィーアやフェルンルンナが食事をしている前で、自分が犯されている姿を想像して、体を震わせた。
「今の話、気に入ったみたいね。あそこが物欲しそうにヒクヒクしているわ」
「ちっ、ちがいます」
「まあ、どちらでもいいわ」
再びヨルンネーアの指が入ってきた。
「あっ…」
「力を抜いて。今度はやさしくしてあげるから」
アルマはいわれたとおりに力を抜いた。膣の中を、ヨルンネーアの指先がゆっくりと行き来する。やさしい快感が、じわりと広がっていく感じが心地いい。
「どう、気持ちいい?」
「あっ、はい…」
「遠慮しないで、声を出していいのよ」
不意にヨルンネーアの指先が膣壁を引っかき、下腹部から快感が電撃となって全身に走り抜けた。
「くっ…あぁああっ」
背筋が弓形に反り返り、アルマの手は反射的にシーツにしがみついた。閉じた瞳から涙が溢れ出す。
「あっ…はあっ…はあっ…あぅ…ぅ…」
うっすらと目を開けると、こちらを見つめているヨルンネーアと目が合った。涙でぼやけていたが、その表情は今までに見たことのない、やさしい表情だった。アルマは胸の奥にかすかな痛みが走るのを感じた。
「やっ…やだ…ヨルンさん…そんな目で…見ないでください…」
「どうして?」
「だって…だって…そんな目で見られたら…私…おかしく…なっちゃいます…」
「何を口走っているのかしら、この子は」
穏やかに微笑んだヨルンネーアを見て、アルマの膣はキュッとその指先を締め付けた。全身が過敏になる。勃起した乳首とクリトリスがジンジンと痺れた。今にも何かが出てきそうな、もどかしい感覚が乳房を襲う。
「あっ…はあっ…あぁあ…んっ…んくっ…うぅ…あぁあ…」
体がよりいっそうの快感を求める。さらなる刺激、さらなる陵辱を。快楽が脳髄に浸透し、精神を蝕んでいく感覚。もっと激しくあそこを掻き回して欲しい。クリトリスを責め立て、乳房を揉みしだいて母乳を搾り出して欲しい。
アルマはいやいやと首を振った。押し寄せる快感に対する儚い抵抗。シーツをつかんだ手が震える。溢れ出すよがり声を抑えようと、一方の手で口元を押さえるが、声は後から後から漏れ出てしまう。
「うっ…くっ…あぁあ…やっ…あぁああ…はあっ…んっ…あっ…くっ…ぅ…」
「いまさらだけど、あなた、本当に可愛いわね…奥様があなたを可愛がる気持ちがなんとなく分かったわ」
可愛いという言葉に体が反応する。びくんと全身が震え、背筋に熱いものが這い上がってきた。快楽を求めて腰がいやらしく蠢き始める。
「あっ…いやっ…やぁ…あぁああ…」
止めようとしても、体はもう自分の意思とは無関係に動き続けている。恥ずかしさに全身が熱くなる。アルマはわけも分からずに哀願の言葉を口走った。
「だめっ…だめぇ…ヨルンさん…ヨルンさんっ…」
突然、やわらかなものが、アルマの口をふさいだ。驚いて目を開ける。目の前にヨルンネーアの顔があった。覆いかぶさってきた彼女が、アルマにキスしているのだ。
唇を割って舌が入ってきた。同時に、ヨルンネーアの手がアルマの乳房を鷲掴みにして揉みしだき、もう一方の手はアルマの女陰の中を乱暴に掻き回した。
突然の激しい抱擁に、アルマは絶頂に達した。頭の中が真っ白になり、四肢の感覚が快感の中に消え失せた。勃起した乳首を通って、母乳が噴き出している。強く揉みしだかれている乳房の痛み。秘所の中で暴れている指先。ヨルンネーアのメイド服に擦れたクリトリスが、脳髄が痺れるような痛みと快感を発している。そして、やわらかく、あたたかな、唇の感触。
アルマの魂は宙に舞い上がった。年上のメイドに対する、これまで感じたことのない愛情が溢れ出し、アルマの肢体は、より激しい愛撫を求めていやらしく蠢いた。
しばらくの間、気を失っていたようだった。気がつくと、明かりは消され、アルマは毛布に包まれ、あたたかな抱擁の中にあった。ヨルンネーアの匂いがする。彼女はいつの間にかメイド服を脱ぎ捨て、素肌でアルマの肌と密着していた。「…ヨルンさん?」
気を失っている間から続いていたキスが終わると、アルマは曖昧にいった。
「アルマ、やっと気がついたのね」
「は、はい」
アルマは気恥ずかしげに、身じろぎした。
ヨルンネーアは何を考えているのか、アルマをただ抱きしめていた。触れ合った乳房の感覚が、やわらかくあたたかい。額と額が密着し、目を開けると、目の前に瞳を閉じたヨルンネーアの顔がかすかに見えた。
アルマは自分の胸の鼓動を感じた。乳房がふるえ、相手の乳房に押し付けられた乳首が固くなった。夜の静けさの中に、誰かの悲鳴のようなよがり声が聞こえていた。
「…ミルル、可愛がってもらっているみたいね」
ヨルンネーアがつぶやくようにいった。
「ヨルンさんっ、私もっ」アルマの言葉は、急速に勢いを失った。「私も…その…」
ヨルンネーアは目を開き、やさしく問い返した。「ミルルみたいにして欲しいの?」
「えと…その…」
口ごもるアルマの胸に、ヨルンネーアの手が触れた。固くなった乳首を、そっとその指先がつまむ。二本の指の間で、乳首がやさしく転がされると、アルマはジンジンした快感を感じた。
「あ…んっ…ぅ…」
ヨルンネーアはしばらくの間、そうやって乳首を弄くり続けた。次第に高まっていく興奮の中で、アルマはいても立ってもいられなくなり、思わず口走っていた。
「ヨルンさん、私、ヨルンさんのこと、好きです」
乳首を挟んでいる指先に力がこもり、勃起した肉芽はいやらしく押し潰された。乳首から全身に電流が走り、アルマは体を仰け反らせた。
「あっ! くっ…うっ…ぁああああっ…あっ…あっ…あぁあ…ぁ…っ…」
絶頂の感覚がアルマを押し流していった。再び乳首から温かなものが噴き出し、股間がじゅわりと溢れ出した愛液で濡れた。
無抵抗のアルマに、ヨルンネーアが圧し掛かってきた。母乳に濡れた乳房が、ぬるりとした感触とともに押し潰され、相手の柔らかな乳房と絡み合った。太腿が股間を割り、敏感な部分に押し付けられた。
全身が密着し、擦り付けられる。お互いの乳房がいやらしく変形しながら絡み合い、固くなったクリトリスが、太腿の愛液にまみれた、なだらかな表面にそって押し潰され、擦りあげられた。
リズミカルな快感の波に弄ばれながら、アルマは全身でヨルンネーアを感じていた。
「あっ…あぁああ…んっ…はあっ…ああっ…ヨルンさん…ヨルンさん!」
次第によがり声が大きくなっていく。相手の名を呼ぶ声には、切なげな響きが混ざり、わけもなくアルマの瞳からは涙が溢れ出していた。
「ヨルンさん、好き…好きです!…ヨルンさん!」
ヨルンネーアの唇が、アルマの唇をふさぎ、アルマはそれ以上、もう何もいうことができなくなってしまった。かわりにアルマは両手を彼女の背中に回して強く抱きしめ、腰を蠢かせて相手の股間に太腿を押し付けた。
唇が離れると、もはや淫らな声を上げているのはアルマだけではなかった。二人の少女の切なげな喘ぎが、闇に沈んだ部屋の中に響き、充満していった。
何度目かの絶頂の後、アルマはぼんやりと、かたわらのヨルンネーアを見つめている自分に気づいた。月明かりを浴びたヨルンネーアの瞳が、きらきらと光って、アルマを見つめ返していた。「…ヨルンさん、私のこと、好きですか?」
アルマは朦朧とした頭でつぶやいた。答えが返ってくるまでに、しばらくの間があった。
「…もし、奥様より先に、あなたに出会っていたら…」
「出会っていたら?」
「あなたを好きになったかもね」そういってヨルンネーアはアルマの髪をそっと撫でた。「もう寝なさい」
「はい…ヨルン…さん…」
アルマは急速に眠りに落ちていった。その寝顔には、おだやかな笑みが浮かんでいた。
ヨルンネーアの予想通り、アルマはシルルヴィーアの物になることになった。エトランシーヌとミルルティアは泣いて別れを惜しんだが、ヨルンネーアはいつも通りの様子で黙々とアルマの荷造りを手伝った。ヨルンネーアは最後まで別れを惜しむような言葉はいわなかった。
「奥様のことは安心しなさい。私たちがついているから」
それが彼女の別れの言葉だった。
馬車に揺られながら、アルマは昨晩のことを思い出し、股間が濡れるのを感じて一人赤面した。