2003年11月・12月の日記

 


12月29日 月曜日


 
 失敗した。
 と帰りの西武線で悔やんでいたけれども済んだことはしかたあるまい。
 クリスマスの夜には魔法があって、互いの間にある種の思惑があったのだと。
 その重要なタイミングを逃してしまった結果、今日みたいな間抜けな会合がある。
 いちばん距離の近しかったときに超えるべきハードルは、今となっては越えられない。
 苦し紛れてみても結果はむなしく、終電に近い電車に揺られていたりする。

 
 久々の恋愛話(未遂)でした。

 


12月26日 金曜日


 
 昨年「来年はだれかと過ごそう」と決意にも関わらずひとりだったクリスマスイブの夜、
 仕事帰りに青山のルコントでフランボワーズのケーキを買った。
 電車はとても混んでいた。

 25日のクリスマスも当然ひとりかと思いきや、急遽東京ミレナリオ
を見に行くことになる。
 24日〜1月1日まで、JR東京駅〜JR有楽町駅にかけて点灯。
 大手町のクリスマスツリー前で待ち合わせをして、会場まで歩く。
 ビルの合間を冷たい風が吹く。
 新宿西口とは異なり、風は渦を巻いたり、強く吹きさすぶことはない。

 イルミネーションの実物は、
 今回のモチーフが江戸切り子で単色使いであることも理由だと思うけれども、
 宣伝ポスターのイメージCG画像の方が素敵だった。というのが感想でした。
 あまりに混雑し過ぎてイルミネーションに没頭できない、ということも。
 群集を冷やかしに行っただけのよう。
 実際丸ビルの屋上から見下ろすミレナリオは、東京のリアルな夜景と比較してしまえば滑稽でしかない。
 そのしたでひとびとが日常を過ごしているビルのあかりの方が、余程魅力的だ。

 丸ビルは案の上予約で満席だったから、池袋に移動して食事をする。
 
 

 



12月21日 日曜日


 
 三週間かけての大掃除が本日終了した。
 本棚から溢れていた本を整理して、読み返したい本とまだ読んでいない本だけ残して捨てたら、
 ようやく本棚が本棚としての機能を取り戻している。
 
 
 夕方ふらりと江古田に出てレコード5枚と黒いセーター2枚と本3冊とコート1枚を買う。

 ちゃんと7時間眠っていてもかんたんに風邪引くのだから宜しくない。
 薬飲むと辛いから薬のかわりにホットレモンと一粒ビタミンCレモン一個分の飴をひと袋食べてみたら、
 引きはじめから三日という脅威の早さで風邪が快方に向かった。
 
 火曜から土曜まで「北の国から」5夜連続放送。
 最終日に放映された倉本氏の私塾「富良野塾」の
ドキュメンタリーを観ていた。
 原点に戻るということ。
 2年くらい前から考えてはいるんだけど…
 一瞬血迷って入塾しようかと考えるも1次選考〆切日時を過ぎていたので断念する。


 


12月5日 金曜日


 

 変額試験終了。
 合格しても退職したら資格も消滅するからあまり達成感はなく。
 最近同期と仕事を抜け出して様々職場の問題点など話している。
 そして会社に送りつけようかなどと私は密かに考えている。
 今のご時世どこの組織も不祥事だらけだがここの体制の杜撰さは目に余る。
 何も発言しなかったら辞め損だろうが。
 どうせならぎりぎりの仕事量で基本給めいっぱいせしめるのがベストではないか。
 と近頃気がついた。
 効率の悪さに閉口している。
 頭悪い。

 
 




11月30日 日曜日


 

 買物にでかけて散在する。
 スーツを二着と靴を一足。
 

 毎朝着るものを選ぶ時間がなく着たいものもない、余裕がないというのはこういうことかと思う。
 スーツはただ着ればよいしどんな服よりもきちんとみえるから、仕事着としては正しい。
 ということを学んだ。
 普段だって着れば良い。

 先日仕事の合間に『クラシック』という喫茶店にいった。
 中野にあるその喫茶店は以前から行ってみたいと思い名前を覚えていたのだが、
 店舗開拓をしている最中に目にとまった喫茶店がそれであった。
 木造の物置に中二階を作ってしまったような店だ。
 ランプや絵やなにかが無造作に置かれて、ソファの破れは繕われていない。
 気に入った喫茶店はほかにもあるが、この店の時間はとまっている。
 コーヒー(¥400)は美味。
 

 


11月29日 土曜日


 

 箱根でひと晩過ごし、帰宅したところです。
 箱根とは折り合いが悪く、以前訪れたときにも大雨でした。
 温泉に浸かり、おいしい食事をいただき、本を読み、寝て、帰ってきただけです。
 社員旅行なもので。
 温泉というよりも大衆浴場といったほうが適切と思われる。

 


11月24日 月曜日




 おかしいのだけれどなぜか、「ノルウェイの森」を再読していた。
 連休は嬉しいが、両親がいないので自堕落極まりなく、
 昼間だれもいない家で日がなごろごろしていた学生生活の憂鬱が甦り、
 あまり良い精神状態とはいえない。

 ワタナベが直子の部屋ではじめて哀しいセックスをする日、7枚きりのレコードを順繰りに聴く。
 それでレコード・プレイヤーを買いに行くことになった。
 以前から私も弟も欲しいと思っていて、ちょうど今日気持ちと行動がぴったり一致したのだ。
 店員に訊くとSONYのもの(PS−V800)
が一台だけ売れ残っている。埃をかぶって。
 (ちなみにDJには対応していないと説明書に明記してあります。)
 SONYも資生堂も市場を動かす新製品を数多く発売する一方で、
 レコード・プレイヤーやドルックスみたいに生産性のあがらない古き良きものも販売し続けている、
 その姿勢が好ましい。
 保険もN社だけが定期つき終身保険なのだけれども、業界日本一に共通する姿勢だろうか?
 「『音楽観賞』ということばは、音楽を聴く媒体をレコードからテープやCDに変えてから、
  その意味合いを失いつつあるんだよ」
 と我が弟が云う。
 音楽だけでなく、電車や本だってかつては礼儀を持って扱われた時代があったのに、
 今電車は私的空間となり、本は品がない。コーヒーだってスターバックスだ。
 (スターバックスに関して云わせて貰えば、あんなにクリームだキャラメルだとぶちこんでいながら
  コーヒーの風味を味わって頂きたいから禁煙、というのはオカシイと思います。喫煙者としては。)
 カウンター・カルチャーが一部の人々を残してなぜ廃れていったか、完成形に至らなかったか、
 それは結局市場に乗らないからか。
 
 CDにはクラシックやジャズの重さが似合わない。
 だから軽くて薄いポップスばかりが売れる。
 正しい文化活動をはじめる。
細々とね。
 良いアンプとスピーカーが欲しいものだ。安いアンプは音が割れる。

 


11月22日 土曜日




 韓国料理を食べに新大久保へ。
 それぞれに明確な方向性があるように思われる。
 明日のイベントを下調べして、物質社会と別に生きる人々を考える。
 
 もしアルカイダが東京進攻したならどこが危ないかと話していたが、
 彼らが破壊したいのは資本主義の象徴だっただろうか、
 日本の象徴なら皇居だろう。
 政治の中心であれば霞ヶ関、国会議事堂周辺、
 経済の中心は新宿か、分散している。
 さいきん金銭感覚が麻痺して毎日1000円のランチなど食べている。
 気がつくとお金がなくておかしい。
 無意識な浪費。
 じぶんが何を食べたいかとか何が体の調子にあうかとかで考える余裕がなく、
 見た目の満足感でメニューを選択して、食べて、満腹感に満足する。
 貧しい。
 コミュニティーは資本主義の波に押されて解散を余儀なくされ、
 映画『ザ・ビーチ』で描かれた楽園は、自然の難を逃れず内因的な問題を抉られたところで破綻している。
 確固たる思想と頭脳と覚悟と行動がなければ安易に社会からドロップアウトしたところで、
 ただ溺れるだけだろうに。
 あいかわらず情緒不安定で、
 休日の夜に繁華街を歩けば胸騒ぎで、
 帰り道では一駅ごとに電車を降りるようなことをしている。
 いちど壊滅してしまえと正直なところ考えている。
 頭がどんどん悪くなっていくようだよ。

 

 


11月8日 土曜日

 


 結婚式で、二次会に参加した。
 お台場に行くのははじめてで、ゆりかもめに乗るのは二回目。
 芝浦ふ頭駅からお台場海浜公園駅までのあいだモノレールは海上で一回転する。
 交通手段のひとつに過ぎない鉄道が描く路線のそぐわない形状。
 鉄道の目的は1秒もはやく客を運ぶことにあるのではないの?
 きらめきがいきおいを増して流れていく。
 
 ゆりかもめが「新交通」と銘打つように、これは交通手段ではなくエンターテイメントだ。
 モノレールの回転は非日常へのタイムワープを意味している。
 だからこれほど人気なのだと思う、ディズニーランドに次ぐ一大アミューズメントパークだ。
 港区のビル群が遠ざかって行くのをみて、なぜだかもの悲しい気分になった。
 ふだん私はあの界隈をよたよた歩いている。
 組織に属しているようでいて属さないたぐいの仕事だから、街そのものが職場のような感じである。
 休日にも関わらず疎らに点灯するビルのあかりは、日常だ。
 
 新郎新婦はきっとみんなに愛される組み合わせで自然で、
 お似合いというのはこういうことをいうのだろうなと思った。