Jellyfish's Note

「ゴッホの証明」 小林 英樹 情報センター出版局


「ゴッホの遺言」第二弾とも言えるノンフィクション。
今回は多くの人が見たことがあるであろう、あるゴッホの自画像を贋作であると追求します。

世間のゴッホに対する「狂人になってしまったから自殺した」という誤解をとく姿勢を、 前作と同様引き続き貫いている。
本書の方がゴッホの入退院を繰り返した前後を細かく検証しており、 「誰からも理解されずに孤高に生きた殉教者的なイメージ」をもっと人間的なゴッホにより近づけているといっていいだろう。
そして更に本書はそのデフォルメされたイメージを、なぜ、誰が、どうして作られたのか、という論点にまでせまる。

ゴッホの人間性、とりまく環境、周囲との人間関係など、物悲しくも天才であった画家の背景から、 なぜ贋作が生まれたのかその背景まで、筆者の思いが熱い。
その熱さがぐいぐいと引っ張っていく感じです。
(09/23/2003)


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