Jellyfish's Note

「ベロニカは死ぬことにした」 パウロ コエーリョ (著)江口 研一 (翻訳) 角川文庫


「1997年11月、自殺する時が"ようやく!"来た、とベロニカは確信した。」
その文章と題名のとおり、話はここからはじまる。
自殺をはかり運び込まれた精神病院で、ベロニカが死と生と向き合う1週間。

なんとなく題名にひかれて手にとってしまい、どんな内容か当たりもつけずに読み始めてしまった為、 進むうちに揉まれに揉まれてしまいました。
様々な心の病をかかえる入院患者達をめぐり、狂気や躁鬱を通して、生きていく上で抱える不安や悩みについて 語られます。
生きるとは何か、死とは何か。
これが本書のメイン。
根源的な命題を投げかけられ、登場人物が様々に答えを見出す過程は、読む人間もその数だけ様々にとらえていいのよ、という度量の広さを感じます。

私は主人公に自分を同化させて読むクセがあり、途中がつらくってどないしょうと思いました。
結局思ったのは自分の読書の仕方が下手であり不器用であること。
だけど「人が自分の本質に逆らうのは、人と違っていいという勇気に欠けるからで、そうしたら(中略)憂鬱を生み出すんだ」(本文抜粋)に救われました。

私はこういう読み方しかできない。
だから単純な物語が好きだし、難しいのは苦手。
でもそれで行く勇気をもてばいいのかな。

漢方薬のように読んで時間がたてばたつ程じわりじわりと効いてきます。
(10/17/2003)


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