Jellyfish's Note

「石の猿」 ジェフリー ディーヴァー(著) 池田 真紀子(翻訳) 文藝春秋


リンカーン・ライムシリーズの第4段。
中国の不法移民を題材にしているせいか、今までとは少し趣が違う。
囲碁や風水、孔子の格言などチャイニーズ要素をちりばめながら、いつもより観念的な内容かも。 特に不法移民一家に向ける作者の目は温かく、父と子の関係なんてもろくもあり厚くもあり、ついほろりとしてしまった。

ストーリーはもう、大丈夫。
ゆっくりと物語にたゆたうこの安心感。
一気に読んでしまうことが贅沢に感じました。

でも一方で、なんだかちょっと流れてる感もあり。
ライムの恋人アメリア・サックスのアクションは緊迫感あふれているし、精緻なストーリー展開は さすがなのだけど、ちらばるチャイニーズ風味の扱いが、アクセサリーっぽい。
そのせいか、読んでいる私ってやはり日本人だなあという思いが抜けない。
いまいち物語に没頭できませんでした(笑)。
無宗教でも縁起等をかつぐことは私にとっては日常なのに、あちらの人達にはそういうことすら珍しいものなのかしら。
宗教観の違いを考えてしまいました。
(12/08/2003)


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