「子供の眼」リチャード ノース パタースン(著) 東江 一紀(翻訳) 新潮社
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リーガルサスペンス。といってしまえば身も蓋もないけど、アメリカの陪審員制裁判が臨場感あふれてせまってくる。
主人公パジェットと恋におちたテリーザの夫が殺されたところから始まり、いくつかの疑問を残したままパジェットは
逮捕され、あれよあれよと裁判へと持ち込まれていく。
大雑把にいうと前半の事件編、後半の審判編に分かれるが、読者を引き込むのは断然後半。
公判へ進む前の陪審員の選択、弁護士や検察の立ち回り方など、審判に臨むプロのテクニックが余すところなく披露され、
少々アメリカの裁判制度を皮肉に見せている感あり。
でも、それでも弁護士キャロラインは言う。
「弁護士の仕事が、心底好きに思える日があるものよ」。
・・・ああ、カッコイイ!
前編「罪の段階」で判事を務めたこのキャロラインという女性、この物語では主人公の弁護を担当。もう、この女性がピカイチの脇役。
物語中、癖としてキャロラインが目をすぼめる場面があるのだけど、なりきって目え細めていました(笑)。
サスペンスだけではなく、子供の親権をめぐる争い、心の傷を負って生きること等、この作者は女性の心理がとても上手い。
何層にもドラマが重なっているので、人によって面白いと思うポイントが違うだろう。
(08/05/2003)
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